ブログ 「ごまめの歯軋り」

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和田純夫著  「プリンピキアを読むーニュートンはいかにして万有引力を証明したか」 (講談社ブルーバックス2009年)

2016年10月12日 | 書評
近代科学の出発点となった運動の法則や万有引力を確立したニュートンの金字塔 第7回

2)世界の体系への道 (プリンキピア第Ⅲ編前半) (その3)

次にニュートンの宇宙像が命題10から14に示される。それは断定でも事実でもないので「仮説」として示される。
⑫ 命題10: 惑星の運動に対する空気の影響は、超上空での空気密度がほとんどないのでその軌道には影響しない。
⑬ 仮設1: 世界体系の中心は不動である。ある人はその中心は地球だと言い、ある人は太陽だという。このことからどのような結論が出てくるかを見てゆこう。
⑭ 命題11&12: 太陽系全体の重心は不動である。太陽自体は常に動いているが、太陽系の重心から遠くはなれることはない。
(現代ではこの推論は間違っている。太陽系は銀河系の中で回転している。が太陽系の中では恒星は視差を生じない。だから太陽系の重心こそ宇宙の不動の中心とみなされべきであり、太陽それ自体はそれに対して常に動いているが、意大きな動きではないとニュートンは考えたのであろう)
⑮ 命題13: 各惑星の運動は太陽を焦点とする楕円であり、太陽から見たときの面積速度は一定である。
(惑星が一つしかないとき命題13のとおり惑星の軌道は楕円である。ただ木星の軌道は土星の重力の影響を受ける。木星―土星の距離と太陽ー土星との距離の比は約4:9であるので、太陽と土星が木星に及ぼす重力の比は命題8の質量の比を入れて計算すると。211:1となる。第Ⅰ編命題67によって土星への木星の影響を取り入れることができる。地球に関しては月の影響がかなり大きい)
⑯ 命題14: 惑星の軌道の遠日点(楕円上で長軸の太陽より最も離れている点)は固定されている。
(これも惑星が一つなら第Ⅰ編命題11のケプラーの法則より厳密に正しい。小さな惑星では木星や土星に影響で100年に30分移動するが、これは非常に小さい)
⑰ 命題14の系: 惑星の軌道に及ぼす遠日点に対する恒星の位置(方向)は不変であり、遠日点は固定されていると考えると恒星は不動である。不動であるのはそれぞれ反対向きの引力で釣り合っているからである。恒星は太陽から非常に離れた位置に静止しているとニュートンは考えた。その位置は多くの恒星のバランスで決まる。
(この見解は現在では非現実的と見なされている。銀河宇宙の中で星は動き回っており、かつ宇宙空間は膨張している。離れてゆくのである。宇宙の生成はプリンキピアの範囲外であろうか。)

(つづく)
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