つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

木の葉化LINN(笑)

2006-04-03 18:50:42 | マンガ(少年漫画)
さて、漫画企画第一弾な第489回は、

タイトル:伊賀の影丸(文庫版全十一巻)
著者:横山光輝
文庫名:秋田文庫

であります。

忍者漫画と言えば、これッ! な作品。
山田風太郎イズムを継承しており、荒唐無稽な秘術が飛び交うにも関わらず、しっかり現実も描いているのはさすが。
むかーし、これの人形劇があったらしいけど……さすがにDVD化はされないかなぁ。

主人公は公儀隠密伊賀組に所属する少年忍者・影丸。
薬を染みこませた木の葉で敵を痺れさせる木の葉隠れと、さらに、その木の葉に火を放つ木の葉火輪を得意技とします。
アンバランスな作品世界を象徴するかのように、仲間の死に涙する少年の顔と冷徹に敵を始末する忍者の顔を合わせ持っているのが特徴。

残るレギュラーメンバーはたったの二人。
公儀隠密の元締め服部半蔵は飽くまで脇役、大きな問題が起こると影丸に頼る人ってぐらいの印象。(笑)
阿魔野邪鬼(あまのじゃく、と読んではいけない)は影丸のライバルで、不死身の男……ある意味存在自体が反則。

他の登場人物はすべてゲストで、敵味方関係なく、一つのシリーズの内にほぼ全員死にます……これぞ忍者のさだめ。(笑)
超感覚で飛び道具を無効化する彦三、秘術火走りで殆どの敵を殲滅した嵐月之助等、影丸を越える活躍をする二番手キャラが登場することもあります、死ぬけど。
あ、例外中の例外として、影丸より強い村雨右門を擁し、生き残りが別のシリーズに登場したりもした村雨兄弟がいたっけ……。

スピーディな戦闘シーンは、今見ても圧巻。
秘術や能力だけで勝敗が決まることは少なく、だまし合いを制した方が勝つことが多かったのも良し。
一度勝った相手に二度目で秘術を破られたり、秘術が使えない状況に追い込まれたりといった、先の読めない展開も見事です。

忍者好きなら一度は読んどきましょう、オススメ。
そういえばまだ、忍者村行ったことないなぁ……。