釣り?Ⅱ

中二病懐古厨

山崎パンが26年ぶりの新工場を被災地・神戸に建てる理由

2016年12月10日 10時54分28秒 | ★★★★★チラシの裏★★★★

山崎パンが26年ぶりの新工場を被災地・神戸に建てる理由

http://diamond.jp/articles/-/110560

国内製パン最大手の山崎製パンが、28年ぶりとなる国内でのパン工場の新設に踏み切った。その場所は、95年の阪神・淡路大震災の被災地、神戸である。業界関係者によれば、得意とする災害時の食糧支援活動で神戸市との良好な関係を築いた山崎パンは、早々に神戸に一貫工場をつくるだろうと予想されていた。しかし、こうした予想に反して、長らく新工場建設はずっと見送られていた。しかも、人口減や糖質制限ブームなど、パン業界には逆風が吹くなか、今、神戸に新工場を建設する理由などを探った。(ジャーナリスト 鈴木広行)

 

「空想の域」を出なかった
24番目の新工場の建設


ローソン向けに販売されている山崎製パンの糖質制限パン 


 山崎パンが神戸市西区の西神工業団地に、約200億円を投じて食パンや菓子パンなどを生産する神戸工場を建設し、関西地区での製品供給能力を向上させる。来年1月にも着工し、2018年3月の稼働を目指す計画だ(2016年11月16日発表のニュースリリースによる)。

 現在、山崎パンは北海道から熊本まで全国23ヵ所にパンの一貫生産工場を抱えるほか、主にベーカリー店向けの冷凍パン生地を集中生産する専用工場を埼玉県春日部市と愛知県安城市、西神工業団地内に持っている。このうち、パンの一貫生産工場はバブル全盛期の1990年に稼働した安城工場が“最新”で、その後は長らく、既存工場の設備改修や稼働率のアップなどを通じて製品供給能力を漸増させてきた。

 実際、関西地区においても大阪府下にある大阪第一工場(吹田市)と大阪第二工場(松原市)、阪南工場(羽曳野市)の3工場と京都工場(京都府宇治市)とが「生産品目を互いに調整してできるだけ生産を一つの工場に集約するなど、効率化を徹底的に追求する」(山崎パン関係者)ことで増産対応力を高めてきた。新工場の建設といった話は、詳しくは後述するが「構想の域」を出なかった。

 だが、それも無理はない。山崎パンが主力とする食パンの小売価格は、ボリュームゾーンである中間価格帯の製品の場合で1斤あたり150~170円程度。スーパー向けの価格訴求製品には100円を切るものすらある。

 

 一方、「ランチパック」や多種多様な菓子パン類は売価こそ高めなものの、一般的に製造工程が多く必要な分だけ原価率が高い。しかも消費者の多岐で移り気なニーズに左右されるため、どうしても少量多品種生産を迫られる。「粗利の面では食パンに到底及ばない」(前出関係者)。

 さらに、バブル崩壊後の長期にわたる景気の低迷と、年々厳しさを増す人口減という寒風が製パン業界全体に吹いている。真面な経営者ならば恐らく大半が、1~10円単位の利益を生むのがやっとの製品を手掛ける大がかりなプラントを、わざわざ建設するという発想には躊躇するはずだ。

 

 

きっかけは阪神・淡路大震災
すぐに建設できなかった理由

 ではなぜ山崎パンは、今回、国内24番目となるパンの一貫生産工場を新設する決断を下したのか。

 きっかけは95年の阪神・淡路大震災に遡る。得意とする災害時の食糧支援活動で神戸市との良好な関係を築いた山崎パンは、復興支援の一環として98年、神戸市が造成販売した西神工業団地に「有利な条件で」(業界関係者)神戸営業所をオープン。07年には関西地区での冷凍パン生地生産拠点となる神戸冷生地事業所を新設した。

 同団地内には国内製パン2位の敷島製パンも工場を稼働(01年)させているため、山崎パンが一貫工場についても早晩建設に踏み切るだろうという見方は製パン業界内ではすでに常識、そして神戸市の中でも織り込み済みであった。

 とはいえ、実際は違った。ピーター・ドラッカーの経営思想に深く傾倒する半面、「石橋を叩いても渡らない」と例えられるほど慎重な経営姿勢で知られる飯島延浩社長だけに、新工場の建設にすぐにはGОサインを出さなかった。否、正確には出せなかったと述べた方が良いだろう。

