つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

実はオヤジ最強

2006-11-16 18:34:23 | 木曜漫画劇場(白組)
さて、そりゃ誰かと二十四時間一緒ってのはたまらんわな、の第716回は、

タイトル:ひもろぎ守護神ガーディアン(全五巻)
著者:緋采俊樹
出版社:秋田書店 少年チャンピオン・コミックス

であります。


 :ちょっと装いの変わったSENでーす。

鈴:ちょっとじゃねぇだろ! と田中(爆笑問題)のように突っ込むLINNで~す。

扇:そうか? さほど変わったとは思えんのだが?

鈴:文字から絵に変わりゃだいぶ変わったと思うぞ。

扇:実験がてらやってみたんだが、やはり旧世代の人間にはちと刺激が強すぎたか……。

鈴:文字ベースの人間だからなぁ。
もっとも、絵が描ければ小説より先にマンガ描いてるだろうがな(笑)

扇:大丈夫、文字にしかできんこともある筈だっ!
漫画の情報量の多さが羨ましくなる時は、多々あるがな。(爆)

鈴:ありまくりだな(笑)
私の場合、場面転換の簡単さは極めて羨ましいところだ。

扇:あと、状況説明ね。
見開きだけで、一瞬にして状況を解らせるって芸当ができるのはいいよなぁ。

鈴:うむうむ。
あとは小物の説明がいらんとこもだな。
絵であれば、いちいち説明せんでもいいが……小説は具体名が必要だからなぁ。
そもそもストールとショールの違いがわからん人間にはきつい……。

扇:それを言うなら、カットソーとシャツの違いって何だ?
デニムとジーンズの違いって何だ?
シャギーとレイヤーの違いって何だぁ~!

鈴:ずぇんずぇんわからん。どれも一緒に見えるぞ。
あっ、そうだ、同僚の女のコのおかげで、ひとつボレロというものを知ったぞ!
やはりこの手の話は、女のコに聞くに限る!

扇:馬?

鈴:ちゃうわっ!
ラヴェルと言うひとが作曲したクラシック音楽だな。

扇:服とか髪の話ぢゃなかったのかなぁ……。

鈴:はっ!Σ( ̄□ ̄;)
……えーっと、確か、ジャケットの短い感じの服だったような気が……。

扇:ああ、Gジャンのことか。

鈴:それもちゃうっ!!
まぁ、男から見りゃ単なるジャケットの一種にしか見えんってのはわかるが……(爆)

扇:なら、皮ジャンか?

鈴:をい……。
ちなみに、同僚の女のコが着ていたのは、編み物だったぞ。

扇:それはカーディガンでしョ?

鈴:そこまで長くはなかったぞ。
……なんか、いかに服の名前がわかってないかってのを暴露しまくってるような気がするな……(爆)

扇:何を言う、俺だって――やめよう、危険な会話になりそうだ。
絵で描きようがない社会構造の説明とかは、文字ベースの方が解りやすいけどな。
世界の雰囲気を伝える場合、文字で絵と張り合うのは無謀だが……。

鈴:説明は文字ベースのほうがいいわな。
マンガでネームがたくさんあるとうざったくなってくるからなぁ。

扇:魔夜峰央みたいに、枠内文が個性になってる人もいるけどね。
でも、小説で解説文が多い作品って嫌いだろ?

鈴:嫌いだ(笑)
まず斜め読みするな。特にSFとか。

扇:即答かよ。
まー実際、話に1ミリグラムも関わってこない、作者の自己満足のためだけの説明は長く読んでると死ねるな。せめて、会話に絡めるとかはして欲しいところだ。
もっともこの方法も、主人公と教師の会話とかでやると、説明文に鉤括弧つけただけってことになりかねんのだがな。(毒)

鈴:まぁ、だらだらと説明されるよりはまだマシだろう、会話文だと。
それでもけっこう適当に読むがな(毒毒)

扇:作家に限らず、誰でも自分の好きな話題になると、省略と過剰説明のオンパレードになるからなぁ。
君の場合、武術の話になるとかなり危険だ。

鈴:そうだなぁ、危険だ、……かなり……(爆)
だから極力武術ものは書かないようにしてる……と言うか、これ、細かく書き出すと、自分で書いてて、キャラがどういう動きしてるのか、わからなくなるから(爆)

扇:そう、俺もさすがにメタ小説だけは書く気がせん。
小説論ぶちまけたら話が弾むのは解ってるが、ヒートし過ぎて読者を呆れさせるのは間違いない。

鈴:まぁな。さんざん記事で書いてて自分でやるのはアホやからなぁ。
……っと、いいころだし、そろそろストーリー紹介に行くかね。

扇:小学五年生の聖舞咲が、自分に取り憑いている兄・勝己の亡霊を祓うために奮闘する話です。
舞咲の心友だけど実は中身の勝己に惚れてる愛梨とか、同級生だけど凄腕の祓い師だったりする天国まほろばなど、とても小学生とは思えない連中が闊歩するドタバタコメディー……になるのかな?
載ってる雑誌は少年チャンピオンだったけど、モロに少女漫画のお約束を連発してるのは御愛敬。

鈴:勝己の亡霊を祓うため、ってのがミソだよなぁ、このマンガ。
いろいろと理由があったりする割には、さっぱりあっさり、舞咲はいらねぇ、っつってるとこがなかなかナイス(笑)
では、キャラ紹介……の前にCM~。

