この世界から戦争をなくするために、日本人は本当の反省と努力を 第5回
1)人類はなぜ戦争をするようになったのか (2)
人類が戦争を始めた記録は、紀元前3500年ごろチグリス・ユーフラテス川領域に出来たシュメール人の都市国家である。楔形文字で粘土に彫られた「ギルガメシュ叙事詩」に戦争の様子が描かれている。人類の最大発明である文字は文明を一気に開化させた。5500年前のメソポタミアの楔形文字、5100年前のエジプトのヒエログリフ文字、3200年前の中国の甲骨文字、3000年前のフェニキアのアルファベット文字が古代文明を開いた。「文明culture」とは耕すという原義である。農耕は人の世をすっかり変えた。生産量を増やすために科学的知見を増やし、余った生産物は蓄えられて富となり、それらを管理するために国家機能が整備されていった。こうして富は権力を生み、権力は国家を強化した。富をもっと拡大するための手段として略奪を憶えて戦争ということに夢中になった。戦争という手段が最も手っ取り早く私有財産の拡大に役立つことがわかって、国家機能はすべて戦争に集約されていった。まるで人は戦争をするために生きているかのように。1492年コロンブスの新大陸発見(先住民がいたので結局虐殺がおもな目的)以来、「大航海時代の始まり」は「大略奪・虐殺時代の始まり」となった。スペイン人がどれほど先住民インディアンを殺したかは、ラス・カサス著「インディアスの破壊についての簡潔な報告」(岩波文庫)を読まれたい。この略奪戦争は産業革命後「重商主義」という国家援護を受けてもっと大規模となり、19世紀半ばから「帝国主義」に変わってゆく。戦争が組織的になりかつ国家的目的となった。そのための軍隊・艦隊の創設拡大が盛んとなった。日本は遅ればせながら19世紀後半に列強の圧力で開国し、先進欧米諸国を見習って帝国主義的な国家経営の時代に入った。
1)人類はなぜ戦争をするようになったのか (2)
人類が戦争を始めた記録は、紀元前3500年ごろチグリス・ユーフラテス川領域に出来たシュメール人の都市国家である。楔形文字で粘土に彫られた「ギルガメシュ叙事詩」に戦争の様子が描かれている。人類の最大発明である文字は文明を一気に開化させた。5500年前のメソポタミアの楔形文字、5100年前のエジプトのヒエログリフ文字、3200年前の中国の甲骨文字、3000年前のフェニキアのアルファベット文字が古代文明を開いた。「文明culture」とは耕すという原義である。農耕は人の世をすっかり変えた。生産量を増やすために科学的知見を増やし、余った生産物は蓄えられて富となり、それらを管理するために国家機能が整備されていった。こうして富は権力を生み、権力は国家を強化した。富をもっと拡大するための手段として略奪を憶えて戦争ということに夢中になった。戦争という手段が最も手っ取り早く私有財産の拡大に役立つことがわかって、国家機能はすべて戦争に集約されていった。まるで人は戦争をするために生きているかのように。1492年コロンブスの新大陸発見(先住民がいたので結局虐殺がおもな目的)以来、「大航海時代の始まり」は「大略奪・虐殺時代の始まり」となった。スペイン人がどれほど先住民インディアンを殺したかは、ラス・カサス著「インディアスの破壊についての簡潔な報告」(岩波文庫)を読まれたい。この略奪戦争は産業革命後「重商主義」という国家援護を受けてもっと大規模となり、19世紀半ばから「帝国主義」に変わってゆく。戦争が組織的になりかつ国家的目的となった。そのための軍隊・艦隊の創設拡大が盛んとなった。日本は遅ればせながら19世紀後半に列強の圧力で開国し、先進欧米諸国を見習って帝国主義的な国家経営の時代に入った。
(つづく)