わがまま日記~外伝~

徒然なるままに日々のこと、熱く、ロマンティックに、毒をもって、心のままに書き綴ります。

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舞台「身毒丸・復活」in大阪 3月3日

2008-03-08 16:20:40 | 舞台
舞台「身毒丸・復活」を観て参りました。
この舞台の詳細に関しては、もう書くことはないですね。「身毒丸・ファイナル」で、私の中で身毒丸は完結したものとなっていましたから。だって「ファイナル」だったんですもん。もう、この舞台は二度と観られないという思い入れがありましたから。それが「復活」させられても、もう、気持的に乗らねーよ…なんてことは、全くなかったですっ!!えっ、またあの舞台が観られるのっ!という嬉しさが爆発しました。しかしながら、やはり、この舞台に関しては、もうくだくだと書くことは無いです。一言だけ書くなら、寺山修司は天才だっ!ってことだけでしょうか?
書くとするならば、やはり藤原竜也君のことでしょう。久し振りに身毒丸の竜っくんを観たのですが、さすがに、もうれっきとした大人になっているので、前回のような危うく脆く、大人との狭間の儚い美しさというものは無くなっているように思いました。正直、この役を演じるには大人になり過ぎている気も致します。しかしながら、毎回、竜っくんの舞台を観る度に思うのですが、何かしらの新しい発見をしたような嬉しい気持にさせられる。それは、言葉に表すことは出来ないけれど、竜っくんの進化というものではないかな、と考えています。で、今回の復活で感じたのは、「明確な意志」でしょうか…母を無くした子と、子を持たなかった継母の禁断の恋、押さえ込まれた感情ゆえ悲劇的に暴走する2人の行動が、ファイナルでは綱渡りのような危うさを持ったエロティシズムだったんですが、今回は、完全に恋に支配されている、官能が浮き彫りになったような気がしました。それゆえに、ラストでなでしこの名台詞、「何度でもお前を妊娠してやりたい」という言葉が、究極の愛の言葉のように心で燃えました。マジに、竜っくん、私も貴方の舞台を観る度に「何度でも妊娠したい」と思ってます…
さて、余談っていうか…冒頭とラストの異形の者たちの行脚ですが、私のお気に入りキャラ、健在でした。神棚を頭に掲げた、股間に鏡餅をつけているお兄さん…何度観ても、何年ぶりに観ても、すっごいインパクトでした。私的には、フィギュアを作って欲しい気がしますねぇ…買わないですけど…
さらに追記。大昔に書いた文章、思い出しました。→藤原竜也という彗星との遭遇
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舞台「リア王」in大阪 2月22日

2008-03-08 15:30:35 | 舞台
蜷川幸雄演出「リア王」を観て参りました。
「リア王」って子供の頃から冒頭部のさわりだけ知っているお話でした。腹黒い姉2人と聡明な妹。その聡明さと正直さゆえ、父王の怒りに触れ追放されてしまう。だけど、結局、腹黒姉達に邪険にされて、孤独にさすらう運命になった父っつー、冒頭から非常に何か教訓めいたストーリーでした。何十年ぶりかで、結末を知らなかったお話の全容を先日知ることになったのですが…悲し過ぎるなあ、この結末は…って悲劇なんで、しかもシェークスピアの四大悲劇の1つなんで、しゃーないんですけれども…ここまでしますか?っていう結末でございましたね。子供の頃のまま、一生、結末を知らない方が良かったですわ。ただ、このストーリー、現代にも通ずるものがありますね。威圧的で頑固な老父の扱いに、手を焼くであろうことを予想した姉妹が、手を結んで老父をてなづけようとするあたりは、現代でもざらにあるお話。現代人である私は、「老いては子に従え」という諺を思い出してしまい、姉2人に少し共感してしまいました…
さて、リアの平幹二朗さんなんですけれど、久し振りに舞台で拝見致しました。過去に観た舞台も蜷川演出の「テンペスト」「グリークス」でした。やっぱり、存在感がありますねぇ。「声の存在感」もある。偏屈で意固地なところのある老王役がはまっておりました。そして内山理名ちゃん。やっぱり「声」が良かったですねぇ。迫力のある発声でしたわ。清潔感のある容姿だったし、テレビで見るよりずっと可憐で可愛い。表現はまだまだって感じでしたけれど、声に熱がこもっているので、心動かされる台詞でした。後半、戦闘服に身を包んだ姿は、ジャンヌ・ダルクっぽく、そしてコスプレっぽく(失礼…)、非常に魅力的でした。またまた、舞台で観たいと思う女優さんを発見して嬉しいですわ。
