仙台POSSE(NPO法人POSSE仙台支部)活動報告

仙台POSSEでは、無料で労働相談・生活相談を受け付けています。また、宮城・仙台での被災地支援にも取り組んでいます。

【仙台市長選挙】労働・福祉政策の公開質問状を送り、回答をいただきました。

2017-07-18 22:58:32 | お知らせ

 仙台POSSEは、反貧困ネットワークみやぎ、みやぎ奨学金ネット、ブラック企業対策仙台弁護団と共同で、7月23日に行われる仙台市長選挙に合わせて、各候補者に公開質問状を送り、その回答を得ましたので、ここに公表いたします。別途、回答の整理等を行った記事をアップいたしますが、ここには質問状及び回答の全文を公開いたします。

 

公開質問状の質問状

 

1 待機児童の解消について

 待機児童の解消は、仕事と子育ての両立のために不可欠であり、明るい仙台を作っていくためには不可欠の課題です。仙台市でも、232人が待機児童となっています(平成29年4月1日時点)が、これらは保育施設及び保育士不足が主な原因であると考えます。最近、劣悪な労働環境による保育士の離職・潜在保育士化が問題となっているように、保育所が定員通りに稼働していくためには、そこで働く保育士が長く勤め続けることのできる環境の整備が重要ではないでしょうか。そこで、保育の充実に関し、以下の3点についてお尋ねいたします。

①仙台市内の保育所を増加させるために、どのような施策を考えておられますか。

②保育士が低賃金である問題について、仙台市独自の改善政策の必要性やその具体策についてどのようにお考えでしょうか。

③保育所内の劣悪な労働環境(労働基準法違反や持ち帰り残業の横行など)の改善について、仙台市独自の改善政策の必要性やその具体策についてお考えはありますか。

 

2 公契約条例の制定について

 ブラック企業や非正規雇用で働く労働者の多くは、働いているのに低水準の賃金しかもらえないワーキングプア(働く貧困層)です。社会全体の賃金水準を上げていくために仙台市ができることとして、公契約条例を制定し、仙台市が発注する事業に従事する人の賃金を、十分に生活ができる水準以上にすることが考えます。また、公契約条例において、過去に過労死を発生させた企業や労働基準法違反の指導を受けた企業などを市の発注事業から排除することで、労働者保護の社会政策も実現できます。

このような公契約条例を制定する予定があるか否かについてお答えください。

 【参考】英国の首都ロンドンでは、貧困・低賃金対策として独自の指標を使った「ロンドン生活賃金」(London Living Wage ; LLW)が設定されており、全国一律法定最低賃金(NationalMinimum Wage ;NMW)への上乗せ政策として、ロンドン市が契約する雇用関係について「ロンドン生活賃金」が導入され、現在、民間企業・非営利団体あわせて200団体、18000人以上に「ロンドン生活賃金」が適用されています。「ロンドン生活賃金」は現段階では9.75ポンドに設定されており、日本円にすると1,404円になります。日本でも多くの自治体において公契約条例が制定され、賃金のダンピングを防ぐ対策がとられています。

 

3 仙台市独自の奨学金の創設について

 現在、奨学金を借りている大学生は全大学生の半分以上もいる時代になりました。日本の奨学金制度は「貸与型」が中心で、返済困難に陥るケースが増大し、社会問題化しつつあります。卒業後の就職についても、非正規雇用が全労働者の4割を超えるなど卒業後安定した職に就くことができず、保証人を巻き込んで破産するケースも出てきています。以上のような事情から、返済を要しない、給付型奨学金の創設が必要です。そこで、給付型奨学金制度について、以下の2点についてお尋ねします。

①仙台市独自の給付型奨学金の創設について、どのようにお考えでしょうか、

②仙台市独自の給付型奨学金を創設する際の額や対象者について、どのようにお考えでしょうか。

③貸与型の奨学金を借りて返済に困っている方々のため、市として独自の相談窓口を設置するお考えはありますか。

 

