ブログ 「ごまめの歯軋り」

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和田純夫著 「プリンピキアを読むーニュートンはいかにして万有引力を証明したか」(講談社ブルーバックス2009年)

2016年10月16日 | 書評
近代科学の出発点となった運動の法則や万有引力を確立したニュートンの金字塔 第11回

3-1)  第Ⅰ編

セクション2 「向心力と面積速度一定の法則」(その1)

固定された1点から引力を受けた物体の運動について考えよう。このような力を「向心力」(求心力)と呼ぶ。この一点を力の中心と呼ぶ。重力のように、距離の二乗に反比例する力とは限定せず一般的な議論から入る。最初の命題は「面積速度一定の法則」と呼ばれるケプラーの第2法則に関する。惑星と太陽を結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定であるというものだ。惑星の軌道は太陽を中心とする円運動ではなく、太陽と惑星の距離は絶えず変化し、惑星が遠方にいるときは惑星が一定時間内に動く弧は短く(速度は遅く)、近くにいるときはいて一定時間に描く弧は長い(速度は早い)。惑星の動く様子を小刻み(微小時間)の動画の一コマにとってみると、「撃力」を受けて動く方向を内側(太陽側)に曲げられている。

命題1:「力が向心力なら面積速度が一定である」
 公転する物体(惑星)が、ある固定された1点(力の中心 太陽)に引かれて運動する場合、その物体と力の中心を結ぶ線分が描く面積は時間に比例する(すなわち面積速度一定)。
 (小刻みの劇力を受けて動く三角形の面積⊿SABと次に時間に動く⊿SBCの面積が等しいことは、B点で劇力を受けて、慣性力と撃力の合成による平行四辺形から、底辺を共通とする三角形の面積は等しい。幾何学的に極めて容易にわかる証明である)
命題1系1: 「軌道から速度を求める」 中心点に引かれて運動している物体の各位置での速度は、その位置での軌道の接線にその点(中心)から降ろした垂線の長さに反比例する。
(命題1から面積速度一定であるので、三角形の面積は(1/2)×高さ(中心との距離)×底辺(単位時間に動いた距離 速度)より速度と中心との距離は反比例する)
命題1系3: 「力の大きさを求める」 動く点の軌跡がA-B-C-D・・・・であるとき、各点で受ける撃力(引力)の大きさの比は、図形における慣性と引力が作る合成された平行四辺形の中心と結ぶ線分上にある一辺の長さの比である。
(補助定理10系2よりこの距離は時間の二乗と力の積に比例する。時間は単位時間で共通なのだから、力の比は距離の比に比例する)

命題2:「面積速度が一定なら力は向心力である」
 物体がある平面上の曲線上を動き、その平面内のある天板する面積速が一定の場合は、その物体はその転移向う力によって動いている。
(中心をS、最初の位置をA、一定時間動いて撃力を受ける点をBとし、次の撃力を受ける点Cまで進むとすると、面積速度一定が仮定されるので⊿ABCと⊿SBCの面積は等しい。二つの三角形の底辺SBは共通なので、高さが等しくなければならない。命題1より力の分解から慣性の方向と撃力の方向に分けると撃力は中心に向かう線分上にある)

命題3:「月が地球と太陽から受ける力」
 地球の対する月の運動が面積速度一定なら、月は地球から向心力を受けているほかに、地球が太陽から受ける加速度と同じだけの加速度を太陽から受けている。

命題4:「等速円運動の向心力と加速度」
 ある物体が中心Sの周りを等速円運動している。その時 ①その物体は中心Sからの向心力によって動いている。 ②向心力は一定の時間に動いた距離の二乗を半径で割った量に比例する。 等速円運動の向心力∝(移動距離)^2/半径 
(プリンキピアでは法則は比例関係でもべられるが、これを等号の法則にするには加速度を定義しなければならない。等速円運動の加速度=(力/質量)=(速度)^2/半径という数式になる。補助定理10系2より、移動距離=(1/2)加速度×時間^2である。補助定理11より接線からのずれはQR=移動距離^2/直径。(移動距離/時間)=速度であり、これより加速度=(速度)^2/半径となる)
命題4系2: 「向心力(加速度)は半径/(周期)^2に比例する」
(速度=円周/周期=2π×(半径/周期)より自明)
命題4系3: 周期が等しいならば、向心力は半径に比例する。逆に向心力が半径に比例するならば周期は一定、すなわち半径は関係しない。
命題4系6: 周期が半径の3/2乗に比例するとき、速度は半径の平方根に反比例し、加速度は半径の二乗に反比例する。
(ケプラーの第3法則は惑星の軌道楕円軌道に対する法則だが、楕円でなく円軌道だったら系6の仮定に他ならない。)
命題4系7: 周期が半径のn乗に比例する時、速度は半径の(n-1)乗に反比例し、加速度は半径の(2n-1)乗に反比例する。その逆も正しい。

(つづく)
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