経済データおたくの世迷言 by Research76 ーグラフでみるアジア・日本経済

経済動向・データを独断と偏見で読み解きます。
統計やイベント発表に合わせて不定期に書いていくつもり。

*中国の第3四半期GDP、一時的に改善の可能性も

2016-10-17 19:57:45 | アジア


中国
GDPは生産と強い相関


―19日に発表が予定される中国の第3四半期GDPは前年比でプラス6.8%程度と、第1・第2四半期のプラス6.7%からやや改善して、昨年第4四半期と同じ伸び率となる可能性が出てきました。

―中国の統計については、その信頼性が常に疑問視されてきました。特にGDPについては、該当する四半期が過ぎてから2週間程度で発表されるなど、他国と比較しても異常に発表時期が早いことも信頼性が疑われる要因のひとつです。日本の場合、GDP速報が発表されるは該当する四半期が終わってから2カ月半程度たってからです。米国や東南アジアの国々も同様のタイミングです。

―中国のGDPですが、簡便法として、毎月発表される鉱工業生産の前年比(%)、財新のPMI、国家統計局のPMIを使って予想することが可能です。

―図5をみると、GDPと鉱工業生産に強い相関があることが分かります。製造業がGDPに占めるウェイトが他国と比べて非常に高いことが影響しているのでしょう。しかし残念なことに、9月の生産統計は第3四半期GDPと同時に発表されるので、予想には使えません。やむなく、7月と8月の生産の伸びの平均をとると6.15%程度となり、第2四半期の6.07%からやや改善しています。

 

―GDPとの相関の強さという面では生産に及びませんが、2つのPMIは既に9月分も出ています。第3四半期の財新PMIは50.2と第2四半期の49.1から、また国家統計局PMIも50.2と第2四半期の50.1から、ともにやや改善しています。

―このように、鉱工業生産の前年比、財新PMI、国家統計局PMIがそろって、第3四半期は第2四半期を上回っています(図4)。そこでR76では、第3四半期GDPはプラス6.8%と、第2四半期をやや上回る数値を予想しておきます。


発表値は予想を大きく逸脱しない傾向

―中国のGDPについては、発表数値が市場のコンセンサス予想から大きく逸脱することがめったに無いことも知られています。他国の指標に比べても、指標発表後に市場が大きく動くことが少ないのです。このあたりも、統計の数値が人為的に操作されているにではないか--と勘繰られる要因です。


―中国では高度成長期は既に終焉しており、GDP統計が改善したとしても一時的なものと見られます。人民元の下落も止まりませんし、通貨安にもかかわらず輸出も減少が続いています。いわゆるゾンビ企業や不動産バブルの問題(9月18日配信の「要注意、中国の不動産バブル」をご参照ください)も気がかりです。改善はしなくてもよいが、予想を大きく超えるような大きな指標の悪化、つまりハードランディングだけは避けたい—と市場では見ているようです。

―他国の都合は一切考えずに、突然、政策のルールを変えるということも過去に頻繁にみられました。世界の名目GDPの15.6%(2015年:IMF統計)を占める大国ですので、その動きを今後とも注視したいと思います。

本日もお付き合い、有難うございます。

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