ただ、私としてはリア親子のストーリーよりも、グロスター=吉田鋼太郎、エドガー=高橋洋の親子のストーリーの方が泣けました。特に盲目となった父を乞食に身を隠した嫡男が、息子であることをあかさずに、絶望する父に生きる力を与え、手を引いて導いていくシーンが泣けました。音楽は能楽を使っていて、このシーンにマッチして感動的でした。
リア王が、こんなにも悲しいお話とは思いませんでしたね。四大悲劇の中で一番、胸の痛いラストでしたわ。何もコーデリアを死なせることはないだろう!と、シェークスピアに直接言ってやりたい気が致しました。
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ミュージカル「ベガーズ・オペラ」in大阪 2月16日&26日

2008-03-08 14:42:54 | 舞台
内野聖陽主演、ミュージカル「ベガーズ・オペラ」を観に行って参りました。
初演を東京に観に行きました時は、「エリザベート」の内野さんのセクシー・カリスマ的死神のイメージを引きずりーの、さらに「エリザベート」という王宮の絢爛たる世界観も引きずりーので、かなり違和感がありました。確かに、2枚目で女たらしというマクヒースという役は、セクシー大王の内野さんにはピッタリではございますが、やっぱ、追剥ぎというスケールの小さい小悪党っていうのが、黄泉の帝王トートのゴージャス感に負けてしまい、正直、ちょっとがっかりっていうのが本音でした。さらに、音楽的にも「エリザベート」は魅力的なナンバーばかりで、気づけば口ずさんでいるというほどでしたが、「ベガーズ・オペラ」の方は、やっぱ庶民的過ぎて聞き劣りすると思っておりました。なんで、16日に久し振りに大阪で観る時も、あんまり期待はしてなかったのですが…
どーしたことか、「あれ、面白いじゃん?!」と、ガラリと意見が変わってしまったのです。久々に舞台の上で内野さんを観る喜びだけでは、こうも気持が変わらないと思うのです。全てが面白いじゃん?と心が浮き立ったのでございます。これはいかなることでございましょうか?
思うに、初演の時は、まだ全てが練れてなかったというか馴染んでなかったと言うか、青臭かった…?初演後、内野さんが大河ドラマ「風林火山」で主役をはっていた一年間を経て、熟成し発酵したように味わい深くなった気が致します。全ての者が発する台詞が、下世話ではあるけれど真実を語っているのにも、今回、初めて気づいた気がします。特にピーチャム夫妻(高嶋政宏&森公美子)の夫婦に関する台詞は、非常に深く頷いてしまいました…まあ、夫婦が上手くやって行けるコツというか…かなりブラックですけれど、そして実践は出来ないけれど、日常生活のヒントになりますね。
また、私が苦手な観客一体型という演出も、初演はうざいなぁ…と思ってしまったのですが、なんだなんだ今回は、自分も舞台に上げて欲しいっ!と思ってしまうくらいに楽しかったです。で、ふと気づいたのが、やっぱり地元=関西の劇場だからかなぁと。劇場自体の雰囲気も、東京の「老舗劇場」は暗くて陰気で苦手です。そして観客のノリも悪い。だから面白くなかったのかも…東京の方、申し訳ありません。もしかしたら関西人って、「LIVE感」っていうのが、心底好きな人種なのかもしれないですね。あと、地方都市ゆえ、普段から芸能人、スターを生で観る機会が少ないので(吉本芸人を除く)舞い上がってしまうのかも。
キャストで改めて感心したのが島田歌穂さんですね。まさにミュージカルスターって感じ。歌だけなら笹本玲奈さんもいいんですけれど、やはり演技力が素晴らしいですね。キャリアの奥深さを感じました。そして、島田さんと笹本さんのデュエットもいいですねぇ。声質が似ているのかな?とっても素敵でした。高嶋さんと森さんもサイコーです!このミュージカルって、登場人物の一人一人が主役って感じがします。脇役とか端役なんてない。まさにベガーズ、なんの差別も序列も無い、自由な精神の舞台でした。
千秋楽の「主役」内野聖陽さんの挨拶が、とんでもなくグダグダなのも、超~可愛かったです!セクシー&キュートなウッチー、健在!