4 子どもの貧困について

  子どもの相対的貧困率はやや改善したものの13.9%、特にひとり親世帯に限れば50.9%と依然として高い水準にあります。仙台市が2016年に行った「子どもの生活に関する実態調査」でも、治療や就学について、貧困状態にある家庭の子どもが厳しい状況に置かれていることが分かってきています。子どもの貧困を放置することは、子どもに本来与えられた権利を奪うだけではなく、都市・社会にも大きな影響を及ぼします。そこで、子供の貧困対策について、以下の2点についてお尋ねします。

①子どもの医療費無償化を進める予定はありますか。

②給食費の無償化を進める予定はありますか。

 

5 住宅政策について

  日本全体の家賃はOECD平均の2倍近くにのぼり、住宅費負担は持ち家・借家ともに20年間増え続けています。ヨーロッパでは公営住宅や家賃補助を利用できている世帯は約2割ほどありますが、日本では公営住宅の利用は約7%、家賃補助の利用は約2%です。公営住宅は高倍率で知られていますが、それは明らかに数が足りていないからです。良好な住宅環境の保障は、健康で文化的な人間らしい生活を送るのに不可欠なものであり、仙台市としても積極的な施策が必要と考えます。仙台市の家賃は首都圏よりも低い水準ですが、賃金水準も低いため、家賃負担は重く、大きいものになっています。また、災害公営住宅は入居6年目以降、家賃が段階的に上がる制度になっており、被災者の生活も今後が危ぶまれます。より幅広い世帯が大きな負担なく適切な住居を確保できる政策について、以下の3点についてお尋ねいたします。

①市営住宅の供給を増加させることはお考えですか。

②市営住宅入居の年齢要件・収入要件を緩和することは考えておられますか。

③家賃補助の政策を実施する予定はありますか。 

 

 

各候補者の質問状への回答

 

1. 待機児童の解消について

 ①仙台市内の保育所を増加させるために、どのような施策を考えておられますか。

〇大久保候補

今後、少子化がどんどん進行していく見込みなので、これ以上保育所をつくると、経営が厳しくなることが明らかなので、増やさない。代わりに、幼稚園二歳児入園を再開し、幼稚園預かり保育と保育園との差をなくすよう政策誘導することで、待機児童を即時ゼロにする。

 

〇菅原候補

民間企業の協力をあおぎ、企業内保育所を増やしていただくこと。また、保育士を目指す学生さんには、支援を拡充したいと考えております。

 

〇林候補

待機児童問題(特に都市部における)の解決には、既存の制度のみでは解決不能。

・大規模高層マンション開発⇒子育て層大量流入⇒需要が一気に増大⇒設置間に合わない

・よって小規模保育所・訪問型保育・企業内保育の必要性

・空き家利用・長時間保育・そして仕事の継続のために全年齢保育並びに病児保育の確保

・子育て世代マンションや保育バウチャー制度等、選択可能な制度の拡充

・今後、少子高齢化対策・働き方改革・女性活躍(よって男性も活躍・ただし育児家事参加が当然であるとの意識改革の必要あり)を実現するためには柔軟性の高い小規模保育の拡充が必須。

 

〇郡候補

事業者の協力を頂きながら企業主導型保育所の増設などに努める。静岡市の待機児童園などを参考に緊急避難的な受け皿を検討したい。

 

②保育士が低賃金である問題について、仙台市独自の改善政策の必要性やその具体策についてどのようにお考えでしょうか。

 〇大久保候補

仙台市には認可保育所への人件費の補助金がすでにある。小規模保育事業所へその補助を広げていくことを検討する。検討にあたっては、「病児・障害児や家庭養育困難児を積極的に受け入れる」などの条件を課すことも併せて検討する。

 

〇菅原候補

安心して任せることの出来る保育所の条件として、保育士に対しての給与に関する何らかの目安を設けていきたいと考えております。

 

〇林候補

保育士の給与は全産業平均より10万円低い(20.7万円)
小学校の先生33万円/月;すなわち約6割
保育士の退職理由⇒1位(賃金が安い)2位(仕事量が多い)
保育士希望者の不安点の上位⇒自身の健康・体力への不安
すなわち保育士は、激務でご高齢の方等には向かず、なのに収入は6割
⇒待遇改善が一番重要な対策、仙台市独自の加算制度の検討の必要性

