ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

自衛隊はイラクへ水を飲みにいったのか  

2007年09月20日 | 時事問題
asahi.com 2007年09月20日09時59分
民主、参院にイラク撤退法案提出へ
 民主党は19日、イラクで多国籍軍への輸送支援活動に従事する航空自衛隊を即時撤退させるイラク復興支援特別措置法廃止法案を、臨時国会で参院に提出する方針を固めた。新首相が決まり国会論戦が再開すれば、インド洋での洋上給油活動に従事する海上自衛隊の派遣継続の是非とあわせ、政府の情報開示の不十分さや派遣の正当性を追及していく構えだ。イラクへの自衛隊派遣について、同党は「イラク復興の目的にかなった活動かどうか大きな疑念があり、政府の情報開示も極めて不十分」として反対している。

自衛隊はイラクでは他国のお荷物で役に立ったとはいえない 自衛隊は派遣の実績を稼ぎたかっただけ 
 2003年より4年間でイラク支援で日本は868億円を使った。そのうちなんと60%以上が自衛隊の駐留経費であって、人道支援に使われたのではない。民間に金をつけて人道支援事業を施行させたほうがはるかに効率的で実効が上がったのではないだろうか。自衛隊を海外へ派遣したかっただけといわれてもやむをえない内容に終わっている。給水活動にしても50%近くが自衛隊の消費である。地元民には半分しかいっていない。またPKO活動では自衛隊は報道関係者に開放されていた。ところがイラクでは自衛隊は高い情報規制の壁を設けメディアを排除して国民を情報から遮断した。イラクにはNHK支局があるのみである。 イラクでは自衛隊は戦闘地域にはいかないといわれたが13回のロケット攻撃を受けている。これを非戦闘地域という詭弁は通らない。
 

安保理事会決議分裂 「国連のお墨付き」は自民党のぬか喜び 

2007年09月20日 | 時事問題
asahi.com 2007年09月20日13時06分
決議分裂「日本のせい」、安保理各国に反感 給油謝意 ロシア棄権
 テロ対策特別措置法に基づくインド洋での海上自衛隊の給油活動を継続するため、日米が目指した「国連決議によるお墨付き」は、ロシアの棄権という想定外の結果に終わった。
ロシアのチュルキン国連大使は決議の本来の目的である国際治安支援部隊(ISAF)の任務延長を、米国主導の対テロ作戦「不朽の自由」(OEF)からはっきり区別。「(OEFの有志)連合の活動は国連の枠外のものだ」と言い切った。
 全会一致が崩れた原因が「これまでなかった海上阻止活動への言及」(同大使)にあるのは明らかだ。独連邦議会は20日からISAFへの派兵延長を議論する予定で、安保理決議が必要だった。結果として、欧州勢が採決を強行した。

asahi.com 2007年09月20日12時27分
町村外相、安保理決議を歓迎 海上阻止活動に言及
 町村外相は20日午前、海上阻止活動に言及した新たな国連安保理決議が採択されたことについて、「我が国としては、この決議を歓迎する。引き続き、責任ある国際社会の一員として活動を継続する必要があると改めて判断した」と外務省で記者団に語った。町村氏は今月上旬に豪州で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の日米外相会談で、新決議への協力を米側に求めたことも明らかにした。

政府がアメリカに頼んだ曖昧な国連決議は、常任理事国の総意ではなくなった
米国主導の対テロ作戦「不朽の自由」(OEF)からはっきり区別して「(OEFの有志)連合の活動は国連の枠外のものだとロシアは言い切った。イラン戦争はそもそも国連の賛成を受けていない。ドイツ、フランス、ロシア、中国の反発を無視して、米国中心の有志連合が起こした戦争であった。すると自衛隊の派遣根拠がない。民主党の小沢氏はそこを突いているのである。そこで自民党政府はアメリカに御願いして、給油活動だけは国連で認められた活動にしてくれるように決議案採択を迫った。結果はロシアの棄権で分裂。

官僚には裁量の余地を残すな 

2007年09月20日 | 時事問題
asahi.com 2007年09月20日06時08分
民主・小沢代表「官僚に踊らされるな」
 民主党の小沢代表は19日、「次の内閣」の閣僚に「今後の活動方針」と題した1枚の指示文書を配布した。
「官僚は必ず『のりしろ』を残しておく。政府案の微修正に応じると、官僚の手のひらの上で踊らされることになる。55年体制そのものだ」とも指摘。「主張をきちんと提示することこそが本当の対案路線だ」と訴えている。

法律と行政の施行は官僚の自由裁量に任せてはいけない
巨大なダムも蟻の穴から崩壊する。官僚の裁量権は、黒も白に出来るのである。曖昧な表現はぜったに書いてはいけない。まして玉虫色の表現は無いのも同然である。小沢氏は政党人らしく実に機微にわたる指示をした。官僚に裁量権を許してはいけない。このことは猪瀬直樹氏の「道路の決着」に詳しく書いてある。首相の指示もキレイに骨を抜いてくる。憲法九条から自衛隊が出てきたように。

読書ノート 梅田望夫/茂木健一郎対談 「フューチャリスト宣言」 ちくま新書

2007年09月20日 | 書評
ウエブは未来を創造する 「ウエブ進化論」の続編 第5回

「フューチャリスト同盟」
ここで梅田望夫と茂木健一郎両氏は「フューチャリスト」の使命感を確認しあって「フューチャリスト宣言」を行い握手する。大学なんかで教えるより、毎日1万人以上の人に教え・教えられる関係こそ今後の教育だと梅田氏は強調する。ネット大学や大学に行かずネットだけで研究して論文を公開しノーベル賞を取るような人も現れるのではないか。グーグルでは世界中の図書を公開することを進めている。之が完成したらあらゆる文献論文が図書館に行かずに読めるようになる。日本の教育の本質は談合だ。発展的志向性がない。狭い範囲でうごめいているだけ。組織と個人の関係も変わるだろう。組織のだれそれと言うより、自分はこういうものだとブログを読ませればいい。それで人間を判断する時代になるだろう。ネットベンチャーでも採用するときはその人のブログを重要視しているそうだ。



文藝散歩 日本文学にみる死生観 (終了)

2007年09月20日 | 書評
3) 林望著 「往生の物語ー平家物語」 第13回(終了)

11、六代御前の往生
最も気の毒な死は維盛の子息六代御前であろう。平家一門が滅んで後、都には北条時政が六万の兵を率いて義経追討のために侵攻して来た。そして義経に逃げられた時政は平家の残党狩りに精を出した。大覚寺あたりに隠れていた六代御前はあえなく摑まり、鎌倉へ送られることになった。そこで高尾の文覚上人に頼朝に命乞いを頼み成功した。助かった六代御前は高野山にもうで、高尾にて三位禅師となって仏門に入った。ところが頼朝が死に、文覚上人が謀反したので北条は六代御前を捕まえて処刑したのである。「それよりしてこそ平家の子孫はながくたえにけれ」の一文を以って幕を閉じる。