労働者のこだま(国内政治)

政治・経済問題を扱っています。筆者は主に横井邦彦です。

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ミャンマーの反軍政デモ

2007-09-27 02:09:05 | 政治
 ミャンマー(ビルマ)で大規模な反軍政デモが起こり、軍事独裁政権はデモの武力鎮圧に乗り出している。
 
 すでに何人(5人?)もの死者と何百人もの負傷者、逮捕者を出しており、ミャンマーの情勢は急速に国際社会の焦眉の問題になりつつある。
 
 今月の20日にはデモはまだ僧侶たちの抗議行動にとどまっていたが、今週に入ってそれに一般市民が合流し、全国で規模が拡大している。
 
 僧侶たちが当初掲げていたのは、今月5日に起きた僧侶への暴力行為についての謝罪や政治犯の解放、困窮する市民生活の改善であったが、僧侶のデモに多数の市民・学生が合流するなかで、軍事政権そのものに対する批判になりつつある。
 
 このミャンマー国民の大規模な軍政批判のデモに対する軍事政権の対応はきわめて硬直している。彼らは1988年のデモを弾圧した時の“成功体験”を忘れることができずに、どんなデモでも弾圧すれば鎮圧することができるだろうと考えているが、今回の事態は当時よりもはるかに深刻である。
 
 かつて「南ベトナム」のアメリカの傀儡政権がベトナムの僧侶たちの抗議行動を見くびったために瓦解していったように、東南アジアでは僧侶たちの社会的影響力はまだまだ大きいものがあり、それはミャンマーでも同じである。
 
 したがって今回の僧侶たちの軍政に対する抗議行動も、6月に灯油の価格が二倍から三倍になったことから起きており、多くの市民たちの生活が破綻しつつあるというミャンマーの厳しい現実が僧侶たちを抗議行動に駆り立てているのである。
 
 われわれはミャンマーの反軍政デモは当然であり、軍事独裁政権はここで去るべきであると考えるが、同時に、どうしても言わなければならないこともある。
 
 それは当たり前のことだが、ブルジョア民主主義は貧困の解決策にはならないということである。
 
 ちょうど、ミャンマーで大規模な反政府デモがあった1988年以降、われわれが国家資本主義と呼んでいる“社会主義諸国”はつぎつぎと崩壊して自由資本主義へと転化し、政治体制も共産党の独裁体制から自由資本主義にふさわしいブルジョア民主主義体制へと移行していった。
 
 このような世界史的な変革をもたらした原動力となったのは、国家資本主義と呼んでいる“社会主義諸国”の経済体制が行き詰まりそこで暮らしている人々の生活が困窮したために人々が変化と救済を求めたことと、自由資本主義にふさわしいブルジョア民主主義体制を求める小ブルジョア知識人たちの“民主化”要求が合流したからであった。
 
 こうして多くのわれわれが国家資本主義と呼んでいる“社会主義諸国”が自由資本主義にふさわしいブルジョア民主主義体制へと移行していったが、人々の貧困と生活苦の問題は取り残されたままだった。
 
 むしろ国有企業の整理統合による失業と社会給付の削減、猛烈な物価高により労働者の生活は破壊し尽くされた。結局、貧しい人々が手に入れたのはゴミ捨て場でゴミをあさる自由か、さもなければ生活苦から自殺をする自由のみだった。彼らは政治的には解放されたが経済的に解放されたわけではなかったのである。
 
 そしてブルジョア民主主義というのはこのようなもの以外ではありえないのである。資本主義的生産様式という経済制度は一方において富める者をますます富ませ、貧しいものをますます貧しくするという傾向があり、一方の極で富の集中があるときには、他方において貧困の集中と集積がなされるのである。
 
 だから先進的な資本主義諸国と呼ばれるアメリカにおいても、日本においても、イギリスにおいても、フランスにおいても、ドイツにおいても、輝ける文明とその影にうずくまっている貧しい人々の群れが常に共存しているのである。
 
 そして、世界の最貧国といわれる“後進国”ミャンマーの突きつけている現実は、実は世界で一番新しい問題でもある。それはいうまでもなく貧困が蓄積され集積されている社会でシンフレが進行し、人々の生活が破壊され、立ちゆかなくなったらどうなるのかということである。
 
 そういう点でも労働者はミャンマーの事態の進行を注視していく必要があるであろう。
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1 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-09-27 23:05:42
マルクス主義から脱皮したグループも。
     ↓
http://www.geocities.jp/ing9702/hinkon.htm
http://www.geocities.jp/ing9702/index.htm

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