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舞台「カリギュラ」in大阪 12月7日

2007-12-08 18:11:31 | 舞台
蜷川幸雄演出の「カリギュラ」を観て参りました。
今回の蜷川さんの演出は、非常にツボにハマりました。鏡張りの壁に、派手なネオンにパンクロックが流れて、カッコいいったらありゃしない!72歳の老人をが、こんな舞台を考えるのかぁ…と、感心したり、その才能にちょっと嫉妬したり。カリギュラの、ポップでデカダンでアングラなビーナス姿だの、ショーガール姿だのも、かなりいいっす!恐るべき老人、蜷川幸雄。ただ、観客の90%以上が、小栗旬君が目的になっているのが伺えるのが、ちょっと残念。私、結構、舞台に関しては、アンチ・小栗なんですよね。期待し過ぎて今まで観ていたのが悪かったのかもしれないんですけれど、過去の舞台で、小栗君の演技に魅力を感じることが出来なかった。なんで、今回は、劇団新感線の「犬顔家の一族の陰謀」でフレッシュなコメディアンぶりを発揮した、勝地涼君目当てで観に行ったんですが…期待しなかったのが良かったのか、今回、初めて小栗君の演技にツボにハマる手応えを感じました。蜷川さんはカリギュラという人物像よりも、小栗君に合わせてパンクにしたんじゃないのかな?って思いました。それだけ、ぴったりとキマってる絵でしたね。多くの苦悩と孤独を抱え込んで暴走する若き皇帝は、小栗君のハマり役だと思えました。声の出し方や抑揚も、一気にレベルアップした気もするし…ただ、何となく、藤原竜也君の台詞のリズムに似ているところがあって…それは、蜷川さんの指示なのか、趣味なのか…ちょっと違和感を感じもいたしました。
古典的舞台を観る時の、いつものパターン通り、「カリギュラ」って名前はよく知っているけれど、そのストーリーに関しては、無知な私。なので今回もストーリーを楽しみながら観ることが出来たんですが、後半になると、ちょっと飽きてきたんですわ。なんか、物足りないっていうか…薄味っていうか…こんなに濃い内容なのにねぇ…で、気づいたんですけれど、この舞台、すべて若者の舞台なんですね。嵯川哲朗さんも、吉田鋼太郎さんも、白石加代子さんもいない。主要人物に御大が誰もいない舞台なんです。若者達の哲学的な会話、論争も、台詞に重さが乗らないので、イマイチ知的な部分に訴えてこないっていうか、刺激しないっていうか。ケレア(長谷川博巳)も、どーなんだ、この感じ?っていうような薄っぺらさ。シピオンの勝地涼君も、もう一歩踏み込めよ、みたいな感じ。小栗君も後半、声が枯れているのか疲れてきたのか、なんか、ぶわぁんとした締まりの無い台詞になってきてと、欲求不満を感じてしまいました。横田栄司さんと若村麻由美さんのお二人は、年齢の分、若者たちよりも安定感と貫録があり、さすがでございましたけれど。
そうそう、あとね、全編を通して色気っていうか、エロさが皆無の舞台だったのも残念!っていうか、そこが1番、欲求不満かも!せっかく、小栗君と勝地君っていう美形を揃えておきながら、しかもちょっと同性愛的な感情も場面もあるにも関わらず、こやつらは、どーして、そんなに無味乾燥な「純・男」みたいにしてやがるんだっ!もぉっとむさい俳優でも、情感溢れるエロさを出す人もいるっちゅうのに!長身の小栗君と、ちょっとカワイイ勝地君っていうカップルなら、よろめき路線全開の場面はあっていいはずだっ!小栗君の褌姿や、お尻出しビーナスぐらいでは、納得出来ません!……そーだ、わかった!!!私が小栗君の演技にピンとこないのは、こういう部分だったのね。中性的な叙情が感じられないからだったんだわ!健康的なエロさしか無いからだわっ!非常に納得…えーっと。私、ちょっと病んでるので、小栗ファンの方、数々の暴言をお許し下さいね。誰がお前だけの為に、お前だけの趣味全開の舞台をやるかっ!っちゅう話でございます。反省致しまする。ただ、さらに言い募るなら、この舞台を見終わった後、何故か、藤原竜也君の「身毒丸・復活」を早く観たいって、激しく思いました。あの禁断の世界…懐かしい…。最後に、勝地涼君はお家に連れて帰りたいくらいカワイイですよねぇ…私、病んでいます、欲求不満です。再度、弁解にて終ります。
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舞台「オセロー」in大阪 11月17日(土)

2007-11-20 23:53:31 | 舞台
