この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

いい具合に出鱈目だった『ワイルド・スピード SKY MISSION』。

2015-05-06 21:04:59 | 新作映画
 ジェームズ・ワン監督、ヴィン・ディーゼル主演、『ワイルド・スピード SKY MISSION』、5/6、ユナイテッドシネマキャナルシティ13にて鑑賞。2015年18本目。


 GW最終日、「面白い!」と評判の『ワイルド・スピード SKY MISSION』を観に行ってきました。
 本当はGWの間は一本映画を観ればいいかなぁと思っていたのですが、そう思って観た『女神は二度微笑む』が個人的にイマイチだったので、もう一本、この『ワイルド・スピード SKY MISSION』を観ることにしたのです。
 いやぁ、めっちゃ面白かったです。こっちの方を先に観ればよかったなぁ。

 さて、某人気映画ブロガーさんが『ワイルド・スピード』シリーズを観るのは今作が初めて!ということが話題になっていたりしますが、自分はというと結構見ています。ただ、全作見ているわけではないんですよね。
 何作目を見てないのかというとそれが今一つわからない。三作目の『ワイルド・スピードX3 TOKYO DRIFT』を見てないのは間違いないのですが、二作目の『ワイルド・スピードX2』を見たっけなぁ?たぶん見たとは思うんだけど、いまいち自信がないです。笑。
 ただ、旧作を見ていなくてもあまり問題ないのが『ワイルド・スピード』シリーズの素晴らしいところです。

 シリーズ第一作を劇場で観た人間なら誰でも思うんじゃないでしょうか、まさかこんな超人気シリーズになるなんて、と。
 いや、だって本当にそうなんですよ。
 シリーズ第一作である『ワイルド・スピード』は監督がロブ・コーエンでB級臭漂う、非常に志の低い映画でした。
 志が低いというのはどういうことなのかというと、ぶっちゃけパクリでしたからね。
 どの作品のパクリかというとキャサリン・ビグロー監督の『ハート・ブルー』です。ストーリーや人物設定などがクリソツなんですよ。ぶっちゃけ『ハート・ブルー』のサーフィンをカー・レースに置き換えたら『ワイルド・スピード』になるといっても過言ではないと思います。
 しかも作品の完成度では『ワイルド・スピード』は『ハート・ブルー』にはるかに及びませんからね。

 『ワイルド・スピード』シリーズを今のような人気シリーズにしたのは間違いなく第三作から第六作までを手掛けたジャスティン・リン監督の手腕によるところが大きいと思います。
 ですから第七作も当然続投かと思っていたところにジェームズ・ワン監督への交代ですからね。
 何となく納得いかないものがありましたよ。
 特に自分はホラー映画の監督としてジェームズ・ワンに期するものがありましたからね。ワン監督にはもっとホラー映画を撮って欲しいと思っていた人は多かったはずです(まぁ『死霊館2』を撮るようですが)。
 
 でも実際この『ワイルド・スピード SKY MISSION』を観ると、これだけのものが撮れるなら、そりゃホラー映画を撮る気が無くなったとしても仕方ないな、と思いましたよ。
 何て言うか、いい具合に出鱈目な映画でしたね。
 脚本だけに目を向ければかなりお粗末といっていいです。
 今回の敵役はジェイソン・スティサム扮するデッカードという特殊部隊上がりの男です。このデッカードを見つけ出すために主人公のドミニクたちは“ゴッド・アイ”という監視プログラムを手に入れようとするのですが、途中デッカードが目の前にいるというのに“ゴッド・アイ”を手に入れることを優先しようとするんですよ。
 目の前のデッカードを倒せば済む話なのでは…?と思ったのは自分だけではないはずです。
 脚本の疵はそこにとどまらず、そこかしこにあります。

 ただ、それが気にならない、というのがこの『ワイルド・スピード SKY MISSION』のすごいところです。
 たぶん観た人の誰もなぜ輸送艇から車でスカイダイブをしなければいけないのか、説明出来ないんじゃないでしょうか。
 この映画を観ると「無理を通せば道理が引っ込む」という諺を思い出さずにはいられません。
 その無理の通し方が何ともイカして(orイカれて)いて素敵なのです。

 本当に出鱈目な映画ですが、鑑賞後、スカッとすること請け合いです。日ごろ何かとストレスがたまっている人には強くお薦めしたいですね。


 お気に入り度は★★★★、お薦め度は★★★★(★は五つで満点、☆は★の半分)。
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