地球浪漫紀行☆世界紀行スタッフの旅のお話し

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ブルターニュのことを・・(続き その2)

2007年10月13日 19時10分08秒 | フランス・モナコ

(前回、前々回からの続き)

今から22年前の学生時代、2月の雪の降る寒い夜、パリ・モンパルナス駅近くの安そうなタベルナで遅い夕食を済ませながら、私たちはブルターニュの中心地・レンヌ行きの夜行列車を待っていた。
(まだレンヌ行きのTGVがない頃だ)

暖房のきいた店は飲んだくれたちで混んでいた。
酒のにおいとタバコの煙りでいっぱいだ。
そこに年のころは、八つか九つ。冷たい手をこすりながら、短いブロンドの色白なかわいらしい女の子が一人、花かごを持って入ってきた。
ニットの帽子以外はつんつるてんの薄着で、いかにも寒そう。

見ているとテーブルを廻って、小さな白バラを一輪づつ売りに廻っていた。
笑顔をみせるだけで、声も出さないので、押し付けがましさが無い。
店側も了解しているらしい。

男たちは誰一人、相手にしていない。
そのうちに少女は私たちのテーブルにやってきた。
私はとっさに、ノン・メルシーと言ってしまった。

これから夜行列車のコンパートメントで横になるのに花は邪魔になるというのは言い訳。
単なる友人とはいえ、連れが女性だったので、小さな女の子に鼻の下を伸ばしているとは思われたくなかったのだ。

結局、バラは一輪も売れず、少女は店を出て行った。
ドアのところでこちらを振り向くと、ニッコリしてお辞儀をしてから。
暗い表情ひとつ見せずに。
店内のバラの残り香は、ドアから入ってきた爽やかな冷気に吹き流された。

友人が「買ってあげればよかったね」と言った。
私はすごく恥ずかしくなった。タバコを吸ってごまかした。
入り口の方を気にしていると、隣のテーブルの酔い気味の男が、あの少女はブルトン人だと教えてくれた。
きっかけを与えてもらえたので店の外に出てみたが、雪が舞い降りるだけで、もうその姿はなかった。


それから2時間後、私たちはレンヌ行きの列車の車内にいた。
自由席コンパートメントに寝る場所を確保して、列車が動き出したので、すぐに私はタバコを吸いに通路へと出た。

何気なく窓から駅舎に人ごみを見てみると、先ほどの少女が人ごみを歩いていた。
遠目ながら、花かごの白バラは減った様子はなく、今度はどこか暗い表情を浮かべていた。
遠ざかるホームを見送って、タバコをもう2、3本ふかしてから、コンパートメントに戻ってみると、ワイン2杯で酔いの廻る連れはもう軽い寝息をたてていた。


照沼 一人(とりとめのない文章が、だらだらとまとまりがつかなくなってきましたが、もう少し続く)
[ 写真:世界の終わり「ラ岬(ラズ岬)」 ]

 

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