センスプロデュース研究所!

ヒトの五感と脳の関係、ヒトの五感の重要性の提唱、研究を行っている者です。

反射神経の衰え!

2009-09-29 00:05:42 | 感覚、五感
私たちが反射的に危ない事や、物から避けようとする時、無意識に手や足などを動かして、身体に迫る危機を回避する。「危険回避能力」運動的反射能力が働きます。
私は以前から、現在の子どもたちや若者たちのこの危険回避能力の低下、反射神経能力の衰えを指摘してきた。
確かに、運動神経の発達している子どもたちや若者たちも多いが、反射神経が鈍いのである。衰え始めていると言っても過言ではない。
私のところには、実際に色々な反射神経の衰えの報告が届いている。例えば、キャッチボールをするとグローブでボールをキャッチ出来ず、顔に当てる子どもたち、また、高層マンションで生活している子どもたちでは高所に慣れてしまい、高所恐怖感の欠如、外で遊び、転ぶと自然と手が反射的に出ますが、高層マンションで生活している子どもたちでは反射的に手が出ず、顔や頭を打って怪我をすることが知られております。
また、テレビの視聴、ゲーム機、携帯電話などの画面を長時間眺めていると、立体視という、能力も欠如することが知られております。つまり、3次元的視覚に成らず、2次元的視覚の感覚に陥るので、転んでも反射的に手が出ないのです。また、身に迫る危機に対して無反応に近い状態ですから、大けがをするケースが多いのです。
これらを改善させる方法は簡単な事ですが、現在は野外で遊ぶ場所や公園が少ない、公園が危ないと遊びをさせません。よって室内に籠もり、ゲームや携帯電話に依存するのです。これらの感覚が実は反射神経の衰えと低下の原因でもあります。よく皆さんはゲーム機が反射神経を発達させるとある研究者が指摘し、話題になったことを知っておられると思いますが、私の見解は、これらは狭い範囲、ゲームの範囲の反射神経であり、本能的な反射神経の発達や鍛錬には繋がらないと言うことである。
やはり、野外で遊び、駆けずり回り、走って転び反射的に手を着く。これらの繰り返しによって反射神経は培われ、養えるのです。
運動的反射神経もキャッチボールでも、実際に立体的な運動をすることで養えます。ゲーム機のように平面的感覚の反射神経では、瞬時の動作は可能でも、危険から回避する能力には繋がらず危険でもあると言えるのです。
では、反射神経は視覚的要素だけでなく、時には熱い物に触ったり、尖った物に触ると、視覚に頼らずに手や指をすぐに引っ込めます。これらも反射神経であり、脳の働きによる物です。但し、人の脳で認知するまでに0.5秒ほど掛かります。また、手や足を動かすために指令出し、動作に移すまでにまた、0.3秒ほど掛かります。ですから、1秒も掛からず反射神経が働くので、危険なことや危機に迫る危機を回避できるのです。
特に敏感に働くのは「瞼です」瞼に物が入りそうになると瞬時に閉じることが出来るのです。無意識と言っても良いでしょう、よく家庭の主婦なら経験が有ると思うが、天ぷら油を使った時に調理していて油が跳ね、顔に当たると瞬間に目を閉じているはずである。そして顔や腕に当たれば「熱いと声」を出す。これら声を出したり、痛みや熱さのときに瞬時に手でさするのは、脳に痛みや熱さを誤魔化す、人の脳は同時に二つ以上情報をなかなか理解できず、どちらかに偏ってしまい、緩和されるという仕組みなのです。
よく母親が子どもが脚などぶつけて痛くて泣いていると、痛いの痛いの飛んで行けと脚をなでると痛みが和らいだと感じるのがこれである。
このように私たちは自己に危機や危険回避のために反射神経という素晴らしい能力を身につけ、会得してきたのです。ですが、最近、子どもたちを中心にこの反射神経や危険回避能力が退化していることを私は危惧している。自分の命を守ってくれる能力なのだから大切にしたいものである。
皆さんは、あまり意識することはないと思われるが、とても重要な感覚です。ここで簡単な反射神経のテストを紹介します。50cmほどの定規を用意し、一人がそれを持ち上げ、落とします。それをもう一人が受け止めて、何センチのところで受け止めるかのテストです。但し、何時落とすかは教えないことです。一度ゲーム感覚で確認してみて下さい。今後とも私共は、人間に備わった優れた感覚を紹介し、重要性を提唱して参ります。
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