5月9日、モスクワの赤の広場で記念パレードが行われる。同パレードは、大祖国戦争での勝利を記念するパレード史上、最も盛大で大規模なものの一つとなる。戦勝記念パレードには、1万6500人の兵士と戦車など約200台が参加する。
歴史的パレードは、戦時中に名を馳せた戦車T-34や自走砲SU-100などを含む軍事車両の車列で幕を開ける。なお車列には、最新の自走榴弾砲、ミサイルシステム、装甲車両、装甲兵員輸送車、戦車などが参加する。パレードは、空軍のパレード用航空部隊の飛行によって幕を閉じる。航空部隊は、軍のヘリコプターや航空機、軍用輸送機、長距離飛行機で構成される。
ロシア国防省のサイトとSNSには、2015年5月9日に赤の広場で行われる戦勝パレードに参加する最新の軍用車両の写真が掲載されている。サイトでは、中戦車「アルマータ」の写真が初公開された。「アルマータ」は、モスクワの戦勝パレードの「目玉」となるだろう。
戦車「アルマータ」は、先日モスクワで行われたパレードの予行練習で完全披露された。AP通信は「アルマータ」について、同戦車は戦術・技術的特性で西側の同様のあらゆる戦車を凌駕していると指摘している。「アルマータ」のユニークな特徴は、無人砲塔だ。「アルマータ」の乗員は3人。乗員たちは孤立した装甲カプセルに搭乗する。これにより乗員の安全レベルと兵器の利用効率が高まる。AP通信の記事の中では、「アルマータ」を製造する際に使用された完全なる新機軸が、西側の戦車を背景に、「アルマータ」をリーダーに押し上げていると述べられている。また「アルマータ」の設計者たちは、「アルマータ」のプラットフォームを、歩兵戦闘車や自走砲など別の車両にも使用することを考えた。AP通信は、同じプラットフォームを使用することで、軍用車両の製造コストの削減や、車両のメンテナンス、また修理などが大幅に簡素化されると指摘している。大規模な2020年までのロシア軍の近代化プログラムの枠内で、2300台の「アルマータ」が装備される予定。ロシアはナチス・ドイツに対する勝利を祝うために、伝統的に外国やユネスコ、国連、EU、欧州評議会などから代表者たちを招いている。今年はすでにベトナム大統領を含む25カ国以上のリーダーが出席を表明している。
@そう言う意味で、ロシアのコンセプトは実に素晴らしいです。我が国の場合、その必要性はほとんどありませんが、技術力を誇示する意味では常に新しいものを開発していくべきです。
参考:この戦車は、遠隔操作される無人砲塔を装備するものとされている。これは隔離された区画に位置する搭乗員によって、デジタルに操作される。こうしたことは、最終的には完全にロボット化された車輌の開発へと至るものと信じられている。アルマータ・プラットフォームによる車輌は、第5世代ジェット戦闘機のスホーイ T-50で確立されたレーダーや他の技術品を搭載するものとされる。これらには AESAレーダーに基づくKaバンド・レーダー(26.5-40GHz)が含まれる。
アルマータは44S-SV-SHと呼ばれる、Steel Scientific Research Institute enterpriseの開発した新型の軽量装甲を用いるとされる。この装甲は極度の低温下でも性能が劣化しないという特徴があり、ロシア軍の北極に対する関心を示している。
アルマータ戦車には、遠隔兵器ステーション式の砲塔、そして自動操縦装置と搭乗員を保護する装甲化されたカプセルを装備するものとされる。本車は外部に搭載された125mm砲を持ち、携行弾数は32発である。戦車の弾薬に加え、主砲からは新型のレーザー誘導ミサイルが発射可能であり、タンデム式対戦車弾頭を持つ射程5,000mのものが製造予定である。1挺の12.7mm機銃で構成されると予測される。
エンジン A-85-3A ディーゼル機関
1,500馬力、通常時は1,200馬力
変速機 8速オートマチック
速度 65-75km/h