この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

喪失と再生の物語、映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』。

2012-02-22 22:33:20 | 新作映画
 スティーブン・ダルドリー監督、トーマス・ホーン主演、『ものすごくうるさくてありえないほど近い』、2/19、Tジョイ博多にて鑑賞。2012年5本目。


 生きるとはすなわち喪失し続けることである。
 それはその人が死ぬまで続く。

 が、我々は通常そのことに気づかない。
 なぜなら人生の砂時計は砂の零れ落ちるスピードがあまりに緩やかで、その変化に気づきにくいからだ。

 そのことに気づかぬまま一生を終えるのはむしろ幸甚であるのだが、時に人は、唐突に、そして望まずにそれを知らされることがある。
 例えば大切な人を交通事故で喪うことによって。
 例えば同時多発テロによって。
 例えば未曾有の大震災と大津波によって。

 映画『ものすごくうるさくてありえないほど近い』は911アメリカ同時多発テロによって父親を喪った少年オスカーの喪失と再生の物語である。
 
 正直に言うと、自分はこの作品でそれほど心が動かされることはなかった。
 自分がこの作品で心を動かされなかったのは、自分がこれまでの人生において、大切な人をある日突然喪う、というような経験をしたことがないからだと思う。
 十年近く前に父を病気で亡くしてはいるが、父は家族に看取られて安らかな最期を迎えており、自分は父の死を悲劇と捉えてはいない。あるがままに受け入れ、混乱もしていない。
 そこには当然喪失も再生もない。

 自分は2011年の3月11日にに東北大震災が起きたことを知っている。
 そして2001年の9月11日にアメリカ同時多発テロが起きたことも知っている。
 しかしそこまでだ。
 ニュースや人づてに話を聞いただけでは、決してテロの被害者や遺族、及び大震災の被災者の味わった喪失感を味わうことなど出来るはずがない。
 だから、自分はオスカーの心情を完全には理解できないし、またこの作品で感動するということもなかった。

 だからといって自分はこの作品を否定する気はさらさらない。
 東北大震災からやがて一年が経とうとしているが、完全復興にはまだまだ遠く、被災者の方々の心の傷も癒えたとはとても言えないだろう。
 大震災によって被災した人々にこそ、本作は是非観て欲しい。
 自閉症気味だったオスカーが亡くなった父との絆を求め、ニューヨークの街へ一歩踏み出す姿は、そういった人たちに勇気を与えるのではないだろうか。
 喪失感を味わったことがない自分にもそれを想像するのは決して難くはない。
 

 お気に入り度は★★★、お薦め度は★★★☆(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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週末、乳と戯れる。

2012-02-22 00:00:35 | 日常
 先週末、東京から友人が遊びに来ました(残念ながらたっちゃんに非ず。たっちゃんは新天地で面白おかしくやっている模様。リアルが充実すればネットの友人などどうでもよくなるものらしい。)。

 東京から来た友人を連れて行くのに相応しい観光地はパッと思いつくところでは、熊本の阿蘇山や長崎のハウステンボスなどがあります。
 阿蘇山はいいですよ!
 何といっても世界一のカルデラ(火口)ですからね。といっても二番目は知りませんけどね!笑。
 ただ、今の時期に阿蘇山に行くのは自殺行為です。何といっても阿蘇山近辺は九州でも一番冷え込みますからね。
 ハウステンボスも悪くないはずです。
 HISが資本参加し、施設やイベントもかなり充実しているようです。
 しかし、後述するような理由で、今回はあえて友人を佐賀のマイナーな観光スポットに連れて行くことにしました。

 一番最初に向かったのは、三瀬にある『そばの芽料理とそばの店 木漏れ陽』
 全国にはそれこそ無数にそばを食べさせるお店があります。
 けれど、そばの芽のサラダやそばの芽のジュースを食せるそばの店はそうはないんじゃないでしょうか。
 そばも、三瀬のそば街道では一番美味しいと思います。

 昼食後、『どんぐり村/三瀬ルベール牧場』に向かいました。
 ここはよくある観光用の牧場で、この日立ち寄った中で唯一これまで自分が訪れたことのない施設でした。
 果たしてどんなものなのか、以前から興味があったのですが、、、自分たちが入園したぐらいから猛烈に吹雪いてきて、ほとんど視界がなくなり、何が何やらわかりませんでした。
 それでも生キャラメル作りと乳搾りは体験できました。
 キャラメルって、もっと何か特別な材料がいるのかと思っていたのですが、牛乳やバターや蜂蜜など、台所でよく見かける食材だけで作れるんですねぇ。知らなかった。
 乳搾りも初体験でした。
 この日、乳を搾らせてくれたホルスタインの花子さん(仮)。


   


 どんなおっぱい星人の男性であっても満足させられるに違いない巨乳の持ち主でした。
 自分は自慢のテクニック(?)で大量の牛乳を搾り出すつもりだったですが、花子さんからは糸のような細い牛乳が出ただけでした。
 自分のテクニックはまだまだ未熟だったみたいです。
 テクニックを磨いてまた来るからね、花子さん!(どこでだよ)

 牧場で一仕事(というほどでもないですが)終えた後、古湯温泉にある『鶴霊泉』へ。
 この温泉は全国でも珍しい天然砂湯温泉です。
 砂湯、、、泥湯は泥が混じったお湯のことですが、砂湯は岩盤が砂で覆われた温泉のことです。
 言葉で説明するのは難しいな。
 実体験したければ、どうぞ古湯温泉にいらしてください。笑。

 温泉から上がったころにはちょうど五時を過ぎていたで、この日の夕食を取るために小城にある鯉料理の店『白滝』へと向かいました。
 なぜ九州の有名な観光地ではなく、佐賀のマイナーな観光スポットに友人を連れて行ったかというと、そもそもこのお店に連れて行きたかったのです。
 というのも、友人曰く、東京の人間は川魚を食べるという習慣がない、川魚には泥臭いというイメージがあるとのことで、そのイメージを払拭させたかったのです。
 で、鯉の洗い(鯉の洗い、わかりやすく言うと鯉の刺身。通常の刺身と違うのは醤油ではなく、酢味噌をつけて食べる。)を一口食べた友人は目を見開いて「お、美味しい…」とつぶやきました。
 今まで食べたことのない、鮮烈な味だったようで友人は甚く感動していました。
 小城の鯉料理が美味いのは当然なんですよ。何といっても水そのものが違いますから。
 言っちゃなんですが、東京ではいくら金を積んでも口に出来ない味だと思います。
 このお店の鯉は捌く前に二、三週間ほど清流から引いた水のいけすにさらし、その間、一切エサを与えないとのことです。
 残酷だな〜と思いますが、だからこそ、身が引き締まって美味なんですよね。

 あとは友人をホテルに送り届け、この日の佐賀の巡りは無事お開きとなりました。

 ちなみに今日紹介した三瀬の『木漏れ陽』と『どんぐり村』、古湯温泉、小城の『白滝』はいずれも近い距離にあり、小城だけが若干離れているかな、それでも車で三十分もかかりません。
 もし、九州に遊びに来る予定があり、あまり人が行かないようなところに行ってみたいという奇特な方がいれば、佐賀の富士町や三瀬、小城を巡るコースは案外お勧めですよ。
 もちろん福岡在住の方にもですけどね。
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