つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

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いろいろ読まないとなぁ

2008-04-06 18:03:51 | ファンタジー(異世界)
さて、ラノベとかマンガとかが多いなぁの第961回であります。

タイトル:狼と香辛料VII
著者:支倉凍砂
出版社:メディアワークス 電撃文庫(初版:'08)

であります。

6巻を読んでから、7巻読んで記事にするかどうか考えて……なんて考えてて、あっさり7巻が出てました。
早いな! と思って買ってはみたものの……短編集でした。
短編集、と言っても実際は中編1本に短編2本という構成ではあるんだけど。

では、それぞれのストーリーをば。

「少年と少女と白い花」
『ある領主の屋敷で下男として働いていた少年クラスは、突然現領主の弟が現れ、現領主が死んだと言われて屋敷を追い出されてしまった。僅かな食料と水のみを持たされて。
しかし、クラスはそのことをまったく悲観していなかった。むしろ自由になれたこと、そして一緒に旅をすることになった少女アリエスがいてくれたから。

だが、鳥や馬すら知らない超世間知らずのアリエスと、まだ稚いクラスの旅はとても楽観視できるものではなかった。
ある夜、いつものように野宿をすることになったふたりに、狼の群れが近づいてくる。
身を守るものと言えば、杖代わりにしている棒きれひとつ。

絶体絶命の状況は、唐突に狼たちが去っていくという不可思議な行動によって救われる。それと同時に、ひとの姿をしながらも耳と狼の尻尾を備えた少女ホロがふたりのもとへ現れた。』

ホロがひとり旅の途中に出会ったクラスとアリエスの物語で、ロレンスとは出会う前の物語。
世間知らずで、しかもまだまだ10代半ばといった程度のふたりと、老獪なホロ、という構図で、ホロの年上のお姉さんっぷりが存分に発揮されている作品。

まぁ、ロレンスは(少しは)海千山千の行商人で、クラスとアリエスは純朴な少年少女なので、こういう構図になるのは当然と言えば当然。

ストーリーは……ホロは出ているが、どちらかと言うとクラスとアリエスふたりが中心の展開。
男だからアリエスを守らなければならない、という可愛らしいクラスの矜恃や、仕組まれた、これまた可愛らしい罠など、少年が少女を守る小さなナイトを気取った定番のお話。

あまりにも普通すぎて、さして見るべきところはないが、定番なので安心して読める中編ではあろう。
心を広く持って、よくやったね、とほほえましく読んであげるのが吉。

「林檎の赤 空の青」
『ホロは大量に買ってしまった林檎120個を前に苦慮していた。いくら好きだとは言ってもこれだけ大量にあれば飽きてしまうもの。
林檎の別の食べ方の話をロレンスからひとしきり聞いたあと、ふたりはこれから迎える冬に向け、冬用の服を買いに出かけることにした。』

これは……ロレンスが怪我をした記述があるので5巻と6巻の間の話、ということになるんだろう。
著者もあとがきで「長編の幕間」と言っているとおり、単にロレンスとホロの日常を描いただけの話で、さして見るべきところなし。

「狼と琥珀色の憂鬱」
『ロレンスとホロは、羊飼いのノーラとともにささやかな祝宴を行っていた。
だが、ホロはたった1杯の酒でもう酔いが回ってきてしまっていた。
体調が悪い、ということには気付いていたが、ささやかとは言え、祝宴を台無しにするわけにもいかず、耐えていたホロだったが、いつしかそれも限界に達し……』

えーっと、ノーラが出てくるというと……(検索中)……2巻のあと、というくらいか。
いろんな出来事が重なり、疲労がたまったホロが倒れてしまい、そのことでいろいろと考え事をするホロの姿……つまり心理が描かれた話で、完全にホロ視点の文体、という本編や前2作とは趣の異なる作品。

一言で言ってしまえば、いままでのラブコメ路線を補完するだけの短編。
……なのだが、あとがきで「最もプッシュするところ」と言っているだけあって、めっさ読みにくい。
だいたいホロとロレンスのやりとりとか、地の文とか、無駄に回りくどい悪癖があるのに、これはそれが極まってる印象。

それにストーリーそのものも「ラブコメ路線の補完」ってだけなので、読後感は「あっそ」しかないくらい。
まぁ、本編も完全にラブコメに走ってるし、キャラ萌えのひとにはホロの心理というものが知れておもしろいのかもしれないが、ラブコメまっしぐらにいまいちな評価をしてる私としては評価は低い。


というわけで、都合3編。
「ふつうで定番」「中途半端」「ラブコメ路線の補完」……唯一読めるのが最初の中編だけってのは……かなり痛い……。
なんか、最初のころはぼちぼちで、3巻とか4巻はよくなってるなぁと期待できるものだったんだけど、このところ、出来が悪くなってるとしか言いようがない。
そんなわけで、総評としては落第。

まぁ、本編ではないので、今後記事にするかどうかは次の本編を読んで、ってとこかな。
もっとも、もうほとんど期待しないけど。



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