ブログ 「ごまめの歯軋り」

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奇奇怪怪な温暖化ガス削減目標 京都議定書から1歩も進んでいない 

2009年06月10日 | 時事問題
朝日新聞 2009年6月9日20時55分
温室ガス削減目標発表へ首相 環境・経産相と個別協議 
 日本全体で温室効果ガスの排出を減らす2020年までの中期目標について、麻生首相は9日、斉藤環境相、二階経済産業相と相次いで個別に会い、詰めの協議をした。政府は、中期目標を純粋な国内削減分で90年比7%減(05年比14%減)とする見通し。10日午後、関係閣僚会合で最終確認し、麻生首相が記者会見で発表する。

京都議定書とは 
 今から12年前1997年12月京都国際会議場(宝池)で開かれた「第3回気候変動枠組み条約締結国会議(COP)」で「京都議定書」が締結された。条約締結国は155カ国にのぼり、アメリカのゴア副大統領と日本の橋本首相が中心となった。この条約では温暖化ガス(炭酸ガス、メタン、一酸化チッソ、メタンガス、フロンガス[HFC,PFC,SF6]の6種類のガス)の削減目標を定めた。京都議定書は1990年を基点として削減目標を先進国の欧州が8%、アメリカが7%、ロシアが0%、日本が6%とし、途上国(中国など)には削減目標は定めなかった。
2020年までの中期目標として今回の設定はなんだろう?京都議定書目標6%に対して、2005年では1990年よりも既に7%増加しているのだ。それなのに90年比7%減(05年比14%減)という今回の目標は京都議定書と同じではないか。
私は京都議定書はもともと欺瞞で、地球温暖化問題も先進国の石油独占の意図が見え見えで謀略であると認識しているので、中期目標設定も茶番だろうと思っていたが、これでは京都議定書との整合性も取れない。京都議定書の目標は何一つ実現できずに、再度確認したにすぎない。バカにするな!といいたい。


世襲制限問題 自民党あきれるばかりの欺瞞  

2009年06月10日 | 時事問題
朝日新聞 2009年6月10日1時0分
顔あわせても、譲らず 「進退」対決、鳩山氏と西川氏
 進退を巡って対立している日本郵政の西川善文社長と鳩山総務相が9日の参院総務委員会の郵政集中審議で久しぶりに顔を合わせた。この日も両氏はともに譲らず、議論は平行線のまま。麻生首相は、日本郵政が近く提出する業務改善計画の中身を精査し、最終判断を下す構えだ。

朝日新聞 2009年6月10日1時0分
首相「親の跡継いで悪いこと何もない」 都議選応援で
「親の跡を継いで悪いことは何もない。間違いなく親の背中を見て子どもが育つ。親の背中を見て、『おれもああなりたい』と思ったおやじは良いおやじだ」。麻生首相は9日夜、東京都議選の応援で訪れた品川区の自民党都議の事務所でこうあいさつし、同党内で対立の火種にもなっている「世襲」を擁護した。

日本政治の閉塞性・腐敗性は世襲問題より官僚機構の政治家支配である
 官僚機構は政治家の中の深く入り込んでいる。政治家の中に官僚出身が極めて多い。政治家を官僚擁護派にし、見返りに政治家に利益誘導をして共存共栄の官僚国家を築いている。全国の知事で官僚出身者(中央直結)も極めてい多い。このように官僚は「藤のつる」のように国家に絡んで絞め殺している。天皇制における「藤原摂関家」の様な存在が官僚機構である。政治家に絡んで政治家を絞め殺すのが官僚である。これは明治以来官僚機構が「天皇の僕」として権力の由来を絶対王政に求めていたから、伝統的に政治家にたいして上位にあるという、戦後の民主制においても逆立ちした意識を持っているのである。官僚機構は政治家の中へ、地方行政の中へ、民間会社の中へ、植民地をもうけその共同体の利益のために「藤のつる」のような手を張り巡らせているのだ。したがって、官僚の政治家への転身を制限しようではないか。官僚機構に行政・立法・司法のすべての分野を独占させてはならない。