西三河地域労連のブログ開設!

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FIFAワールド・カップの労働問題

2017-07-22 14:50:17 | 労働応報

FIFAワールド・カップについては、過去何回も建築現場の労働条件の劣悪性が問題にされたが、2018年開催のロシアでも発生している。
 人権団体の“ヒューマン・ライト・ウオッチ”(HRW)および国際建設・木工労連(BWWI)の指摘によると、ロシア各地の7会場で既に17人の死亡事故が起き、賃金の不払いと遅延、マイナス温度の中での強制労働、不当な労働契約なども発生しており、これを訴えた労働者には使用者からの報復、解雇も起きている。

 FIFA(国際サッカー連盟)はこうした労働問題に対処するため人権監視委員会を設置してきたが、それでも3月にはセント・ピータースバーグの建設現場における北朝鮮労働者死亡事故、その他ロシア各地で問題が起きている。ロシアでは2014年のソチ・オリンピック時にも特に移民労働者を対象とした労働問題が多発して、HRWが労働者保護の強化、違反事実の調査、罰則の強化を訴えたが、政府の反応は遅い。

 FIFAワールド・カップ競技場建築については、HRWまた幾つかの国際労働組合が数々の労働問題を提起しており、FIFAも労働条件や人権問題の劣悪な国々を開催地選定から除外する方針だが、2022年開催のカタールでは既に問題が指摘されている。2026年の候補地選定には、こうした経験が生かさなければならない。