ブログ 「ごまめの歯軋り」

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読書ノート 新崎盛暉著 「日本にとって沖縄とは」 岩波新書(2016年1月)

2017年03月30日 | 書評
歴代政府の対米従属路線である、基地を沖縄に集中させる「構造的沖縄差別」政策  第2回

序(その2)

私は沖縄問題については不勉強であったことをまず白状しておきます。この読書ノートを見ても、石川文洋著 フォトストーリー「沖縄の70年」 岩波新書(2015年4月)の1冊しか読んでいない。フォトストーリー「沖縄の70年」は文字通り、写真に語らせるものですが、新書では写真が小さいので、迫力がいまいちです。文章を取るか、写真を取るか迷うところです。そこで印象に残る総括に近い言葉を拾ってゆくことにします。
* 「戦争とは命を奪う。個人、公共の財産、自然を破壊する。軍隊は民衆を守らない。」
*  「沖縄の集団自決は捕虜になるよりは潔く死ねという日本軍の戦陣訓を民間人に強要したことが原因である」
* 「もし沖縄が今後どこからか攻撃を受けるとすれば、それは米軍基地と自衛隊の基地が沖縄にあるためであり、その時米軍も自衛隊も沖縄の民衆を守ることはできないだろう」
* 「この惨劇にまで民間人を追い込んだ皇民教育や日本軍を憎み、自決とは絶対に呼びたくはない」
* 「私は日本人である前に沖縄人であると思っている」
* 「私にとって天皇、日の丸、君が代は戦争と重なっている」
*  「第1次世界大戦後ドイツ領であったマーシャル、カロリン、マリアナ諸島は日本委託料統治領となり、砂糖以外に産業を持たない貧しかった沖縄人は南洋諸島へ移住した。その数は約6万人、うち1万2826人が戦争で悲惨な最期を遂げた。1944年サイパン、テニアンはアメリカ軍の空襲を受け、7月7日南雲総司令官が総攻撃を命じて、日本軍は壊滅し戦闘は終わった。民間人は自決を強いられた。」
* 「1964年8月4日、米駆逐艦が北ベトナムから魚雷攻撃を受けたとする「トンキン湾事件」が勃発した。北ベトナムへの北爆が開始される口実となった。これはアメリカ軍の謀略であることが外交資料より判明した」
* 「連日沖縄嘉手納飛行場より、黒い空の要塞B52が北ベトナムを目指して飛び立った。沖縄基地の動きは、ベトナム戦争の動きに一致していた」
* 「沖縄系の米兵當間さんはベトナム独立戦争に参加した。1975年3月解放軍の攻撃でサイゴン政府は崩壊しサイゴンは解放された」
* 「1969年1月命を守る県民会議は2月4日にゼネストで10万人を動員する計画を発表、基地包囲はアメリカに対する抗議だけでなく、沖縄に犠牲を強いてきた日本政府に対する怒りである」
* 「アメリカ民政府は綜合労働布令を出してゼネストを弾圧、公選で選ばれた屋良琉球政府政権は、日本政府のゼネスト中止要請を前に苦渋の選択を行い、中止のやむなきにいたる」
* 「1970年12月ゴザ事件が起こり、1971年11月には沖縄復帰日米声明反対やり直し・完全復帰要求ゼネストが決行された。こうして1972年5月15日沖縄の本土復帰の日を迎えた」
*  「1960年に改定された日米安全保障条約により、日本はアメリカの行動に常にイエスであり、常に追従してきた。日本の安全を守ってもらうために沖縄の基地はやむを得ないということは、本土の安全のために沖縄がまた犠牲になるということか」
* 「1989年の日本に存在した米軍基地の施設の約75%が、日本全土の0.6%に過ぎない沖縄に集中していた。沖縄の基地はまさにアメリカの言う太平洋の要石となっている。1996年にはアメリカ軍の日本本土の基地は縮小したが、沖縄基地は返還されていない。沖縄の基地関係からの収入は年間1628億円であった。沖縄経済の基地依存度は4.9%まで下がった」
* 「1996年9月8日大田知事のもと、沖縄基地県民投票が行われ、有権者90万票のうち投票率59.5%で、基地返還賛成票は48万2538票、反対票4万6332票、日米協定の見直し賛成89%という結果で、沖縄県人の意志は固かった。太田知事の功績は平和の礎の建設と、軍用地の代理署名拒否であった。辺野古埋立を承認した沖縄の裏切者仲井間知事とは決定的に違う」
* 「2012年9月オスプレイ配備反対県民集会が行われた。基地は40年前と変わらずに残り、県民の所得は全国最低、失業率は最高率である」
* 「2014年11月沖縄県知事選が行われ、辺野古移転反対の翁長雄志氏が当選し、辺野古移転工事を承認した仲井間氏を打ち破った。今辺野古海上は埋め立て工事阻止の市民とのボートと、海上保安庁の武装ボートで混戦している。今安倍政権は国家権力で反対する沖縄県民を抑え込み、基地建設を強行している。これは民主主義に対する不正義であり、不正義には勝利はない」

(つづく)
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