投資情報「経済データおたくの世迷言」

経済・市場動向や要人の運勢など、投資に影響を与えそうな情報を九星気学、そして独断と偏見で読み解きます。

*要注意、中国の不動産バブル

2016年09月18日 | アジア




北京の住宅価格、2010年以来の高い上昇率に


―中国経済には懸念材料が多々ありますが、その一つが大都市での不動産バブルです。7月の北京の新設住宅価格の伸びは前年比プラス20.7%となりました(図1)。これはリーマンショック後に中国が打った4兆元の大型景気策の好影響が出ていた2010年6月(プラス21.5%)以来の高い伸びとなります。

―グラフを見ると、昨年春の株バブル崩壊(上海総合株価の大幅下落)後、その資金が不動産に流れてきたようにも見えます。また過去にも大幅な上昇と下落を繰り返しています。とすると、今回の大幅上昇も「いつものことで心配ない」と思う方もいるかもしれません。

―しかし、この高い伸びは、やはり経済の実体からかけ離れたバブルと言うべきでしょう。というのは、不動産価格上昇を下支えしている経済のファンダメンタルは以前ほど強くないからです。GDP成長率をみると、前回の住宅価格のピークをつけた2013年は7.8%成長、その前のピークだった2010年は10.6%成長を記録していました(図2)。今年はおそらく昨年のプラス6.9%を下回り、6.7%程度の成長に留まるとみられます。2010年と同程度の伸び率は高すぎると言わざるをえません。



―今後、急速に不動産価格が下落した場合、家計などが過大な負債を抱え込み、銀行破たんなど金融システム危機に陥る可能性も否定できません。また不動産から出た資金が再び株式市場に戻ればよいですが、そうならない場合には消費者マインドの悪化などから株価暴落につながる場合もあります。その場合には、昨年春に見られたように、日本の株価に対しても大きな下押し圧力を持つはずです。

―中国経済についての楽観論でよく言われるのが「中国の財政状況は健全だから、過去にやった4兆元程度の対策はいつでもできる」というものです。確かにそうでしょう。しかし、そうした対策が発動されるのは、成長率の大幅低下・株価暴落を伴った危機が表面化した後だということに注意が必要です。危機以前に大型対策が出てくる可能性はほとんどありません。というのは、リーマンショック後の4兆元対策が、まさに今の過剰設備、デフレを作り出したとの見方が中国では強いためです。

―既に深センや上海などでは、不動産価格の上昇率がピークアウト、伸び率が低下しつつあります。今後の影響を注視したいと思います。

足元の景気は小康状態

―足元の景気状況を示す指標は健全です。8月の鉱工業生産は前年比プラス6.3%と、3月のプラス6.8%以来の高い伸びとなりました。

―8月までに出たデータを用いて10月上旬にも発表される7-9月期GDPを予想してみると第2四半期の前年比プラス6.7%を上回る可能性が出てきました。

―GDPとの相関が強い3つの指標の7、8月の平均伸び率を見てみると、4-6月期の伸びを上回っています。例えば、鉱工業生産は7、8月平均が前年比プラス6.15%で、第2四半期の6.07%を上回りました(図3)。また財新PMIも50.3となり、第2四半期の49.1を上回っています。

 
―ただ楽観は禁物です。生産は、小型車減税で自動車販売が大きく伸びたことで押し上げられています。年内で減税も終わるので、来年初頭からは反動減があるはずです。また9月上旬の杭州でのG20会合前に、周辺の工場の操業率を下げたので、それが9月生産にどう影響するかも要注意です。

―いずれにせよ中国経済については当面、高成長への復帰は期待できません。成長率が徐々に減速しての軟着陸できればラッキーでしょう。

本日もお付き合い、有難うございます。

ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« ついにピークアウトか? 首... | トップ | *景気指標、ほぼ日銀の判断... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。

あわせて読む

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL
ブログ作成者から承認されるまでトラックバックは反映されません。