回路網の旅

電気・電子に偏った社会人がおくる日々の記録。

電源を作ってみる

2015年12月30日 21時12分34秒 | 電子工作
夏ごろからLED大量に光らせたり、MOSFETのゲートドライバ用に
スイッチング電源を作ってみたかったのでちょこちょこ試作をしていました。
定番ICのNJM2360を使った12V→200V昇圧回路や100V→12V降圧回路です。しかし、使ってたインダクタが大きい(秋月のφ12,H15mm)のと外付けのパワーMOSFETのおかげで何やら大げさになってました。外付けなのは、NJM2360に内蔵しているスイッチング用パワートランジスタが40V耐圧のためです。

そこで、内蔵素子の耐圧が大きいFairchild製FSD210Bを使用してみることにしました。このICはAC85~230Vまで対応できるマルチ入力のACアダプタ向けのようで、耐圧は700Vと十分でした。こういう感じの電源制御ICは、需要が少ないからか趣味で個人が買えるのはあんまりない気がします。いい加減なことして商用電源つなぐと危ないし、ACアダプタ買ったほうが安いですもんね~


目指す仕様ですが、まずMOSFETのゲートドライブ用が作りたいので、出力電圧はDC12Vとします。ゲートドライブはあんまり電流くわないので数百uA出力でもいいんですが、制御マイコンと異常をフィードバックするフォトカプラの駆動を考慮して数十mAとしました。調べていると、このクラス(0.75W以下)のDC/DCコンバータはあんまりなくて、最小でも1~数Wが多いみたいです。MOSFETはどうしても絶縁電源持ったほうが、Hブリッジ組んだときとか便利だと思うんですが、スイッチング損失だけで0.2Wくらいあるのでもったいないですし、コストメリット無いんでしょうね。かといってフォトボルを使ったリレーにすると、フィードバックのフォトカプラの電力が賄えないというトレードオフに・・・。まあ、ともかく作ってみようって感じです。

<目標仕様>
入力電圧:DC100V(直流安定化電源で試作する都合)
出力電圧:DC12V
出力電流:数十mA
起動時間:10msec以下


苦戦するかなーと思って、1回目は作り直す前提でやったんですが、あっけなく動いてしまいました。IC恐るべし。
できるだけ小さく作りたかったので、秋月で取り扱いが始まった村田製作所製78250Cを使いました。トランスも電源製作の壁だと思うんですよね。スイッチング用は基本的に市販されてなくて自分で巻くか流用するしかないみたいです。このトランスはRS232の絶縁トランスでMaxim社のICとセットで使うようですが、なんとなく動いてくれるのでチョイスしました(笑)
トランスってどう測定すればいいかイマイチわかってないですが、LCRメータで測定したところ、巻線抵抗比1:1のインダクタンスそれぞれ2mHくらいでした。2次側のインダクタはチップインダクタを使用。つまり、部品ありきの設計になっております。

まだ特性が取りきれてないのですが、それなりに動きました。心配だった起動時間もまずまずです。
後日追加レポートしようと思います。いい加減、電子負荷もつくっときたいですね。最近、大活躍のオシロと眠っていたサーモの出番だ(笑


<設計めも>
・トランス巻線に合わせて、回路トポロジはフォワードコンバータ
・電源制御ICのVccは、絶対最大定格が20Vなので18Vのツェナーダイオード(ZD)で作成。R1、R2はもうちょっと調整したほうがいいかも
・1次側の平滑コンデンサは、とりあえず無し(起動時間短くするため)
・2次側の平滑コンデンサは、現物あわせで10uFにした
・R3は役割がイマイチ不明(データシートの応用回路は680k)
・ほとんどの部品は、ありあわせで効率度外視(2次側のL値も)



<回路図>()表記は参考




<結果>

↑電源投入5分後のサーモ撮影結果(FLIR ONE[2015年モデル]により撮影)
・DC100V→DC12Vは成功。出力10mA程度はOK
・再測定の結果:DC100V,13mA[1.3W]→DC10.5V,10.5mA[0.11W](効率 8.4%,損失1.19W)
・起動時間 5msec程度

<考察と検討事項>
・1次側の電流制限がないのでトランスの絶対最大定格こえてるかも知れない
・2次側のノイズがひどい(パスコン追加?)
・発熱が大きい(制御IC表面が70℃)そんなもんな気もするけれど・・・


※回路の製作は自己責任で行ってください。試作のため、動作確認くらいしかしていません。いい加減な部分を多く含んでいます。

デジタルテスタが届いた

2015年12月19日 12時13分45秒 | 工具・機器
 冬のボーナスもでたところで、むやみに部品を購入し、工作環境を増強しています。
そんな中で、なかなか手が出せずにいたテスタを新しく購入しました。

ずっとアナログテスタだけでがんばってましたが、直流安定化電源に7セグ電圧計をつけた頃から
デジタル便利やな~と思ってました。そして、職場でテスタ使いまくるうちにやっぱ家にもいる!となってを購入。

購入したのは定番のSANWA製CD711です。後ろにプローブを装着できるし、ちゃんと金メッキやし非常に使いやすいです。
そして、テスタが複数あることでスイッチング電源のテストがとても楽になりました。1次側の電流を測りながら、2次側の電圧を測る時とかとても重宝します。道具が使いやすいと、さくさく楽しく作れていいですね!改めて実感しました。

写真は左から
①kaise KF-2A(アナログ)2000年~(たぶん
②NISHIZAWA model 5220(アナログ)2003年~
③SANWA CD711(デジタル)2015年12月~