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京都精華大学人文学部・住友剛のブログ。
関西圏に関することを中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

「大阪市教育振興基本計画」(素案)のパブリック・コメント募集のこと

2017-01-04 19:09:14 | 受験・学校

「大阪市教育振興基本計画」(素案)

http://www.city.osaka.lg.jp/templates/jorei_boshu/kyoiku/0000336241.html

この意見募集、つまりパブリック・コメントが行われていることを越後湯沢に居るときに知って、「とにかく何か言っておこう」と思い、上記のページの「概要版」だけを見て、以下のとおり気づいたことをまとめて先方に発信しておきました。

「まあ、こういうこと書いても、どこまできちんと受け止めて対応するのやら? 最初から『ご意見・ご提言だけは聴きましたよ』というアリバイづくりじゃないの?」と思う面もあります。

なので、「本気で市民の声聴く気あったら、この素案じゃダメという声も聴くべきでは?」という嫌味みたいなことを書いて、送ってしまうことにしました。

<以下が私のコメント>

 

あくまでも素案概要版を見ての感想ですが、以下のとおりまとめておきます。

①「教育改革の成果」ですが、ほんとうに「分権型」で校長の判断が尊重されるなら、たとえば大阪市では中学生の統一テストをやめてほしいとか、あるいは中学校卒業後の進路状況の公開をやめてほしいといった校長の声をきちんと反映させるべきだったはずです。

また、大阪市の教育施策に「市民の意向を反映するしくみ」っていったい、どこに、どのようにつくったのでしょうか?

それこそ、学校選択制はあくまでも子どもの就学先を決めるため「だけ」の形であって、教育施策に市民の声を反映させるしくみではありません。議論がすり替えられている印象があります。

それこそ、このパブリック・コメントで素案に対して厳しい意見が突き付けられた場合、大阪市教育委員会はこの素案を全面的に見直す覚悟があるのでしょうか?

②「厳しい家庭環境にある児童生徒を含む全ての子どもたちが、静穏かつ明るい教育環境のなかで、生き生きと学習に取り組み、学びを深め、友だちと交流しながら、心身ともに健全に成長できる学校園生活を、幼児児童生徒に保障します」と概要版にはありますが、「だとしたら、中学校での統一テストと学校選択制はやめてほしい」という「市民の声」があがってきた場合、大阪市教委としてはどのように対処するおつもりですか?

子どもたちの人間関係を分断し、ゆがめるような教育施策を止めることなしに、このような教育機会の保障は無理なのではありませんか。

また、大阪市内に暮らす多様な子どもたちのなかには、差別や貧困にまつわる諸課題に直面している子どもが多数います。そうした子どもたちへの支援施策はどのように考えておられるのでしょうか?

「公設民営学校」など、いったい、こうした教育の保障とどのような関係があるのでしょうか?

今まで大阪の学校現場で人権教育などに熱心に取り組んできた実践を、これまでの諸改革が抑圧しておきながら、「よくいうよ」というしかないのが、この「概要版」です。

おそらく素案本体もそういう内容のオンパレードでしょう。全く期待が持てません。

③総じて、「(1)子どもが安心して成長できる安全な社会(学校園・家庭・地域)の実現」という基本理念を、「(2)心豊かに力強く生き抜き未来を切り拓くための学力・体力の向上」が常に裏切るというしかけになっている教育振興基本計画なのではありませんか。

「概要版」を見ただけでもわかりますが、総じて国のすすめる教育改革の「後追い」もしくは「先取り」で、学力向上と規範意識の涵養ばかりのつまらない、くだらない教育改革構想でしかありません。

すでにこういう路線を何年も続けてきた結果が、今の大阪市の教育の現状ではありませんか。

「これを検討するメンバー自体を入れ替えて、一から教育振興基本計画を練り直せ」というのが、率直な私の意見です。

<以上でおわり>


 




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