せきねりゅうしの誤字脱字展 (物語ブログ、ゆるいキャラクターを目指しています。お師匠さん、募集中です!)

せきねりゅうしの作品展および生活記録です。
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第2話 婚活中学生「婚活とデキ婚」

2017-05-26 09:52:22 | 婚活中学生
婚活中学生 2「婚活とデキ婚」

「え?莢、本気で言ってるの?」

莢のクラスメート、矢杉小町(やすぎこまち)は聞き返した。

莢は思いついたばかりのアイディアを近所の第一公園で小町に話した。莢と小町は小学校からの親友だ。

「本気というか、そうしてみようかなと思っただけ」莢は腰かけたブランコを大きく揺らした。

「結婚するの?」小町もブランコを揺らす。

莢は首を横に振った。「結婚じゃない、婚活」

「そんなの、おんなじじゃない」
「順序があるのよ、婚活の次に結婚するんだから」

「そんな理屈はどうでもいい」小町はブランコを止めた。「莢は高校に行かずに婚活するの?そんなの変だよ」

莢もブランコを止めて立ち上がった。「変かな?」

「変、変、すっごく変」小町も立ち上がった。並んで立つと双子みたいに見える。ふたりとも背格好がそっくりなのだ。身長は全く同じ159センチで、やや痩せ気味。髪型はおかっぱ、どこにでもいる普通の中学生だ。

「どこが変?」莢は尋ねた。

「他に誰もいないじゃない、中学生で婚活する人」
「え?そうなの?」
「聞いたことないわ」

莢はしばらく考えてから言葉を続けた。「ほら、でも15歳の母、とかたまに聞くよ」

「あれは」小町は苛立ってきた。「子供ができたから結婚しただけじゃない。デキ婚よ」

「なるほど!」莢は納得した。

どっちも婚という一字が使われているが、婚活とデキ婚は真逆だ。婚活は未来に向けての活動だが、デキ婚は過去の結果。15歳の母は、結果的にそうなったという性質のものだ。

「もう、暗くなってきたね」小町は空の色が変わったことに気付いた。夕方も6時は過ぎただろうか。

「ごめんね、いきなり呼び出して」莢は小町を気遣った。「勉強の途中だったんでしょ?」
「ううん、アニメ見てた」

小町と別れた莢は家に向かった。

婚活なんてやってる中学生はいない、と小町は言っていた。

だからやめた方がいいのだろうか?

お父さんはよく言ってる。「人と同じことばかりしていちゃいかん」って。

お父さんは婚活に賛成してくれるだろうか?

莢は思案に暮れながら、玄関のドアを開けた。
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