ブログ 「ごまめの歯軋り」

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和田純夫著 「プリンピキアを読むーニュートンはいかにして万有引力を証明したか」(講談社ブルーバックス2009年)

2016年10月17日 | 書評
近代科学の出発点となった運動の法則や万有引力を確立したニュートンの金字塔  第12回

3-1)  第Ⅰ編

セクション2 「向心力と面積速度一定の法則」(その2)

命題5: 「力の中心を求める作図」 
 向心力によって運動している物体に軌道上の各点での速度が分かっているとする。その時力の中心の位置を作図する方法は、軌道上の3点P、Q、Rにおいて軌道曲線に接線を3本引く。その接線の交点V、Tを求める。次に3点のおける速度に反比例する長さの法線を引き、端をA、B、Cとし、法線に直角な直線を引き交点を求めE、Fとすると、直線VEとTDを引いて交わる点が力の中心である。
(図がないと何のことやらわかりませんが、ニュートンは超人的な幾何学的作図法によって、命題1系1より速度に反比例する点が力の働く中心線にあることを証明して見せる。素人にはただ舌を巻くばかり。これが幾何学の醍醐味です。)
命題6:「向心力の大きさ」
 Sから向心力を受けて、微小時間に間に物体が軌道曲線上のPからQに動いたとする。Pでの接線YPを引く。中心SとQを結ぶ直線が接線と交わる点をRとする。その時向心力は軌道からのずれQRに比例し、微小時間の二乗に反比例する。
(補助定理10系2より QR∝向心力×時間^2 ゆえに向心力∝QR/時間^2)
命題6の系 同じ作図上で。、Qから中心線SPに垂線を降ろし交点をTとする。点Pd接線が共通でPとQを通る円を考え中心線の延長と交点Vとする。するとQがPに近づいた極限で、1/向心力∝SP^2・QT^2/QR∝SY^2・PVとなる。
(図がなくては理解に苦しむでしょうが、式の展開は三角形の相似関係で求められる。これも舌を巻くような補助線の魔力である。この結果は円運動の定理へ引き継がれる)
命題7:「力の中心が円運動の中心に一致しない時の円運動」
 物体が向心力により円周上を動いており、向心力の中心がSであるとき、Sは円の中心とは限らないが、円周上の点Pでの向心力はSP^2・PV^3に反比例する。ただしVはSPの延長線上の円周上の点である。
(三角形の相似関係からAV/PV=SP/SYとなり、これを命題6の系に代入して、向心力はSY^2・PV=SP^2・PV^3/AV^2に反比例する。  AVは直径で一定である)
命題7系2 物体は、Sを中心とする力によっても、Rを中心とするある力によっても、同じ周期、同じ半径の円運動をするとする。そのとき円のPにおける二つの力の比は、SP^2・SP/SG^3に等しい。ここでGとはRPと平行にSから引いた直線の、Pでの円の接線殿交点である。
(円の接弦定理より同じ弦が作る円周角は等しい。命題7より二つの力の比を計算できる)
命題7系3: 系2の結果は、軌道が円でない場合でも面積速度が等しいければ成立する。
(命題7と系2の結果は円運動でなくても、楕円運動でも成立するということである。円運動で考えておいてその結果は円運動でなくても成立するというやり方は、考えてみれば卑怯なようでもあるが、少しでも考えやすいほうを選び、円運動の条件を外してもいいということである)
命題10:「距離に比例する力の下での運動」
 物体が楕円上を回転しており、力の中心Sが楕円の中心Cに一致するとき、この楕円上の各点Pでの向心力は、中心からの距離CPに比例する。
(またこの定理の逆定理、距離に保冷する向心力の場合、軌道は必ず力の中心を中心とする楕円になる。楕円軌道では焦点からの距離の二乗に反比例する力を受けるが、楕円の中心Cからの距離に比例する向心力受けることになる。距離に比例する向心力問いのはばね振動に他ならない。楕円の中心から見たPの座標をばね振動と同様に、x=Asinωt、y=Bcosωtとすれば、x^2/A^2+y^2/B^2=(sinωt)^2+(cosωt)^2=1となり、これは楕円方程式に他ならない。2次元的な楕円軌道でも中心からの距離に比例する向心力を受けるバネ振動をしているのである。)
命題10系2 距離に比例する同じ向心力を受けて動く、同じ質量の物体の回転の周期は、楕円の大きさにも形にも依存しない。
(楕円の性質から、相似な楕円の場合には周期は等しいこと、長軸が共通な楕円の場合には周期が等しいことからこの系2が得られる)

(つづく)
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