夕焼け金魚 

不思議な話
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庭に足跡が付いたときは

2017-05-19 | 創作
私の担当しているアパートや借家の地区で、空き巣被害が多発したことがあります。
若い女性の独り暮らしの入居者もいるので、防犯に注意して欲しいと言われました。
そんなこと言われましても、私は掃除人だと口の中でブツブツ文句言ったのですけど、もちろん「分かりました」と元気に答えました。
そんなときに借家の方から、庭に足跡が付いていたと苦情がありました。
見に行くと庭の土に裸足のような足跡が付いていたのです。
「先日の雨の後に庭に入ったら、こんな足跡が付いていて」と言われました。
踏み石の間の土に、裸足の子供のような足跡が付いていたのです。
足跡をたどると庭の片隅にあった井戸の処に続いていました。
井戸には竹のすだれ状の蓋がしてあったので、蓋をめくってみました。
ところが、井戸の縁石はあるのですが、井戸の中はもう土で埋まっていたのです。
「近所の子供がここに入って遊んでいたのでしょうかね」と言って蓋をしました。
「そうなの、気味が悪いわ」
「子供が入らないよう、防犯の砂利を引き詰めたら、それで入ってこなくなるでしょう」と言って
砂利を引き詰めることにしました。
借家の方は井戸の蓋を開けたとき井戸の中をのぞき込んでいて、蓋の裏にお守りがあったことに気づかなかったようです。
この町の古い家だと、庭に井戸が今でもあるのです。
昔は、結婚前の娘さんが間違って子供を作ると、赤ちゃんを井戸に投げ捨てたという話が残っています。
そんないわれのある井戸で、夜中に子供が出てくる井戸があるとか。
困った家の人は、まず井戸を埋めてしまう。それでも駄目なときは高名な僧侶にご祈祷していただいて、井戸の蓋裏にお守りを貼っておくとか。
私が井戸蓋をあげたとき、お守の札が 垂れ下がっていましたから、この井戸もそんな井戸だったのかも。
借家の方は、私がそっとお守りを張り直して、蓋をしたことには気づかなかったようです。
砂利を引き締めておけば雨が降っても、足跡が残るようなこともありませんし、逆に雨の時などには砂利にあたる雨音で井戸の蓋が動くような音も消えてしまうでしょうから。
要は足跡が庭に付かなければ良いのですから。
古いお屋敷を借りるような方は、夜は庭など見ない方が良いかも。
井戸から子供が出て、庭を歩き回るなんて光景は、見ない方が良いと思いますから。
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