蜷川幸雄演出、吉田鋼太郎主演、蒼井優共演の舞台「オセロー」を観て参りました。
午後6時半開演で、終了したのが午後10時半。休憩は挟みますが、さすがに4時間は疲れました。しかしながら、長かったなぁ~と実感したのは、家に帰り着いた時刻を確認した時で、観劇中は集中することが出来ました。それは、恥ずかしながら「オセロー」なる話が如何なるものかを知らなかったので、ストーリー展開を楽しめた事と、やはり、吉田鋼太郎さんと高橋洋さんの熱演によるところが大きいと思われます。ストーリー的には、勇猛果敢な軍人、雄々しいオセローが、妻の不倫疑惑によって嫉妬から脆くも破滅していくっていうのが、私としては「んな、ヤワじゃ生きていけねぇよ」と思ってしまいましたが…
さて、吉田鋼太郎さんは潔く頭を丸められて、見た目、運慶快慶・作の仏像みたくなっておられました。半裸のお体も、お歳のわりには引き締まっておりまして、「ムーア人」の雰囲気を醸し出しておられました。高潔な軍神といった役が本当にお似合いでございます。今回は、徹底的な悪役の高橋洋さんも素敵。しばらくコメディばかりで高橋さんを観ていたので新鮮でした。美青年の悪役っていうのは、いつも心を奪われるものでございますねぇ…今回1番期待していたのはオセローの妻、デズデモーナ役の蒼井優ちゃん。きっと、透明感があって、華奢で繊細で可愛いんだろうなぁ、と想像を巡らせておりましたら、「あれ、以外とフツー…」というのが、私の感想でございます、失礼ながら。ただ、そのフツーに好感を持ちまして、ふんわりした幸せを感じるお姿でした。清らかさと弾ける若さが表立つ前半の演技と台詞には、あまり魅力を感じませんが、後半、オセローに冷たい仕打ちを受けて思い悩む様は、ぐっときました。特に「やなぎの歌」を歌うシーンは良かったです。歌も上手かった。
今回、舞台美術はシンプル。非常階段のような無機質な鉄の階段を5本位?舞台に配置されているのみです。階段の上り下りによって、場面の展開や、登場人物の心理状況を表現しておりました。
4時間弱の長い舞台でしたが…見終わってどうよ?って聞かれると、ぶっちゃけ、イマイチ。シェイクスピアの四大悲劇の一つってことですが、ホレたハレたで起きる悲劇って薄っぺらい。「ハムレット」「マクベス」の方が、内容的に複雑で重厚。同じホレたハレたなら「ロミオとジュリエット」の方が、よっぽど面白いって思ってしまいました。余談ですが、来年の上演の「リア王」で、私、蜷川版四大悲劇を制覇致します。
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「ヴェニスの商人」10月6日in兵庫

2007-10-08 22:34:10 | 舞台
「ヴェニスの商人」を観て参りました。
私事ですが、「ヴェニスの商人」と聞いて思い出すのが、大学時代の「損害保険論」の授業。シェークスピアの時代に、損害保険という制度があれば、ヴェニスの商人という戯曲は生まれなかったと教授が仰いまして…その頃は、ヴェニスの商人のストーリーを知らなかったので、「何のこっちゃ?」と思っておりましたが、現在に至って、やっと教授の意味することがわかった次第でございます。
裕福なヴェニスの貿易商アントーニオ(西岡徳馬)は、年下の友人バサーニオ(藤原竜也)から、プロポーズに必要な資金の援助を求められる。しかし、アントーニオの財産は、すべて洋上の船にあり、仕方なく、軽蔑しているユダヤ人高利貸のシャイロック(市村正親)に借金を頼むことになる。バサーニオのプロポーズは成功するが、アントーニオの船全てが、難破するという悲劇が起る。シャイロックとの貸借りの証文の内容は、無金利だが、万が一、返済が滞った場合は、アントーニオの肉1ポンドを受け取るという、残酷な内容。さて、この危機をアントーニオとバサーニオは、どう切り抜けるのか?というストーリーでございます。
今回の演出は、グレゴリー・ドーランという、英国の演出家でございます。シェークスピアって、蜷川さんの演出でしか観た事が無いので、本家本元の英国人だけれど、普通の演出だなぁと。なんか、文学座の本公演みたいな…失礼。待ち時間も、楽隊の方がロビーで演奏したり、カーニバルの扮装をした人が、ウロウロしたりと楽しい演出ではあったんですが、ああ、なんか、これは蜷川さんぽいよな…と、全てに比較してしまう。私、かなり、蜷川演出に毒されている事を発見致しました。
