まにあっく懐パチ・懐スロ

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(90年代のパチンコ・パチスロ情報がメイン)

ロックンビート(マルホン、デジパチ)

2012-05-04 21:54:28 | 現金機デジパチ

「ロックンビート」というデジパチをご記憶だろうか。

 


1993年(平成5年)にマルホンから登場した、確率変動機能付きのデジパチである。


この時代は、いわゆる確率変動デジパチが続々登場していた。カバ次郎X(三洋)、エキサイトグランパス2(ニューギン)、ミラクルフォースP2(西陣)、遊ぶんジャー(京楽)、スーパースター(京楽)など。

※京楽「スーパースター」…1993年登場。「3,5,7」のいずれかで当ると、以後2回大当りするまで、小デジ確率アップ。

 

当時の確変デジパチは、小デジタル確率のみアップする、というのが基本であった。しかし、中にはメインデジタル確率までアップする機種や、保留連チャンのオマケが付くものも存在。

メイン確率アップや連チャンは、公に認められたスペックではない。しかし、メーカーサイドは、ファンが楽しめる台を作ろうと、あれこれと手を尽くしていた訳だ。


 

ロックンビートの内部スペック

★大当り確率…1/359(表示上の1/324よりも低い)

★通常時の電チュー開放確率…1/11

★大当り絵柄:全18種類

・通常絵柄→0~9、f、¢(12種類)

・確変絵柄→ギター、マイク、トランペット、ヘッドホン、単音符、連音符(6種類)


★確変突入率は、見た目通りの1/3である。一方、確変継続率は1/2と見た目より高いのが特徴。確変ループでの万発越えも珍しくない。

★確変中、小デジ確率が10/11にアップ。さらに、メインデジタル確率も1/31.55にアップ。変動中にハマる事は少ない。

★保留玉での連チャンあり。保連率は4/31.55=約12.7%。なお、保連時は1/2が確変絵柄で当る。いわゆる確変の「引き戻し」が可能なスペック。この保連は、確変大当り後、確変終了の単発大当り後、通常の単発大当り後、いずれのケースでも発生する。

★平均出玉…通常→16R継続で約2400個。確変→12R継続で約1800個

★朝一出目:070

 


 

多くの特徴を持つ本機だが、やはり朝イチがポイント。電源立ち上げ状態からスタートすると、最初のスーパーリーチが外れた瞬間、内部確率がアップする。いわゆる、「モーニング機能」である。以後は、内部大当り確率が1/31.55にアップ、大当り時は必ずノーマル絵柄となる。単発モーニングではあるが、保留連チャンの可能性もあり、美味しい特典である。

 

※朝一モーニングの仕組み(解析)

電源ON後、最初のスーパーリーチが外れると、内部的に確変状態となる。以後は、カウンター全1077コマの内、0~255の数値(256個)を取得した場合に、2/15で大当り乱数への強制書き換えが発生。このシステムは、確変時、保留消化時も同様である。したがって、この時の確率は、256/1077×2/15で約1/31.55となる。

但し、朝一の確変状態の場合、書き換えられる乱数は全て「124」(単発大当り)となる為、モーニング状態からの当りは全て単発である。

一方、確変中や大当り後の保留消化時は、カウンター値は「124」(単発)or「764」(確変)の何れかに書き換えられる。どちらに書き換えられるかは均等なので、大当り時の1/2が確変となる。

 

 

ただし、ある方法(アタッカーに玉を…以下自粛)でモーニングを消すことができた。外部からは見抜くことが出来ない為、知らずに打つと、通常確率の台を延々追っかける事も。この「モーニング潰し」をするホール、実は結構多かったのだ。


 

次にリーチ演出。リーチの瞬間、デジタル上部の赤い三角のランプが激しく点滅すると、スーパーリーチ予告となる。スーパー突入時は、音が変化して中デジもスロー回転に変化。手前4コマから超スローになる。当る時は、大当り一コマ手前で停止後スルッと動くパターンと、半コマ進んだ状態から戻るパターンがあった。

外れる時も前後一コマだったので、この時の「焦らし」の感覚がたまらなかったな…。なお、確変絵柄と通常絵柄では、リーチサウンドも異なる。三角ランプが点灯したままでは、ハズレ確定。



また、三角ランプが点滅後、中デジがスローアクションに発展しなかった場合、その時点で大当りが確定する。スローになるか否かの分岐点は、中デジが一周した地点。そこでデジタルの速度が落ちず、リーチ音が変化しなければ、ドル箱を用意して良し。

 


「モーニング」と「スーパーリーチ予告ランプ」という機能が相俟って、朝イチ最初のリーチは、非常にアツいものになっていた。スーパーリーチは約1/108で発生する。千円30回転の台なら、4本ほどでお目にかかれる計算だ。投資を抑える為にも、いかに早くスーパーリーチを引くかが重要だった。

ここで、当時の面白い実戦データがある。1993年の某・攻略誌に出ていたのだが、同じ店でロックンビートを4日間朝から打ち続ける、というものだ。

実戦店は、都内・某私鉄N駅前の「T」店(現在は「G」チェーンとして営業)。この実戦は、4日間トータルでプラス7万円オーバーの大勝利だったが、朝一の挙動が非常に興味深い。

初日…投資66000円、1492回転ハマって確変大当り(15回目のスーパーリーチ)

二日目…投資600円、僅か17回転で確変大当り(1回目のスーパーリーチ)

三日目…投資13800円、315回転で確変大当り(4回目のスーパーリーチ)

四日目…投資32000円、695回転で通常大当り(9回目のスーパーリーチ)

 

初日、三日目、四日目と、モーニングの恩恵に預かれなかった事が判る。店側の「モーニング消し」を示す貴重なデータであろう。

一方、二日目は速攻で当りを引いているが、最初のスーパーで確変絵柄を引いており、モーニングではなく「自力」での大当りである。

実践者によれば、朝一のシマ挙動を観察したところ、モーニング台が多い日、少ない日というのがあったそうだ。また、朝一出目が台ごとにバラバラで、店が朝一出目「070」を消していた、ともある。

こうしてみると、店側がモーニング狙いの客への対策として、かなり手の込んだ「仕込み」をしていた事が判る。全台をモーニング状態にはせず、特定の台のモーニングを残す方法は、他のホールでも良く見受けられた。朝イチ出目を消すのも、また然りである。


という事で、変則出玉ながらも「保留連付きの確変機」という事で、爆発力も持ち合わせた本機。好調時はドル箱の山を積み上げたが、やはり1/359の初当り確率はキツく、朝一以外は危険も多かった。


後に、体感器で確変を直撃する攻略法が登場。店から姿を消してしまったのは悲しい限りである。この攻略法も、一般ファンにとっては「後出し情報」であり、恩恵を受ける事はなかった。結局は台の寿命を縮めてしまったが、それが当時のパチンコ台の宿命でもある。