セレンディピティ ダイアリー

映画・アート・本・おいしいものなど、日々出会った感動を、心のままに書き留めています。

ソール・ライター展

2017年06月15日 | アート

渋谷のBunkamura ザ・ミュージアムで開催している「ニューヨークが生んだ伝説 写真家 ソール・ライター展」(~6月25日まで)を見に行きました。

足跡 1950年頃

1月にBunkamuraに「マリメッコ展」を見に行った時に、上のポスターにひと目惚れし、楽しみにしていた写真展です。本展は、ニューヨークで活躍した伝説の写真家ソール・ライターの日本初となる回顧展。写真、絵画、資料など、200点以上が展示されています。

映画「Beyond the Fringe」のキャスト(ダドリー・ムーア、ピーター・クック、アラン・ベネット、ジョナサン・ミラー)とモデル「Esquire」  1962年頃

1923年、ピッツバーグでユダヤ教の聖職者の息子として生まれたソール・ライターは、神学生として学ぶも、画家を志してニューヨークに移住。その後、写真と出会い、1950年代に Harper's BAZAAR、ELLE、VOGUEなどのファッション誌で、カメラマンとして活躍しました。

床屋 1956年

しかし徐々に仕事が減少し、1981年にスタジオを閉鎖。表舞台から姿を消します。その後しばらく忘れられた存在でしたが、2006年、ドイツのシュタイデル社から写真集「Early Colors」を発表。その後、展覧会、作品集、ドキュメンタリー映画も作られ、再び脚光を浴びるようになりました。

雪 1960年

ファッション・カメラマン時代のモードな写真は、50年代のエレガントなファッションに身を包んだモデルがニューヨークの街角に佇み、洗練された美しさにうっとりしました。ケイト・ブランシェット主演の「キャロル」の映像も、ソール・ライターの作品にインスパイアされたと知り、納得しました。

郵便配達 1952年

1990年代に入って発表された作品は、ライターが50年代に撮影したものです。当時、カラー写真の現像は難しく、お金もかかったため、ライターは撮影した写真をフィルムのまま、現像せずに残していたのです。数十年の時を越えて、それらの写真が現像され、初めて披露された時は、まさに”歴史的瞬間”だったそうです。

ライターの作品は、アンバランスな独特の構図、ガラスに反射した像、雨に滲んだガラスの向こうの風景など、日常のひとコマをそのまま切り取った情景が実に魅力的。ポスターの写真は、ひと目見て、広重の浮世絵を思い出しましたが、ナビ派からも影響を受け「ニューヨークのナビ派」とよばれているそうです。

【参考記事】オルセーのナビ派展 @三菱一号館美術館 (2017-03-10)

自宅のあるイーストヴィレッジ周辺で、名もなき街角や市民の日常を、独自の視点で捉えたライターの作品。ニューヨークの街の息遣い、詩情と物語が感じられて、私はとても気に入りました。傘が好きなライター、雨や雪の情景が印象的でした。

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6 コメント

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素敵ですね! (ごみつ)
2017-06-16 01:34:58
こんばんは!

わ~、この方の写真は私も好きだ~。

全然知らない写真家さんでしたが、アップされてるどの写真も本当に素晴らしいですね。

ドイツのシュタイデルは、ハイセンスなアート本をたくさん出してる出版社さんなんですが、けっこう高額なんですよね~。でも、オーダーしてお店に置いてみようかしら?

展覧会行きたいけど、時間とれるかどうか・・。
でも、写真の構図から、色彩から、とらえてる人物の表情、動き、何から何まで素敵。
観に行きたいな~。

ご紹介有難うございます。
Unknown (tomo)
2017-06-16 07:12:54
郵便配達の写真が好きです!
ポスターやカードが欲しくなりました。飾りたくなるくらい素敵です。
確かに雨や雪の写真がとても印象に残りますね。
日常の何気ない一コマが、こんなに素敵な作品になるのがすごいです。

今はデジカメでバシバシ写して、気に入ったものだけ現像ができますが、フィルムはなかなかそうはいかないですもんね。

撮影してから数十年経過してから現像された写真、出来上がったものを手にした時は、ものすごく衝撃的だっただろうなって想像します。
☆ ごみつさま ☆ (セレンディピティ)
2017-06-16 11:32:02
ごみつさん、こんにちは。
私もこの写真家さん、1月にポスターを見て初めて知ったのですが
とてもすてきな展覧会でした。
ごみつさんもきっと気に入られると思います♪

ライターは自分から作品を売り込むことを良しとせず
しばらく忘れられた存在でしたが
それを発掘したのがシュタイデル社なんですよ!
きっと見る目をもった編集者の方がたくさんいらっしゃるのでしょうね。

お時間がありましたら、足を運ばれてみてください☆
☆ tomoさま ☆ (セレンディピティ)
2017-06-16 11:44:03
tomoさん、こんにちは。
郵便配達の写真、すてきですよね。
背景のCoca Colaの看板がまた、アメリカらしいな~と思いました。^^
なにげない日常が伝わってくる作品、どれもすてきでした。

私などは、ガラスに像が映り込むとつい失敗した!と思ってしまうので
それが見方を変えるとこんなんすてきなアートの作品になるんだ~
というのが驚きでした。
アーティストってすごいですね。

デジカメは写真を取巻く環境をすっかり変えましたね!
Unknown (zooey)
2017-06-21 09:19:34
観て来ました!
私はやっぱり「雪」が一番好きかな。
「雨」という作品もありましたね。
寒そうな、でも暖かい眼差しで撮られたNYの街角。
よかったです~!
☆ zooeyさま ☆ (セレンディピティ)
2017-06-21 14:26:03
zooeyさん、こんにちは。
ソール・ライター展、よかったですね。
zooeyさんは「雪」が気に入られたのですね~
私はやはりメインビジュアルの「足跡」でしょうか。
大きな傘の下に足だけ見えている作品も好きですね~
本人にとっては不本意かもしれませんが
モードの写真もよかったですよね。
NYの魅力が伝わってくる作品展でした。

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