せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

省エネ法はユーザーの味方か?メーカーの味方か?

2016年10月24日 | 模型・実験・見学・講習・イベント

いろいろなものに、常に疑問や矛盾を感じるのは、

建築を生業としているからか

生まれ持った性質なのか、

それとも深く考えすぎる傾向にあるのか

自分でも、自分がよく分からないでいる。

生きていきた中で遭遇した経験や
人や師との出会いに寄るものも大きいのだろうなぁ。

昨今の建築事情と絡めて、綴りながら
自分自身の取り組みの方向性も示せたらと思う。

今日の疑問その1)

省エネ法はユーザーの味方か?
メーカーの味方か?

2020年に省エネルギーの新しい基準が完全に義務化される。

その前段として、「今年は省エネ性能の表示制度が始まり、
来年度には大規模非住宅の建物の新築には、
適合判定や確認検査が必要となる」
(建築物省エネ法研究会H28年4月)なのだ。

各地で勉強会や制度の説明会が有料で催されている。

先日は、木造住宅の講習会に参加した。

理解したかのミニテストもあり、
学生時代の環境工学の時を思い出しながら計算。
満点取らなきゃダメでしょということで結果は出て、ほっ。

実務レベルのこの計算方法、
実に大工さんもこれからはやらなきゃならない。
大変である。

設計事務所も義務化された仕事が増えるのである。
(悲鳴が上がりそう。設計料も上げていく措置をとらないと〜)

実務では、補助金を受けるのに、すでに新築で
新しい基準での計算、設備機器の選定を行ってきた。

計算ソフトもあるので、
実際は手計算ではなく数値入力で結果判定は出る。

そこで、感じたのは、数値をクリアするための
最新の機器を買うことには費用がかかるということ。

補助金は一般品との差額を埋めるためのもので、
ものすごく得になるのかとそうではない。

いい住まい創りたい!ユーザーさんのためだ!
とこれまでは、国の基準の最高峰を採用するために、
申請の手間暇を惜しまないできた。

しかし、この内容が、すべての住まいに
当てはめなくてはならないとなると、、、

ますます、設計は時間がかかり、
ユーザーは費用がかかり
メーカーは高い商品が売れることになり、
利益を享受できるのは、メーカーなのか?
というところである。
当然開発費はかかっているはずなので、
元を取るといったほうが良いのかもしれないが。

機器を完全に新しくするのではなく、
今のものを引き取って改良してくれるならばともかく、
完全に使い捨て、消耗品となると、
地球環境の面ではゴミも増える。

新陳代謝と割り切るべきなのか?

断熱材だって、今あるものに足し算でできないのか
1か0ではなく、1+αみたいな。

などなど、、、

(実際古いお宅のグラスウールなどは昔は表しで使っていると
水を含んで崩れたり、カビたりしており、
性能は落ちているので無理なのだ。材料の選定の問題もあり)

本当の省エネになっているのか?

の疑問が出るわけである。

だから、なるべくゴミにならないもの、リサイクルできるもの
そういったもので、やっぱり設計したい!と思ってしまう。

制度がどんどん良くなればなるほど、、、、
私は、もっと別の方法やり方もあるのではないか?
と考えてしまう。

一設計者では太刀打ちできない(笑)国の基準ではあるが、
やっぱり自分のクライアントさんには
住み手、使い手に良く、
そして真の意味で環境に良い方法を、とりたい。

講義を受けながら
そこを踏ん張って、提案していきたいと密かに誓うのであった。
ジャンル:
住宅
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