〇郡候補

保育士介護士への家計補助など待遇改善に資する策を検討する。

 

③保育所内の劣悪な労働環境(労働基準法違反や持ち帰り残業の横行など)の改善について、仙台市独自の改善政策の必要性やその具体策についてお考えはありますか。

 〇大久保候補

子育て介護中の職員は、早出勤務。子育てや介護の責任が小さめの職員には遅出勤務を推奨するなどして、シフトの工夫で「人材確保と労働環境改善」を両立していけるようにサポートする。

 

〇菅原候補

労働条件については、周知徹底を促してい参りたいと考えております。

 

〇林候補

労働環境の改善には、一義的には経営側の法令順守意識の向上が肝要であると考える。

しかしながら、現実は単純でなく、劣悪な環境は須らく同意識の欠如によって生み出されているものとはいえず、むしろ素晴らしい保育を提供しようとするが故、結果としてそうならざるを得ないケースが見受けられもする。

意欲ある真っ当な経営者が、順当な手順で適法な労働環境を達成するには以下につき考慮する必要があると思料する。市政を担う立場を許されたなら議会に提議していきたいと考える。

・過剰な初期投資を課していないか⇒規制緩和の必要性/既存空き家等の活用/訪問型保育制度の創設など

・税制面での支援は十分か⇒各種課税の減免措置の見直し/企業内保育所の活用及びインセンティブの検討

・事務負担等の軽減並びに処遇改善⇒給与等の改善は環境改善と必ずしも同期しない/増員加算(特に病児保育)の見直し

 

〇郡候補

労働基準法違反はあってはならないことから、抜き打ちの訪問検査の強化など、まずは実態把握に努める。

 

 

2. 公契約条例を制定する予定があるか否かについてお答えください。

 〇大久保候補

 

〇菅原候補

現在のところは、考えておりません。

 

〇林候補

仙台市における就労環境の整備並びにその向上は、仙台市での就職意欲、特に大学卒業後都市圏へと流出してしまっている年間3000人とも4000人ともいわれる学士・修士等の人材の確保においても重要な視点であり、仙台市で暮らす市民が良好な就労環境を享受するためにも整備していかなければならないものであると考える。

 上記の点を踏まえたうえで、他地域との企業競争力の優劣の状況などを勘案し、千葉県野田市や、政令指定都市川崎市の事例などを参考にしながら仙台市でのあり方を検討していきたい。

 

〇郡候補

公契約条例について前向きに検討をするべきと考える。まずは仙台市が発注する事業について労働条件の審査と検証を強化する。

 

3. 仙台市独自の給付型奨学金について

①仙台市独自の給付型奨学金の創設について、どのようにお考えでしょうか

〇大久保候補

給付型奨学金は望ましくないと考えている。自治体の借金として残り、将来返済することになるだけだからだ。

 

〇菅原候補

検討したいと考えております。

 

〇林候補

学都仙台をさらに発展させ、これからの仙台の発展を促し、仙台市における教育環境の向上に向け、積極的に検討していきたいと考える。

 

〇郡候補

若者の地元定着を支援する「仙台版給付型奨学金」の創設をめざす。

 

②仙台市独自の給付型奨学金を創設する際の額や対象者について、どのようにお考えでしょうか。

 〇大久保候補

(無回答)

 

〇菅原候補

十分に検討したいと思います。

 

〇林候補

まず金額については、財源確保との関係上、慎重な検討を要するものであり、現時点において具体的金額を明示するのは難しいと考えるが、近年の大学授業料の値上げなどを考慮し、教育ローンの利子補給等に加え、前期費用に相当する金額を超える検討をしていきたい。

対象者については、一定以上の高等教育機関に通うものを対象とするが、財源との兼ね合いを考慮しながら間口をできる限り広げたいと考える。

 

〇郡候補

地元中小企業のニーズ及び事業者の協力の有無や地元定着の目標などを調査したうえで、対象等の設定をしたい。

 

