ココ・ド・メール～「エデンの園」の世界一不思議な果実

世界でセイシェルのプララン島とキュリューズ島にしか自生していない
不思議な不思議なこの椰子は、２つのふくらみに分かれ、
女性のお尻にそっくりなその形から、その実が流れついたインド洋の国々では
昔から神秘の実として崇められてきました。

モルディブの海岸でこの実が発見されたとき、
「海底に生える樹木の実」の伝説が生れました。
海のココナッツ(ココ・ド・メール)、又は双子ヤシと呼ばれている不思議なこの実一つに対して、
その昔、ハプスブルグ家は、フローリン金貨２枚を与えていたといいます。

かつてフランスの探検家やイギリスの海賊たちは、
セイシェルのプララン島でこのユニークな椰子の実がなる古代の林を見つけ出し、
アダムとイブの物語と結びつけて、
このヴァレ・ド・メの森こそが「エデンの園」だと信じました。

一年中にわたり燦々と降り注ぐ太陽の光
豊饒な雨の恩恵を受けて常に緑で覆われた島々
暖かい赤道海流がもたらしてくれる海洋動物達のための優しい環境
ここでしか見られない珍しい保護鳥たちの理想の住処
真っ白で繊細な砂のビーチ

この宇宙における屈指の美しさと溢れんばかりの自然の宝物は
セイシェルをまさに現代の「エデンの園」にしています。

何世紀もの昔に、悪名高い海賊たちがセイシェルに隠したとされる秘宝とは、
この素晴らしいセイシェルの自然のことだったのでしょう。
（佐々木 優嘉）

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