【調理士労働組合がセクハラ対策ボタンの貸与を要求へ】
UNITE-HERE (縫製・繊維・ホテル・レストラン労組—250,000名)に所属するラスベガスの調理士労働組合は大統領選挙などに強い影響力を発揮することで知られるが、来月から始まるカジノ・ホテル企業との協約改定交渉に向けて、ホテル従業員へのセクハラ防止の"パニック・ボタン"貸与を要求する。
セクハラ事件としては、浴室清掃の女性従業員が22歳の男に顔を殴られて襲われた例、65歳の女性従業員が19歳の男に部屋で襲われた例などがあるが、セクハラは侮辱や暴言、身体に触る、暴行、レイプなど広範囲に亘り各所で起きている。
ニューヨークのホテルの労働組合の有るところでは、従業員が2013年から緊急ワイアレスを装着しているが、これは当時の国際通貨基金(IMF)、ストラウス・カーン専務理事がメイドを襲った事件により労働組合が要求したものである。他にも2016年のシアトルの住民投票に続いて、昨年10月にはシカゴ市議会がゲストルームで働くメイドへのパニック・ボタン貸与を義務付けている。
調理士組合については、50,000名のメイドやコック、バーテンなどの協約改定が5月に行われるが、現在の時給は$23、医療費は全額企業負担、401K年金、最初の自宅購入時には$25,000の補助などがある。調理士組合はこうした賃金労働条件の維持、向上を図ると共にセクハラ対策を要求する。
カジノ企業は2015年までの赤字から2016年には黒字転換、2017年には前年比191%の増益を記録しており、代表的企業、MGMリゾートでも交渉には好意的である。