せっけい日和

MKデザインスタジオ一級建築士事務所柿本美樹枝のブログです。設計者として、生活者として、多用な視点で綴っています。

古民家再生は、実は未来を創っている。

2016年09月19日 | A04設計_熊本県X邸古民家再生

↑玄関屋根は新しく。表札とポストは再利用。取り付ける前。
外部の手すりは先代が使っていたものを再設置。

古民家再生の設計監理に取り組むことは、
「古き良き日本の伝統を守ること。」

と、捉えられがちだが、
私は、それだけではない大きな意味があると思っている。

住み継がれてきた民家に出会う時、
その空間に身を置くと
ご先祖の、
建物だけではなく、
家族を想う気持ち
地域を想う気持ち
に触れる気がする。

子どもの時は、古いものはダサくてつまらないと
思っていたけれど、
いろいろな経験をし、
コンクリート造から、最先端の建築を見て、
公共施設から住まいまで設計して

その中で、人間の本質がある感じた木の住まい。
特に、日本伝統的な家屋に、それが顕著にあると思う。
だから、関わらせてもらう。

そして、古い住まいを活かせるものなら生かしたい
というお話を伺いながら、

この建物を、次世代に住み継がれる住まいに改修することは
建物を生かしながら、次の世代がここで暮らし、
家族を守り地域を守っていくための
「未来を創っているのかもしれない。」

そんな風に思えてくる。

「愛着」という言葉だけではない。

そこには、
個人の住みたいという思いだけではなく、
ご先祖を敬う気持ちから、
地域を活性化したいという気持ち、
誰かのために先祖から受け継いだものを
生かしたいという気持ち、

温かな、そして、大きな愛がそこにあると感じるのだった。

だから、設計も工事監理も新築より、手間も時間もかかり
見えない部分には不安も残しながら、

それでも、いえいえ、ご先祖様がきっと見守ってくださると
自分に言い聞かせ、取り組む。

今回、完成したX邸は、途中地震もあり、関わった皆が
戸惑い、不安や心配も抱えながら
乗り越えて、工事を進め、改修してきた住まいだ。

依頼主、施工者、設計者が三位一体となって
完成を迎えたとも言える。

本当にありがたいことである。

昨日は、そのご心配も絶えなかった依頼主さまが
お祝いの席に、私たちを呼んでくださった。

新しく入った仏壇に手を合わせながら、心の中で
ご入居の遅れたことをお詫びしながら、
工事を最後まで守ってくださったことに感謝のお礼を伝える。

会の最初にご主人のご挨拶で、
今日は、特別な記念日と重なり、先祖も喜んでいるだろうと伺う。
その導かれたような偶然に、小さく鳥肌も立ちながら、嬉しさを噛みしめる。

奥様の気持ち良さそうなお顔。
ご主人の晴れやかなお顔を拝見して
そして、次世代のご家族の笑顔にも触れて、

よかったなぁ〜

と、しみじみ噛み締めて帰宅した
満月の夜です。

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