藤原竜也君が、物凄く良かったです!またもや、腕を上げたなぁ~って感じです。蜷川さんに、30年に1人の天才と言わしめたのが、非常によく分かる舞台でございました。まず、王子様のような出で立ちで舞台に出てこられたのですが、これが、どうしようもなく、美でございました!オペラグラスで、ガン見致しましたね。その後のスーツ姿も素敵だし、役通りの美青年。それが、あなた、一転、顔を真っ黒に塗って、モロッコ大公を演じたり、腰の曲がったじい様にも大変身して、ズッコケ度満載な、コミカルな演技!観客は、大層喜んでおりました。
バサーニオの思い人、ポーシャを演じた寺島しのぶさんも、お茶目で可愛かったです。大金持ちで、利発で機転が利いて、結局、彼女が全ての難局を打破する役目をする、スーパーウーマンなのです。しかし、それもこれも愛するバサーニオの為。健気で、無邪気な女性を好演されておられました。
しかしながら、私が1番、感情移入したのが、敵役、ユダヤ人高利貸のシャイロックです。このヴェニスの商人という戯曲、かなり人種差別的な内容。ユダヤ人に対する、嫌悪感や悪態が、戯曲の至る所に台詞として鏤められている。それでいて、シャイロックの悲しみや怒りを描いている場面も多々あって、シェークスピアは、この時代にすでに、人種差別の醜さを書きたかったのかなぁとも思ったのですが、結局、最後に、シャイロックにキリスト教に改宗させるという件が、如何なもんかと思いました。今、この時代にこの戯曲を観るというのは、非常に辛い気が致します。バサーニオとポーシャの場面は、明るくて笑えるけれど、全体としては、あまりに差別的な台詞の数々で、非常にムカツク内容でしたね。藤原君の熱演を持ってしても、この不快感は消えませんでした。
さて、最初に書いた、損害保険論の謎ですが…要するに、この時代に損害保険の概念があれば、船、積み荷に対して保険をかけておけば、難破しようが、海賊に襲われようが、シャイロックへの支払いも、保険金で賄えたはず。よって、この戯曲は生まれなかったってことでしょうか?教授、学舎を散々離れた今頃になんなんですが、私の答えは合っておりますでしょうか?
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「お気に召すまま」in大阪 8月11日

2007-08-14 15:46:08 | 舞台
蜷川幸雄演出、成宮寛貴、小栗旬出演、「お気に召すまま」を観て参りました。
再演ということですが、初演は大阪では上演されなかったので、私自身、初見です。
その優れた気質ゆえに、兄に嫉妬され疎まれて下僕同然の扱いを受けているオーランドー(小栗旬)。弟に公爵の座を奪われて追放された前公爵の娘ロザリンド(成宮寛貴)。この2人が恋に落ちるのですが、恋を成就しないままに、オーランドーは兄に憎まれ逃亡、ロザリンドは叔父に疎まれ追放されてしまいます。2人が逃げ込んだのは、偶然にも同じアーデンの森。この森には追放された前公爵(吉田鋼太郎)も住んでいて…と、とっても賑やかな森になる訳です。しかも、ロザリンドは身分を隠す為に男装しており、やがて森で出会うオーランドーにも、父親にも正体がバレないという、少々無理のある展開でございます。無理のある展開とともに、最後は全員がHappy~な大団円で終るという、気楽なお話でございます。
さて、オープニングは、役者全員が私服で現れまして、まずご挨拶。今から僕たちがお芝居を始めますっ!って感じです。成宮君は、すでにうっすらと化粧をしておりますが、まだ男のまま。その美しいことといったら!!その男の成宮君を見せられた後に、白のドレスを纏った成宮君を見ると、一種のコスプレ?みたいな楽しさがあります。見方、楽しみ方、間違ってます?その成宮君の横にはピッタリと、ミスターPrincessの誉れ高い月川悠貴さんが、相変らず硬質で上品な美しさをたたえて、寄り添っておられて、もうこの2人だけ見られたら、そんでエエわぁ、みたいな、満足感がございました。途中から成宮君が男装…えーっと、女役を演じている成宮君が男装する(ややこしい)姿も、宝塚男役みたく妖艶。しかも女の子の仕草が超~可愛いっ!と、1人心の中で大絶賛しておりました。