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鈴:では、主人公兼ヒロインの聖舞咲。
「ひもろぎ」という依代兼神に命令することが出来る稀有な体質を持っているため、悪霊(及びその他諸々)に付け狙われるはずだったが、兄の勝己が憑依していることで、これまで免れていた子。
天国に出会い、その能力を自覚するも、大半は役立たずで、天国に傾倒するだけの子だったが、次第に女のコらしさを増すとともに凶暴さも比例(5巻のあれはかなり来ていた)
この子にかかっては、いままで守っていたはずの勝己も厄介者以外の何者でもない。
まー、いくらかわいそうだと何だと言いながらも、いらんもんはいらんとぶっ飛ばすそのキャラクターはけっこう楽しいが。

扇:一巻でいきなり、出て行け宣言してたもんなぁ……舞咲。
では、もう一人の主人公と言うべき聖勝己。
舞咲が生まれた日に事故で死亡し、その後はずっと守護者として妹を守っていた幽霊。
いかにも苦労人っぽいが、舞咲が寝てる間に彼女の身体を使って深夜のおでん屋にしけ込んだり、色んな意味で妹の成長を楽しんでたりと、一歩間違えると外道と呼ばれかねない面も、まぁ……追い出されそうになったのは妥当な線かなとは思う。
後に仲間となる櫂とは馬が合ったのか、しきりに舞咲とくっつけようとしていた。余計なお世話と言うべきだろう……。

鈴:なに、その余計なお世話も、この子がいるからだろう。
で、その「この子」の藤崎愛梨。舞咲の親友で、初手から「舞咲」の嫁……ならぬ婿になるために自らを鍛錬してきた剛の者。ただし、見た目は黒髪ロングな日本美少女。
舞咲に傾倒する理由は過去に死にかけたところを助けられたことによるが、実はそれは兄のほうで、あっさりと舞咲から勝己に鞍替えするあたり、したたかである。
まぁそれでも、舞咲とはいい友達関係にあるからいーか。
でも舞咲、よく考えろ、愛梨がいるかぎり、勝己からは一生離れられんぞ。

扇:愛梨が勝己と危険な関係になろうとした場合……依代って舞咲がやるんだろうしなぁ。
では、舞咲から勝己を祓おうとした少年祓い師・榊天国まほろば
守銭奴に見えて結構甘く、世慣れてるようで純情という、いかにもな少女漫画的彼氏役。(笑)
当然の如く美少年であり、当然の如く表面上は鉄面皮で、当然の如くマザコンでファザコンという、絵に描いたようなキャラ……いや、格好いいんだけどね、背伸びしてる所が。
猛烈なアタックをかけてくる舞咲には、触っただけで金を請求するというつれない態度を取っていたが、最終話でど真ん中直球ストレートのプロポーズを食らい、ものの見事に堕ちる。(笑)
ちなみに、どう考えても作者の趣味の男だということは突っ込んではいけない。

鈴:……突っ込む以前に、小学生だし……。
じゃぁ、キャラ紹介はこんなもんかな。
あと、誰か紹介したいキャラはいるかね?

扇:したい、と言うより、外せん奴はいるな。
三巻で敵として現れ、後に舞咲の彼氏候補その二になる牧村櫂。
自分を庇って死んだ友人がおり、その友人の友人から白い目で見られて捨て鉢になったイジケ野郎。
強引に舞咲の中に霊体として入り込み、神の力を手に入れようとするが、計画性も何もなかったためメインキャラの袋叩きにあって敗北、その後仲間になる。
出てきた時はザコっぽいグラフィックだったが、髪を下ろして美形キャラに転身、暗い過去を持つ三番手みたいな位置で天国の地位を脅かした。(笑)
舞咲とは悪くない感じだったが、いかんせん年の差(明確に書かれてはいないが、十歳差ぐらいの筈)がありすぎたため、最後はさらっと身を引いた。
ただし、五巻の番外編見る限り、作者は諦めていないようである。描いてく内に気に入っちゃったんだろうなぁ……。

鈴:諦めてないんだろうが……まぁ、順当にいけば、天国とくっつかんとなぁ。
あとは……やっぱり、ビンボー神のビンさんかなぁ。見た目麗しく、しかし腰は低く、けれどビンボー神としてきっちり仕事をする、ある意味、万能な神様だったしねぇ。

扇:何だかんだ言って大人だったしなぁ。
たかが貧乏神とか言いつつ、結構強いし、頼れる御方であった。
んじゃ、キャラ紹介も済んだし、そろそろ終わっときますかね。
妙に世知辛い子供達が暴れ回るコメディ……に興味がある方は読んでみて下さい。
ちなみに、こんな子供いねぇ! という突っ込みは入れない方向で。(爆)
ではでは、今日の所はさようならぁ~。

鈴:なに、いねぇって心配はいらんって。
だいたい、絵見てると、考えなけりゃ、誰もこいつら小学生だと思わないし。
実際、私も「そういえば、小学生だったな」と気付くくらいだったしな(爆)
特に愛梨とか……。
と言うわけで、今回の木曜劇場はお開き! にございます~



(ちなみに、LINNはこんな感じ→