近代人の自我を説いた夏目漱石は新進の俳人でもあった 第12回 最終回
5期 俳人から小説家に(1900-1916)
96. 有る程の 菊抛げ入れよ 棺の中
だれへの追悼句かは知らない、これも言葉遊びかも。激しい気持ちが「抛げ入れよ」に現れている。死すべき人間の運命への激しい抵抗の心かも。秋
97. 灯を消せば 涼しき星や 窓に入る
漱石胃潰瘍で入院中に東洋城に出したはがきの句。事態を受け入れる優しい態度。東洋城は漱石小説家時代の俳句の仲間である。子規逝去後は寺田寅彦、小宮豊隆、鈴木三重吉、東洋城、高浜虚子、坂本四方太らが漱石宅に集まった。秋
98. 紅梅や 舞の地を弾く 金之助
金之助とは祇園の芸者。画家津田青楓が漱石の世話をした。金之助は夏目金之助で自分のことでもある。図柄は古い月並みだが、空想に遊んでいるようだが、また漱石は喀血した。春
99. 耳の穴 掘って貰いぬ 春の風
いい気持ちの句。この快感は俳句を作ることに通じると漱石はいう。春
100. 秋立つや 一巻の書の 読み残し
大正5年9月芥川龍之介あての手紙に書かれた俳句。「木曜会」で芥川を励ましたが、12月漱石は他界した。後事を若い人に託する気持ちが正直に出ている。秋
5期 俳人から小説家に(1900-1916)
96. 有る程の 菊抛げ入れよ 棺の中
だれへの追悼句かは知らない、これも言葉遊びかも。激しい気持ちが「抛げ入れよ」に現れている。死すべき人間の運命への激しい抵抗の心かも。秋
97. 灯を消せば 涼しき星や 窓に入る
漱石胃潰瘍で入院中に東洋城に出したはがきの句。事態を受け入れる優しい態度。東洋城は漱石小説家時代の俳句の仲間である。子規逝去後は寺田寅彦、小宮豊隆、鈴木三重吉、東洋城、高浜虚子、坂本四方太らが漱石宅に集まった。秋
98. 紅梅や 舞の地を弾く 金之助
金之助とは祇園の芸者。画家津田青楓が漱石の世話をした。金之助は夏目金之助で自分のことでもある。図柄は古い月並みだが、空想に遊んでいるようだが、また漱石は喀血した。春
99. 耳の穴 掘って貰いぬ 春の風
いい気持ちの句。この快感は俳句を作ることに通じると漱石はいう。春
100. 秋立つや 一巻の書の 読み残し
大正5年9月芥川龍之介あての手紙に書かれた俳句。「木曜会」で芥川を励ましたが、12月漱石は他界した。後事を若い人に託する気持ちが正直に出ている。秋









