ブログ 「ごまめの歯軋り」

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和田純夫著 「プリンピキアを読むーニュートンはいかにして万有引力を証明したか」(講談社ブルーバックス2009年)

2016年10月15日 | 書評
近代科学の出発点となった運動の法則や万有引力を確立したニュートンの金字塔 第10回

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3-1)  第Ⅰ編
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セクション1 「諸命題の証明に補助として用いられる諸量の最初と最後の比の方法」

プリンピキア全体を通じてニュートンが使う技法が説明されている。現代風にいうと微分のことであるが、代数的な方法(数式の展開による方法)ではなく、幾何学的な方法(図形による方法)である。〈現代流に書くとXの微小変化量をΔX、それに対応する量Yの微小変化量をΔYとすると、極限に於けるΔY/ ΔXを求めることである)それをニュートンは図形を小さくして行った時の極限で、様々な比がどうなるかを論じた。まず補助定理2で曲線で囲まれた図形の面積を求めること(求積法すなわち定積分)である。ニュートンが微分・積分の創始者であったことを、徹底的に図形的に追跡することである。

補助定理2:「曲線で囲まれた図形の面積」
 上部が曲線で囲まれる図形の面積は、内接する狭い幅を持つ長方形の面積の和を考え、その幅を減少させていった場合の面積に究極的に等しい。つぎに外接する狭い幅を持つ長方形の面積にも究極的に等しくなる。
補助定理5:「相似図形の比」
 二つの相似図形の対応する辺の長さは(直線でも曲線でも)すべて比例し、面積は辺の比の二乗に比例する。
(相似な直角三角形の対応する辺の比をrとすると、三角形の面積はの比はS2/S1=r^2)
補助定理7:「極限での曲線の長さの比」
 滑らかな曲線ACBを考える。Aでの接線、法線を引き、法線上の一点Rから接線上のD点を結び曲線と交わる点をBとする。DをAに近づけると、直線AB、弧AB,、およびADはゼロに近づくが、その比は1:1:1である。
(曲線の2点間の直線間距離、曲線の弧、接線上の距離は、2点間の微小な極限を考えると3者は一致する)
補助定理9:「辺の比と面積の比」
 相似な三角形を作るため曲線とX軸上に各2点にとり、その比を保ったまま1点に近づけると二つの三角形の面積比は対応する辺の比の二乗に近づく。
(図がないと理解できないが、言いたいことは二つの微小な三角形に縮小しても、辺の比は保持される。だから面積比は辺の比の二乗となる)
補助定理10:「ガリレオの落下の法則」
 ある物体がある力によって動き始めるとき、その移動距離は最初は経過時間の二乗に比例する。ただし初速度はゼロとする。
(補助定理9で横軸に時間、縦軸に速度とすると、面積(移動距離)は時間の辺の二乗に比例する。この場合曲線ではなく原点を通る三角形の面積問題となる。S=(1/2)vt×t=(1/2)vt~2 なんと見事な証明ではないか)
補助定理10系1: 
力が働いていない物体は直線上を動くが(第一法則)、力が働くと軌道がずれる(第二法則)。そのずれの長さは最初(ごく短時間)経過時間の二乗に比例する。
(慣性運動のベクトルと力の作用ベクトルの合成である。第二法則部分が補助定理10より明らか)
補助定理10系2:
力による軌道のずれは、最初は経過時間の二乗と力の積に比例する。
(加速度をa=力/質量 一定、経過時間をtとすると売れの長さは(1/2)at~2である。定理10より明白である)
補助定理11:「接線からのずれの長さ」
 重力による放物線落下の問題である。曲線AbBがあり、接線AD、法線ACとする。DがAに近づけた極限で、ずれの長さDBは直線ABの二乗に比例する。
(これも図がないと理解できないが、補助定理7により, 弧AB=直線ABとなるので、相似三角形の辺の対応計算より極限ではBD=AB^2/直径となる)

(つづく)
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