③貸与型の奨学金を借りて返済に困っている方々のため、市として独自の相談窓口を設置するお考えはありますか。

 〇大久保候補

奨学金の借入先の相談窓口機能を強化していただくように、働きかけをする。市で奨学金返済に特化した窓口を設置することは考えていない。雇用の問題であればハローワーク、生活の問題であれば生活保護、母子家庭であれば母子手当など、それぞれ担当の窓口があるので。

 

〇菅原候補

検討したいと思います。

 

〇林候補

相談窓口を設置することは前向きに検討したい。

現在、奨学金の返済で困っている方々の中には、それぞれの制度が準備している救済制度を周知不足により理解されていないケースも多い。

減額返済や返還期限猶予、また状況によっては返済免除を受けられるケースもあり、それらの相談に対し的確に指導・説明をできる窓口の設置は必要であると考える。

 

〇郡候補

まずは日本学生支援機構のなど既存の相談窓口の機能を検証した上で、独自の奨学金制度の創設と合わせて窓口設置も考える。

 

4. 子どもの貧困について

①子どもの医療費無償化を進める予定はありますか。

 

〇大久保候補

ない。自治体の借金として残り、将来返済することになるだけだからだ。

 

〇菅原候補

現在、中学3年まで延長されたものと理解しています。そこから先は、仕事を始める方もおることから、十分な検討が必要であると思います。

 

〇林候補

仙台市におけるこどもの医療費に関し、現行の利用者一部負担金制度はある程度充実したものであるが、子育て環境日本一を目指し発展する仙台へと進路を向けていくためには、もう一段の制度拡充を指向していきたいと考える。

 

〇郡候補

これまで立て替え払いから窓口給付へと改善に努めてきた。まずは10月からは中学校3年生まで対象拡大となるので、利用の状況をみていきたい。ただしワンコインの負担は妥当性があると考えている。

 

②給食費の無償化を進める予定はありますか。

 〇大久保候補

ある。学校統廃合のタイミングで実現する。

 

〇菅原候補

検討したいと思います。

 

〇林候補

学校給食の完全給食の実施は、男女共同参画社会の実現並びに共働きが通常となった昨今において必要不可欠の施策であると考える。仙台市においては、傘下小中学校においてほぼ実施されているところであるがその質・内容・量等につき不十分でないかとの指摘もある。また、給食費未納率が全国的にみても高いのではないかという報道もある。

今後とも、十分な形での完全給食の実施を担保するため、保護者による負担のお願いはやむを得ないとも考えるが健康な生活を営む権利は、学童本人が有するものであるという認識に立ち、財源の確保等を検討・考慮しながら慎重に見直しを行っていきたいと考える。

 

〇郡候補

生活困窮者への支援のあり方は検討すべきだが、食材についての一定の負担は必要と考える。

 

5. 住宅政策について

①市営住宅の供給を増加させることはお考えですか。

 

〇大久保候補

考えていない。これ以上市営住宅を供給すると、民間のアパートの空室が過剰になってしまうため。

 

〇菅原候補

検討したいと思います。

 

〇林候補

市営住宅の増加につき前向きに検討していきたいと考える。

 

〇郡候補

復興公営住宅の市営住宅化や空き家対策など既存の民間住宅活用の可能性を探りたい。

 

②市営住宅入居の年齢要件・収入要件を緩和することは考えておられますか。

 〇大久保候補

検討する

 

〇菅原候補

検討したいと思います。

 

〇林候補

現在の市営住宅は個別案件によりその性能等がまちまちであり、また実質的に利用者の多数を占めるご高齢の方にとって使いやすいものではないケースも多い。改修も含め検討したい。

また、従来の建設方式のみならず、既存の民間物件の借上げ・リノベーション等により、低コストでの実現を目指していきたい。

申し込み資格についても、特に裁量世帯の要件緩和を議論していきたいと考える。

 

〇郡候補

本当に必要な対象とはどうあるべきかを見極めていく。

 

③家賃補助の政策を実施する予定はありますか。

 〇大久保候補

検討する

 

〇菅原候補

検討したいと思います。

 

〇林候補

上記入居要件の緩和とともに、困窮世帯に対する助成を検討していきたいと考える。

 

〇郡候補

家賃補助は、可否を考えてみたい。

 

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