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仕事の後任は

2017-05-26 | 創作
公園の管理をしていますと同じような仕事をしている人と仲良くなります。
公園が隣接していたり、近くに食事をできるところがないなどの理由で、同じ喫茶店で食事をする事があります。
喫茶店の女主人が目的で、わざわざこちらに来るという事もあります。
私はそんな事で食事場所を変えたりはしませんが、まぁ、少しはそんな傾向があるかも。
先日も食事をしていたら、同業のリタイヤ組の方と相席したことがあります。
その人の話では「そろそろ、この仕事辞めようかと思うのです」と言うのです。
「何かあったのですか、クレーマーにしつこくされるとか」
「そんなことでしたら、まあ、気にしなければどおってことないのですけど。ちょっと、付きまとわれているというか」
「付きまとわれているのですか」この憑かれている話は危険です。
「先日の風の強い日に、公園の木が倒れていないかと言われて、夜だというのに見に行かされたのです」
「夜ですか、誰がそんな指示を出したのですか」
「それが、公園管理のなにがしと言ったのですけど、どうしても名前が思い出せないのです。メモもしたのですけど、そのメモも見つからなくて」
「夜、風の強い日に公園見てこいと言うのは、残業にもなりますから名前大事ですよね」
「ええ、それで後日、そのことを話したら公園管理の方ではそんな指示、出すわけ無いでしょうと言われました」
「そうでしょうね、見に行ってけがでもしたら大変ですから、市役所は普通そんな指示はしませんよね。見に行く必要があったら、市の職員が行くはずですから、委託の我々に見に行ってこいとは言われないのが普通ですよね」
「ええ、それで見に行ったら、まぁ、小枝ぐらいが落ちてましたけど、大きな枝や木が倒れているような事も無くて、帰ろうとしたのです」
「まぁ、何事も無くて良かったですね」
「そうなのですけど、そんなときに限って生理現象が起きるのですよね。歳になると、どうしても近くなってそれで公園の公衆トイレに入ったのです。別にいつも掃除しているところですから、怖いなんて思ったことも無い処だったのですけど、その日はなぜか怖かったのですね。風が妙に生暖かいし、ヒューって音がしていて、まるで怪談話のトイレなのです」
「夜のトイレと言うだけで、そんな雰囲気ありますから」
「それでも、尿意に負けて中に入って用を足したのです。そのトイレは人感式照明でしたから、入るときは真っ暗でしたから誰も人がいなかったはずなのです」
「ああ、人が入ったら照明が付くというやつですね、たまに誰もいないのに点いていてビックリするやつですか」
「そうなんですけど、その時に限って、用を足していたら突然真っ暗になったのです。ビックリしましたねぇ。出ていたものが、止まるほどでしたから」
「それはビックリしますよ」
「すぐ、点いたのですけど、その真っ暗なときに後ろの個室のドアが開いたような気がしたのです。用を足している最中ですから、振り返ることができなかったのですけど、確かに誰かというか何かが後ろに立っている気がしてならなかったのです」
「それでどうなされたのですか」
「すぐ電気が点いたので、周り見ましたよ。別に誰が立っているわけでも無く、後ろの個室のドアも閉まっていたので、気のせいだったのだとは思いますが、その日以来、なぜかいつも誰かに見られているような気がするのです。もう歳ですから、疲れやすくなっているのかも」
「そんなことは無いでしょう、顔色も良いから心配ないでしょう」と言ったのですけど。
「まぁ、そろそろ仕事も辞めて後任の方に、譲ろうかと思っているのですよ」と笑ったのです。
「お仕事、止められるのですか」と言ったのです。
そういえば、その人の後ろに黒服の人がずっと立っているのです。大きなカマを持って。
ええ、あの首を切り落とすような西洋式の大きなカマを持った人です。
喫茶店に入ってからも、ずっとその人の後ろにて立っているだけで何も言わないのですけど、黒い三角の帽子の陰で、目だけ赤く光っていて。
後任の方とお仕事をしているのなら、お辞めになるのは本当なのかと思いました。
「じゃ」と言って挨拶を交わして別れたのがあの方と話した最後になりました。
暫くして、あの方がお仕事辞められたと噂に聞きました。
あの黒服の男は、仕事の後任の方だったのでしょうか。
無愛想で好きになれません。
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