 当時の山崎パンは、06年にファンドから買収した東ハトや、08年に連結子会社化した不二家の再建が最優先の経営課題となっていた。それらの止血をどうにか済ませたと思ったら、次は、自身の仙台工場が被災するという東日本大震災に直面。急ぎ、その復旧を終えてみると、今度はコンビニエンスストア子会社のデイリーヤマザキが深刻な経営不振に陥り、最終的には13年に山崎パン本体が救済合併せざる得なくなるといったように、「新工場の建設どころでなかった」(前出関係者)からだ。

 しかし、こうした物事に対処している間に、関西地区の既存4工場での増産余地がハード面でも、ソフト面でもいよいよ乏しくなってきてしまった。一つの工場である製品を集中生産して効率を高められたとしても、その製品を関西地区の全域にデリバリーするための物流コストの方も同時に上昇し、生産集約の効果が限定的になってしまったのだ。

 さらに、関西地区の4工場の中で最も規模が大きい大阪第一工場では、工場周囲の住宅地化が進んだ結果、拡張どころか“迷惑施設”として一部の住民から立ち退き要求が出されるなど、山崎パンとしても対応に苦慮しはじめる状況にすらなった。

 

 

パン給食で育った
団塊の世代高齢化もチャンス!?

 需要の方にも変化が生じた。

 まずは戦後、パン給食で育った団塊の世代が後期高齢者の仲間入りを果たしたことで、「火を使わず、手軽に食べられるパン食の利便性が改めて見直されるようになってきた」(同)。少子高齢化で市場のシュリンク自体は避けられないものの、米食のシェアを今以上に奪える可能性が高まってきたからだ。

 実際、最近の糖質制限ブームによって本来なら、パンも売り上げを落とすところだが、ローソン向けの糖質制限パンなどが非常に好評であり、製品開発によってシェアの拡大が望めると判断したことも背景にあるようだ。

 加えて、関西地区特有の流通事情もある。実は山崎パンは、コンビニエンスストア向けPB(プライベートブランド)製品の開発協力を巡って過去、セブン&アイホールディングスと対立した経緯から、敵の敵は味方の例えではないが、ローソン向けの製品開発などで親しい間柄にある。

 そのローソンは、ファミリーマートとユニーグループ・ホールディングスの経営統合によってコンビニ業界の第3位に転落してしまったものの、関西地区では依然、王者セブン‐イレブンと拮抗できるシェアを有している。

 山崎パンからすれば、ローソン向けの製品開発や生産に力を入れることは、食パンや菓子パン類の売上増という直接効果だけでなく、「流通業界で圧倒的なパワーとブランド力を持つセブン‐イレブン並びにセブン&アイHDを牽制できる」(流通業界担当記者)という間接的な効果も期待できるというわけだ。

 以上のような、さまざまな条件がようやく満たされ、着工の日の目を見ることになったというのが今回の神戸工場なのである。

 

 

製パン業界関係者の関心は
飯島社長の“次の一手”

 だが、製パン業界関係者の関心は18年3月の工場稼働自体にはほとんどない。その後に、飯島社長がどんな手を次に打ち出してくるかの方に注目が集まっている。

 冒頭で触れたニュースリリースによると、山崎パンは、神戸工場を関西地区における将来の基幹工場と位置づけている。最新鋭の生産設備で食パンや「ランチパック」、菓子パン、ドーナツなどを低コストで製造するだけでなく、「ゆくゆくは関西地区の他工場で生産している洋菓子や和菓子なども、神戸工場に集約してくるだろう」(前出の関係者)。その中では、設備の陳腐化が進む大阪第一工場のスクラップ&ビルドも視野に入ってくるに違いない。

 神戸市関係者らによると、今回建設する工場建屋は増設が容易な設計になっているとの指摘もあり、こうした二期工事にどんなタイミングで踏み切るのか、という面がむしろ注目される。

 敗戦間もない48年に千葉県市川市で創業した山崎パンは、破竹の工場増設で関東市場を一気に押さえ、その勢いを駆って66年、大阪第一工場を稼働することで関西初進出を果たした。それからちょうど半世紀。神戸工場を新たな橋頭堡として、関西市場の一層の深耕に乗り出す。そんなシナリオが透けて見えるだけに、ライバル他社は警戒を強めている。

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