投資情報「経済データおたくの世迷言」

経済・市場動向や要人の運勢など、投資に影響を与えそうな情報を九星気学、そして独断と偏見で読み解きます。

4月の中国経済統計、習近平氏の威信低下を助長

2017年05月17日 | アジア

弱さ目立つ4月の主要統計

前週末に北京で開催された中国の「一帯一路」会議はロシアのプーチン大統領、インドネシアのジョコ大統領など多くの各国首脳を招いた大々的なものとなりました。習近平国家主席にとっては得意の絶頂を極めるはずでした。ところが突如として北朝鮮がミサイルを発射、習氏の顔に泥を塗る恰好となりました。

北朝鮮に加えて、今週月曜に発表された4月の主要統計も習氏のメンツに傷をつけることになりました。4月の固定資本投資は前年比+8.9%にとどまり長期下落傾向を印象づけました(C1参照)。また、投資に代わって経済のけん引役になることが期待されていた消費(小売総額)は同+10.7%と横ばい圏内に留まっています。

最も注目すべきは中国のGDPに大きな影響を与える鉱工業生産の動きです。4月生産は前年比+6.5%と、3月の+7.6%から大きく低下しました。

こうした景気減速を引き起こした要因ですが、中国政府がバブル潰しと通貨防衛のために行っている引き締め気味の金融政策が影響しているとみられます。また小型車への減税が縮小された影響も無視できません。乗用車販売台数は昨年5月から11月までは前年比2ケタの伸びが続きましたが、その後は徐々に鈍化、3月は前年比+1.7%、4月は同-3.7%まで落ち込みました。

第2四半期GDP伸び率鈍化は不可避

中国のGDPは経済対策もあり、昨年第3四半期が前年比+6.7%、第4四半期が同+6.8%、今年第1四半期が同+6.9%と徐々に伸びを高め、経済復活への期待も高まっていました。

しかし4月の生産統計は、GDP改善継続への期待を裏切るものとなりました。第2四半期のGDP伸び率は第1四半期よりも鈍化する確度がかなり高まったと言えそうです。

GDPへの影響が大きい生産は1-3月期には前年比+6.7%でしたが、4月はそれを下回っています。もちろん5月、6月の生産を見なければ、第2四半期について確実なことは言えませんが、引き締め気味の金融政策が続いていること、経済対策の効果が薄れてきていること等を勘案すれば、第2四半期の残りの2カ月で生産が大きく盛り返すことは予想し難い状況です(C2参照)。

今年秋に5年に一度の共産党大会が開催されることを考えれば、第2四半期GDPが政府の今年の目標である+6.5%を下回ることは考えられません(意地でも6.5以上の数字を出してくるはずです)。しかし4月の生産統計は、週末の「一帯一路」会議でみせた威勢の良さとは裏腹に、中国経済、そして「核心」(別格指導者)として神格化された習氏への信頼にケチをつけたと言えるでしょう。

不動産バブルへの懸念も依然去っていません。北京の新築住宅価格は前年比+19%となりました。一時の27%台からは減速していますが、依然2ケタの上昇を続けています(C3参照)。

また金融当局は、人民元の下落を止めるために、なりふり構わない資本流出規制を続けています。IMF特別引出権の構成通貨を保有する国家にふさわしい行動とは言えませんし「市場経済」と言うにはほど遠い状況です。

AIIB参加議論は慎重に


会議の熱気にあてられた?

気になるのは週末に習氏と会談した自民党の二階俊博幹事長が、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)への日本の参加の可能性について「どれだけ早い段階で決断するかにかかっている」と積極姿勢を示していることです。

AIIBへの参加については、日本は2年前に融資審査プロセスの不透明さなどから米国とともに不参加を決定しています。当時の世論そして企業は、その決定を支持しました。

二階幹事長にすれば日中友好促進のために日本のAIIB参加を決めたいのでしょう。しかし、上でも指摘したように、この2年間で中国経済には、多くの問題が表面化しています。また2年前に指摘された問題も解決されていません。

そういう環境下でのAIIBへの安易な参加は、国民の「血税」を無駄使いすることになりかねません。日本の厳しい財政状況を考えれば、そうした余裕があるとは言えません。二階氏という実力者の発言ではありますが、ここはくれぐれも慎重な対処をお願いしたいと思います。

 

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