小栗君ですが、こっちはいたってナチュラルな役で…っていうか、女役と道化以外、他の役柄は全然コメデイではないんですよね、このお芝居。同じくオール・メール・シリーズの一作、「恋の骨折り損」は、男性陣がひたすらコメディアンぶりを発揮するお芝居だったのとは逆です。だから、小栗君、吉田鋼太郎さん、高橋洋さんは、ナチュラルにシェイクスピアを演じている。なんで、1人振り幅の大きい役を演じているのは、成宮君だけで、かなりロザリンドって役はお得な役なんですわ。その分、かなり難しいともいえますが、やりがいがありそうだし、成宮君も見事に演じていたと思います。だって魅力全開って感じですもの。ロザリンドのジタバタ振りを際立たせるのも、小栗君の文句の無いカッコ良さ、吉田さんの重厚さ、高橋さんの繊細さでございましょう。
私、席が通路横でして、かなり嬉しゅうございました。高橋さんの衣がなびいて、私に触れたのでございますよ!高橋さまぁぁ~!と思ってたら、吉田さんの衣もバサッとかけられ…いや、だから高橋さんの方がね…小栗君も通りまして…だからね、高橋さんの方がねっ!私は好きなのよっ!と。で、どーして、成宮君は来てくれない訳?と…余談です。
今回の蜷川さんのプランは、全くシンプルでした。いつもは、開演までの時間もロビーに役者達を出没させたり、色々、お楽しみがありましたが、今回は、そういうのは全く無し。セットもすっごいシンプル。「恋の骨折り損」では、ラップまで取り入れていたのに、えらいあっさり。役者全員が私服でご挨拶っていうくらいですかねぇ。もしかして、蜷川さん夏バテ?いつもの暑苦しさはどーしたの?と、意地悪な心配をしてしましました。
私的には、オール・メール・シリーズの中では、男女4組全員がドタバタする、「恋の骨折り損」が一番面白かったです。セットも美しかったし、道化も面白い。しかし、好きなのは「お気に召すまま」ですね。成宮君の1人ジタバタが、演技的にもかなり好き。カーテンコールの時も、小栗君と2人で挨拶した後に舞台奥にはける時も、指先をパラパラさせて、さっさと手を取ってよ、みたいな感じで催促している成宮君に、ああ、女は強いなぁと思いました。最後にガバっとスカートを捲り上げて逞しい足を見せた後、女らしい仕草ではけて行く成宮君にも、ああ、女ってこういう裏表あるよなぁ…は思いませんでしたけど、最後までファンサービスを怠らない、アナタがスキだからぁー!で、Takaraの缶チューハイでも飲も!
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劇団新感線「犬顔家の一族の陰謀」in大阪 7月27日

2007-08-12 15:22:49 | 舞台
去る7月27日、劇団新感線の「犬顔家の一族の陰謀」を観にいって参りました。大分時間が経っておりますが、思い出し思い出し書いてみます。東京公演は昨日11日から。ネタバレがあるやもしれませんので、お気をつけてお読み下さいまし。
一言でいうなら、こんなに馬鹿馬鹿しい舞台も、久し振りですね。ちょっと忘れていた感覚っていうか。様々な問題が渦巻く今の世の中に、こんな芝居を上演してていいのか?こんなお気楽でいいのかっ!喝っ~!と、大笑いしながら叱ってやりたい!もぉ、オープニングから椅子から落ちそうです。「オペラ座の怪人」のパロディ。しかも、素晴らしいパクり方で、シャンデリア(安物)が、天上につり上がって行く様を見て、今、大阪で上演中の劇団四季の本家本元「オペラ座の怪人」を観に行きたくなりました。怪人の正体も、ひっくり返るし、そこから「キャッツ」ならぬ「ドッグ?」が、最後はコーラスラインかよっ!と、突っ込む右手も痛くなるほどでございます。で、やっと、殺人が行われまして、いきなり陰気な「犬神家の一族」のパロディに突入です。しかも、このパクり方がですねぇ、横溝正史ファンには2つの意味で「たまらない」パクり方。横溝文学の世界観を壊すと激怒するか、非常に詳しくパクられてるデティールに感心するか。私は後者でございます。ハッキリ言って、軽い横溝フェチの私、独り芝居が出来るほど(過剰な例えではありますが)犬神家には精通しております。キラリっ!その私がお墨付き、このパロディは最高だっ!とキッパリ明言致します。もうすぐお盆。あの世から横溝正史氏が帰って来らて、東京のこの舞台を御覧になったら、きっと祟りを残すかもしれません。しかし、死後なお、自分の作品が愛されていることを知って、喜びもされるでしょう。劇中には、犬神家の他、「悪魔の手毬歌」「八つ墓村」の重要なエッセンスも含まれております。どうか横溝様、江戸川乱歩様と、仲良くあの世で笑ってやって下さいまし。明智小五郎のパロディキャラも出てくるので、どうぞご一緒に。南無阿弥陀仏…
さて金田一耕助ならぬ、探偵・金田真一耕助之介(かねだしんいちこうずけのすけ)を演じます宮藤官九郎。ご自身のキャラそのままに、体力無さげな探偵を演じております。でも、定番の金田一ファッションが、事の外似合っておられて、将来的にオリジナルの金田一を演じても良いんじゃないのかな?と思いました。
