空間設計堂blog(ブログ)

新潟県上越市大潟区の建築設計事務所のブログです。

名人と上手 

2009-04-08 11:01:59 | 建築関係
昨日のNHK プロフェッショナル 仕事の流儀 は建築家の伊東豊雄さんでした。
建築界では誰もが知っている大御所。(一般には安藤さんが知られているのでしょうが、90年代から伊東氏が日本の建築デザインをリードしているのです。)
雑誌等では、よくその作品や考え方を目にするのですが、実際はどんな人なのか興味津々でした。


画面での伊東氏は本当に建築に打ち込んでいる姿。
私のように日々の生活に流されて、建築への姿勢がブレるようなところは微塵も感じられませんでした。
藤森さんや藤本さん(テレビに映っていたのは多分この方達...)と飲みながらも、建築に対して苦悩している姿が印象的でした。
(すでに大きな実績を残している大御所なのに...)

伊東氏の番組を見終わってから、録画しておいたソロモン流 山下保博さんの回も見ました。
山下氏は私よりちょっとだけ上世代の建築家。
山下氏も伊東氏に負けない、建築への意気込み様。

両番組を見てから、床へついても、色々考えてしまって、しばらく寝付くことができませんでした。

ちょっと前の朝日新聞のbeに‘理をやぶる’名人政治家とは、と題して、磯田道史さんのコラムが載っていました。(磯田道史の歴史ごよみ)
それは‘名人’と‘上手’について、将棋の名人(升田幸三さんという方)がこのように語っていたという内容の記事。(その内容は総理になる政治家の資質を語る内容になっているのですが。)
‘上手’は秀才。物事の処理が上手な人。頭がよければ、その段階まではいける。しかし、上手からは抜け出せない。上手は、いままで習い覚えた理論に執着し、それを羅針盤に動くから。
‘名人’は頭がいいだけじゃなれない。‘名人’というのは理を超越し、理論を破って、その自由性をもつ ところがある。
そして、理論派の秀才をうんとそろえてもいいが、上に立つ人は、そういう理論を破る能力者でないと、局面打開ができない....

テレビで見た両建築家は、まさに今までの理論を破ろうと必死。いや、すでに数々破っていて、更により破ろうとしている‘名人’でありました。

‘上手’にもなれていない私は、‘名人’になろうという‘姿勢’だけは、せめて持っていようと布団の中で思ったのです。
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4 コメント

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Unknown (国立高専生W.C)
2009-04-12 20:08:39
5年生なのでいよいよ就活を行わねばならない。建築学専攻なので2級建築士取得をするか?考え中の身です。竹原さんは事務所勤めを経て経営者に転身されたわけですが、
竹原さん自身の勤め時代と経営の年収はそれぞれ、ぶっちゃけいかほどなのでしょうか?参考に知りたいです。人生の分岐点に立ち、民間の建築業他自治体の建築技術職を就職目標に考えてます。結果如何によっては臨時職員やらバイトやらで食いつなぎ、2級取得できれば1級にステップアップし、悲願成就されれば、若さの勢いでの起業も考えています。
Unknown (tetsu)
2009-04-13 09:50:16
国立高専生さん、コメントありがとうございます。
あまりぶっちゃけて、後進の方に希望をなくされると困るので適度にぼやかして書きます。
勤め時代、最初の東京のアトリエの収入では一人で暮らせず、兄貴と同居して家賃を支払ってもらうような感じでした。地元に帰ってきて入った事務所は田舎では大きな事務所(10人規模)で、そこそこ頂きました。でも、同年の地方公務員の友達の給料を聞いて、愕然としたのを覚えています。そして、独立した今は、最初の東京時代に戻ってしまったという感じです。今は嫁さんと共働きでやっとこさ生きているというところでしょう。
独立しても、余程の実力(特に営業力)がないと私のようになってしまいます。勝負できるデザイン力をお持ちなら、地方でなく都会で勝負することをお薦めします。実力に自信がなく、私のような生活に甘んじたくないのなら、公務員になった方が良いかもしれません。
あと、独立したいのなら、まずは仕事のある設計事務所に入所して仕事を覚えることが必要だと思います。学校で習っていることと、実際の仕事の場はかなり違うものです。
あくまで私の私見でのコメントですが、参考まで。
Unknown (W.C)
2009-04-13 18:34:01
コメントどうもです。また質問になります。正直私の人生はどう転がるか解りません。公務員志望はやめます。国県は転勤範囲広すぎで×。底辺自治体は国家資格の監督官庁でないので私的には×です。数年間の事務所修行覚悟?し、やがての他業種兼務での独立を考えたい。もし開設にこぎつける場合、自宅内開設として「設備・業務用品・協会登録等」開業初期費用はどの位でしょうか?その場合私は母方実家に定住し後の開設を考えます。親の転勤に付き合ってたので、両親に次いで私加えての実家暮らしは初めてとなり、私にとって実家周辺は親戚・近所の一部以外旧知の者はいません。開業後の営業努力は惜しまない考えです。(贈答品活用等) 竹原さんは独立後の暮らしぶりとして、経営状況の影響で特に私的な交際費は全般的に大幅縮小を決め込んでいるでしょうか?またそれについての心境は自営だからとドライに納得してるのでしょうか?

Unknown (tetsu)
2009-04-14 10:22:00
w.cさん、コメントありがとうございます。
設計事務所の開業では、あまり初期費用はかかりません。それこそ場所さえ確保してあるなら、パソコン、複合プリンタ(最低A3が出力できるもの)、電話回線があれば始めることができます。(使うソフトはもちろん、フリーで。)
あと、建築士会に加入するなら、新潟では年21000円です。その後必要なら事務所協会や地域の設計共同組合に入るなりすることができます。(組合は実績がないと入れないと思いますが。)
営業のやり方というのは、私も思考錯誤している段階で何とも言えません。どこかの設計事務所に入られるなら、そこのやり方をまず学んで、自分で考えていかないといけないのでしょう。
そして、稼ぎがないなら我慢するのはもちろんだと思うのですが。但し必要なことにはお金はかけないといけないとは思います。設計では日々の実力UP費でしょうか。設計は創造する仕事なので、頭が固まってしまったらお終いですから。日々変わる技術や法にも、ついていかなければなりません。毎月かかる経費で一番かかるのは建築雑誌等の資料費となりますね。

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