千田孝之のブログ「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

文芸散歩 坪内稔典著 「俳人漱石」  岩波新書

2008年03月28日 | 書評
近代人の自我を説いた夏目漱石は新進の俳人でもあった 第12回 最終回

5期 俳人から小説家に(1900-1916)

96. 有る程の 菊抛げ入れよ 棺の中
だれへの追悼句かは知らない、これも言葉遊びかも。激しい気持ちが「抛げ入れよ」に現れている。死すべき人間の運命への激しい抵抗の心かも。秋
97. 灯を消せば 涼しき星や 窓に入る
漱石胃潰瘍で入院中に東洋城に出したはがきの句。事態を受け入れる優しい態度。東洋城は漱石小説家時代の俳句の仲間である。子規逝去後は寺田寅彦、小宮豊隆、鈴木三重吉、東洋城、高浜虚子、坂本四方太らが漱石宅に集まった。秋
98. 紅梅や 舞の地を弾く 金之助
金之助とは祇園の芸者。画家津田青楓が漱石の世話をした。金之助は夏目金之助で自分のことでもある。図柄は古い月並みだが、空想に遊んでいるようだが、また漱石は喀血した。春
99. 耳の穴 掘って貰いぬ 春の風
いい気持ちの句。この快感は俳句を作ることに通じると漱石はいう。春
100. 秋立つや 一巻の書の 読み残し
大正5年9月芥川龍之介あての手紙に書かれた俳句。「木曜会」で芥川を励ましたが、12月漱石は他界した。後事を若い人に託する気持ちが正直に出ている。秋
ジャンル:
キーワード
芥川龍之介 夏目金之助 鈴木三重吉
コメント (0) |  この記事についてブログを書く
Messenger この記事をはてなブックマークに追加 mixiチェック シェア
« 自作漢詩 「春爛... | トップ | 読書ノート 朝日... »

コメント

コメントはありません。

コメントを投稿

 ※ 
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。
※文字化け等の原因になりますので、顔文字の利用はお控えください。
下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで自動化されたプログラムによる投稿でないことを確認させていただいております。
数字4桁

トラックバック

現在、トラックバックを受け取らないよう設定されております。
※ブログ管理者のみ、編集画面で設定の変更が可能です。

あわせて読む