乗った後の景色

電車・気動車・バスに乗ることが好きな乗りマニアによる旅行雑ネタブログです。

ダーウェント峡谷の工場群

2011-12-08 | イギリス
 前回とりあげたワークスワースから6.1系統のバスに乗って北に丘を越えるとダーウェント川(River Derwent)の流れるダーウェント峡谷に突き当たります。
 ここは18世紀後半、リチャード・アークライトが水力の紡績工場を複数建設し産業革命の先駆けとなった場所で、当時の工場が今も残り「ダーウェント峡谷の工場群」として世界遺産に登録されています。そのうち2ヶ所の工場を見物してきましたので以下画像を貼ります。

 最初に足を運んだのはダーウェント峡谷で最初に作られた水力紡績工場「クロムフォード・ミル(Cromford Mill)」です。(管理するArkwright Society公式サイト)
 1772年に操業を始めたここは紡績という枠の話にとどまらず現代につながる大規模な「工場」の始まりにもなった、というわけですが今は静かなところでした。
 画像はワークスワースからのバスが着く停留所付近のものから始めます。バス停から工場までは歩いて数分で着くのですが、敷地に沿って入口まで建物が高い壁のように続くためなんだか圧迫感がありました。

 工場がこの高い建物で囲まれている理由は、機械化された工場なんかできたら職を失うからと暴徒と化してやって来る労働者を恐れたためだそうです。門には威嚇あるいはもしものときには攻撃するため大砲まで備え付けられていたといいますから凄い話。合理化と雇用の減少という今も解決できない問題点がとっくからあって抵抗もあったと思うと世の中進歩しているようであまり進歩がなかったりなんだかなあという気にさせられます。またこの工場ができた当初は子供と女性が労働者の中心で7歳の児童まで働いていたとのだとか。

 現代に話を戻します。入口につくと特に入場料というものはなく(ガイドツアーを利用する場合は要参加費)すぐ敷地内に入れ、中にはお土産や食べ物にお花屋さんと見学とか観光でない人も楽しめるような雰囲気でした。(訪問時敷地の奥の方は整備工事中)


 水路や動力に使われた水車の跡が残っています。水路にマスがゆったりと泳いでいるのを見ているとツワモノどもが夢の跡という感じ。


 さてクロムフォード・ミルからダーウェント川を1kmちょっと上流にさかのぼるとマッソン・ミル(Masson Mill・1783年開業)というやはりアークライトが作った紡績工場の跡があり、こちらは現在ショッピングセンターに生まれ変わっています。

 このショッピングセンターとなったマッソン・ミルの一部は「労働繊維博物館」(公式サイト・要入場料)として使われ工場時代の歴史をうかがい知ることができます。


 マッソン・ミルでは水力の後蒸気機関が導入されたのでボイラーが残っていますが、水力時代水車を回すためダーウェント川から引いた水路もまたその姿を残しています。

 緑の中で穏やかに流れるダーウェント川や工場の水路を見ているとただの田舎の工場跡という感じで、こんなところが世界を大きく変え今に続く産業革命の始まりになったとはなんだかピンと来ませんでした。「ただの」と感じてしまうくらい工場というものが広がった結果現代があるのですから話が逆なのですけれども。

 というわけで2つの工場跡を見て世界遺産見物をおしまいにしました。マッソン・ミルからさらにダーウェント川を1kmほどさかのぼるとMatlock Bathという町があり鉄道の駅やロープウェイ(訪問時オフシーズンで休業中)もあってそこそこ賑わっています。この辺りは観光地として整備され鉄道やバスも割に便利なためクルマでない私でも歩きやすいところでした。
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