群馬・みなかみ町の上牧温泉に、「庄屋」というお宿があり、蔵や書院造の建物がそのままお宿になっているということで、こちらで歌会を催すことになりました。参加者が限られれていたので、小生が講師を務め増した。全員が、束帯・衣冠・直衣で、狩衣の方がいないのが御趣向です。
歌会の講師は、五位のうち堪能な者が選ばれて務めますが(『袋草子』)、晴れの儀の時などには四位が用いられることもあります。しかし、歌会には読師や上卿などに高位高官が居並ぶケースが多く、対して講師は身分の軽い若手の役割となっていたため、へりくだる意味もあって、ことさらに束帯・持笏で威儀を正したわけです。ここでは、小生だけが四位の束帯姿となり(従って晴儀)、他の人々は黒または赤の衣冠、そして雑袍勅許を受けた貴人が上卿としてオブザーバー参加しているといった体になっております。
宴座も当然装束にて。