お目当ての橋本じゅんさんなんですが、おいおい、出番が少なやないかっ!こんな使い方、勿体ないっ!超~クレームです。ただ、出番ではしっかりと笑いは取っておりました。
さらなるクレームは、劇半ばで、私の大好きなミュージカル、「エリザベート」の代表的ナンバー「闇が広がる」をなんとも破廉恥な替え歌にされた事ですね。これはトートと皇太子ルドルフの妖しい絡みのある名曲でございます!それをそれを、こんな下品な場面にぃぃっ!と、苦笑いでございました。このシーン、トートを演じられた内野聖陽さんに見てもらいたいなぁ。「千の風に乗って」のパロディにも秋川雅史さんに聞いて貰いたいですね。
そして、揚げ句の果てに出たよ出たよ、「デスノート」。ここまでもパクりますか…と半ば脱力。映画デスノート主演の藤原竜也君にも見て欲しいですね。あと、桃太郎とはなさかじいさんもパクってました…両方とも「犬」が出るんで…
「オペラ座の怪人」「横溝正史」「エリザベート」「デスノート」と。私のツボにハマる、これらの超シュールなデフォルメを見まして、正直、嬉しいしあり難いっ!合掌。私の趣味の為に作って頂いた舞台のようにも感じましたよ。しかしながら、楽しいと思いつつも、も一つ爆発的な破壊力がなかったようにも思います。それは、ひとえに橋本じゅんさんの出番が少なかったから!嫌ぁぁぁぁ!ということです。いのうえさん、次回作は橋本さん主演で、どうぞヨロシクっ!あっ、最後に、木野花さん、尊敬してます。アナタのようなオバサンになりたいっ!
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「歌の翼にキミを乗せ」in大阪 8月26日

2007-07-29 22:28:31 | 舞台
舞台「歌の翼にキミを乗せ」を観に行って参りました。
何の予備知識も無く観に行ったので、チラシやタイトルのロマンティックなイメージを、結構、バッサリと裏切られました。時代背景が、戦時中の南方の軍事拠点である島。しかも終戦間近の時期。なんとなく、最初から結末の後味が想像出来て、端から切なさを持って観ておりました。上演時期も時期。原爆の日、終戦記念日をすぐそこに控えて、この作品を観ることは、意味のあることだと思いました。「シラノ・ド・ベルジュラック」を下敷にしているのですが、原作よりも、ずっときつい内容だと思います。
戦地で通信兵をしている浦野(西村雅彦)は、顔に醜い痣があり、それゆえに美しい従姉妹のフミ(観月ありさ)に愛を告げられずにいる。教師のフミは兄と慕っている浦野を頼みに戦地の学校に赴任する。その船上で凛々しい美男子の兵士・尾形(安田顕)に一目惚れ。尾形もフミに一目惚れ。ただ、尾形は剛健なだけの男で、自分の思いを言葉にする術を知らない。それを知った浦野は、フミの為に、尾形のラブレターの代筆をする。作家志望で、文学に慣れ親しんでいる浦野は、ハイネの詩になぞられて、フミの心を揺さぶる手紙を書くが、それは自分のフミヘの気持だった。しかし、敗戦色が濃くなる最前線で、3人の運命は…というお話です。
まず、観月ありさちゃんですが、初舞台ということですが、声もちゃんと通って明瞭に台詞が聞こえるし、歌も上手い。演技も、やはり、若い頃から主役をはっているだけあって、のびのびと生き生きと演じておられました。初舞台で凄いなぁ~と思ったのは松雪泰子さん(夜叉ヶ池)なんですけれど、その次くらいにイケてると思いましたね。それに、とにかくその容姿にびっくりです!顔が、顔が、おにぎりくらいしかないのぉぉぉ!足が、足が、他の男優よりも長いのぉぉぉ!…です。
そして西村雅彦さん。テレビで見るドラマのイメージしかなかったので、こんなにも男らしくてカッコいい人だとは思わなかったですね。渋いっ!いや、頭のことじゃないですよ…悪しからず。声も男らしくて朗々として素敵。いやー、ハイネの詩とか朗読するのに、ピッタリですね。
そして安田顕さん。なかなか可愛い役で好演されておりました。やはりね、ケン・タウロスさんを演じていただけあって、コミカルな芝居は上手ですし、間がいいですね。そして、男前です。っていうか、男前だったということを思い出させて頂きました。ついつい、忘れがちなキャラをしておられるので…
