この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

いろいろケチをつけたくなった『ジェイソン・ボーン』。

2016-10-07 23:47:25 | 新作映画
 ポール・グリーングラス監督、マット・デイモン主演、『ジェイソン・ボーン』、10/7、Tジョイ久留米にて鑑賞。2016年34本目。


 最初は三連休の中日にでも観に行こうかな、と思っていたのですが、やっぱり旧三部作の熱烈なファンとしては、二日も待てん!と思って公開初日のレイトショーに観に行きました。
 アクション映画としての出来は非常に良い、と思いました。クライマックスのカーチェイスシーンなんて、今まで見たことがないレベルと言っていいぐらいでしたしね。
 ただ、完璧な形で幕を下ろしたシリーズを再起動させる意味はあったのだろうかとそこがやはり疑問でした。

 いろいろケチをつけたいことはあるのですが、まず、予告編でもおなじみの、ボーンが再登場するアンダーグラウンドの拳闘シーン。
 ないな、と思いましたよ。
 だってどういった形にせよ、CIAに追われているボーンが意味もなく人前で殴り合うなんてことはあり得ないですから。
 作り手はボーンが相変わらず超絶的に強いということを示したかったのだと思いますが、自分のイメージ的にはボーンは人目を避けて山奥にでもこもってそうな感じなんですけれど。

 それから、新キャストはことごとく気に入らなかったですね。
 今回ボーンと激しい戦いを繰り広げる敵工作員をヴァンサン・カッセルが演じるのですが、ヴァンサン・カッセルが野獣のような男を演じても意外性がまったくないですよね。出来ればもっと無名の俳優に同じ役を演じて欲しかったですね。
 ついでに言えば、工作員のコードネームが「工作員」ってのは何なんだよ、って思いましたよ。『ボーン・アイデンティティー』の工作員は「教授」って呼ばれていて、一体何の教授だよ!とは思ったけど、そこがカッコよかったのに。
 キャスティングに意外性が感じられなかったのはCIA長官のデューイを演じていたトミー・リー・ジョーンズもそうですね。日本ではCMでおなじみのジョーンズですが、何となく本作のCIA長官役にはデジャ・ブを覚えて、面白みのないキャスティングだなぁと思いました。
 逆に完全に浮いてるなぁと思ったのがCIAの女性分析官ヘザー・リーを演じたアリシア・ヴィキャンデルですね。
 本作でニッキ―が退場することとなったので、今後続編が作られることになったら彼女がヒロインになると思われるのですが、『ボーン』シリーズのヒロインを務めるには、彼女は線が細すぎる。もっと言えば美人過ぎるんですよね。旧作のボーンとマリー、もしくはボーンとニッキ―みたいにお似合いって感じは全然しません。
 あと、リーに関して言えば、彼女はデューイに対して敵意といっていいほどの感情を抱いているのですが、その理由がまったく説明されないので、彼女の行動のほとんどが理解不能か、唐突なものに思えました。
 最終的にデューイが葬られたからいいようなものの、そうならなかった場合彼女はどうするつもりだったんだろう、、、そういった意味でも脚本に多くの疵があると言えるでしょうね。

 最後の最後にリーはボーンに対し、ある二択を提示します。
 でもその二択がこれまで『ジェイソン・ボーン』シリーズを観てきたものにとっては(一方が)あり得んだろ!と言いたくなるもので、結局本作が何を言いたかったのか、まったくわからなくて、、、旧作は自分探しがテーマであり、また贖罪がテーマだったので、素直に感情移入できたんですけどね。
 本作ではボーンの父親の秘密も明かされるのですが、それがまた到底納得出来るものではなくて。何となく、自分の息子を戦場に送りたがらない政治家のことを思い出しましたよ。

 そういったわけで旧三部作に思い入れがある自分は(番外編である『ボーン・レガシー』ほどでないにしても)本作を高く評価することは出来ません。
 と言いつつ、続編が作られたら観に行くとは思うんですけど。
 でも本作のタイトル『ジェイソン・ボーン』では新章が幕開けしたとか言う割に、新シリーズが始まったのかどうかまったくわかりません。
 そこら辺が曖昧なのも気に入らないですね。


 お気に入り度は★★★☆、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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