というように、初めは楽しくお話は進行して行くのですが、どんどん敗戦の影が濃くなってくるあたりから、切なくなってきます。このお芝居では手紙が重要なのですが、浦野の代筆のラブレターよりも、兵士達が日本の家族に当てた手紙の方が重いです。ネタバレになるので詳しく書けませんが、私は、尾形が最後に下した覚悟に心が熱くなりました。愛するフミの為に生きるよりも、もっと守るべき大きなものの為に命をかける。こういう男の人が、理想の父親像になれば、現代の病んだ犯罪を抑止するんじゃないかな?余談ですけど…だから、最後までフミを守り抜いた浦野より、潔癖さを感じました。浦野自身、生き残ったことに負い目を感じている。そして、フミとも結ばれることも無い。最後に自分が代筆した尾形の遺書を自分の言葉として去り逝く。とても切ない結末なんですが、死語に近いですけれど、「男のロマン」を感じました。繊細で叙情的で切ない舞台なんですが、兵士それぞれの男気を感じ取れる、男達の舞台でございました。それゆえ、ヒロインは奇麗な奇麗な観月ありさちゃんでピッタリでした。
舞台を観にいく前に予備知識を入れて行くのもいいですが、今回みたいに全く何も知らずに行って、180度位、裏切られるのもいいものです。あっ、ただし、良い意味で裏切られなくてはいけませんけど…観て良かったと思える舞台でした。

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三谷幸喜「コンフィダント・絆」in大阪 5月19日

2007-05-23 23:00:47 | 舞台
一ヶ月ぶりの舞台は三谷幸喜の「コンフィダント・絆」です。
ゴッホ、ゴーギャン、スーラ、シュフネッケンの4人の画家達の物語。共同で部屋を借りてアトリエ代わりにしている彼ら。スーラはすでに売れつつあるが、ゴッホ、ゴーギャンは日の目を見ない。シュフネッケンに至っては、才能が無く、美術教師なのに絵を見る目が無い…が、皆、友情を深めて、お互いを認め合い、励まし合い、画家として切磋琢磨している。しかし、各々の内面では、様々な葛藤あり、挫折あり、嫉妬あり。絵は売れないが、ゴッホが一番才能があると、スーラ、ゴーギャンは認めている。1人成功しているスーラなのに、ゴッホの才能に嫉妬して、展覧会に出展させないとか、ゴッホはゴッホで、全く悪気無く、人の絵を批評する…最後には、「友情なんか無かった」という言葉まで吐いて、アトリエは解散する…と、非常に最後は切なく終るのです。しかし、目の前に繰広げられているストーリーって、とっても日常的な絵だと思う。有名な画家達でなくても、学校、会社、サークル等、同じ目標を抱いている者たちが共鳴し合って、皆で夢を実現しよう友情を結んでも、人の成功を心から喜べなかったり、仲間の才能に嫉妬したり、自分と比べて引け目を感じたり、反対に優越感に浸ったり、ちょっと嫌味を言ったり、泣き言を言ったり…etc. この舞台をとっても楽しく見たのは、そういう複雑な心の動きを、日常で実際に経験しているからだと思います。だから感情移入出来る。ただ、そういう心の起伏って、青春って感じがするんですよね…今は、そういうの無いかも…歳を取りましたわ(i_i)  舞台は、じゃあ、ドロドロした陰気な感じなのかというと、全然違う。葛藤、挫折、嫉妬をすべて笑いの中に納められています。ピアノの生演奏もオシャレで素敵だし、堀内敬子さんの歌も、さすが劇団四季出身、明瞭に歌詞を歌いつつ、感情表現豊かな歌いっぷり。良かったなぁ~。ただ、一曲位、歌い上げるナンバーがあっても良かったかな。同じメロディをちょろっと歌うだけなので、堀内さんの熱唱も聞きたかったですわ。
スーラ役の中井貴一さん、はまってたなぁ。生真面目でお育ちがよくて。成功しているのに、ゴッホの才能に嫉妬して、ちょっと嫌な奴になって…色々笑えるところが可愛かったですね。
ゴーギャンの寺脇康文さんは、超~カッコよかった!「地球ゴージャス」を一度観にいこうと思いつつ、今に至っているので、やっと、生・寺脇を見た訳です。背が高くってねぇ、テレビで見るより、ずぅっとカッコよかったっす。
ゴッホの生瀬勝久さんは、相変らず面白い。だいたい、この舞台、あんまり興味無かったんですが、生瀬さんが出ているので、ちょっと観に行こうかなって気になったんですもの。生瀬さんのお蔭で、いい舞台を見逃さずに済みましたよ。ゴッホとゴーギャンが、ちょっと怪しい仲良しさんなのが楽しかったですわ。
シュフネッケンの相沢さんが、最後、可哀想なんですわ。才能が無い、絵を見る目がないと突きつけられ、3人に去られと…シュフネッケンの悲しみに、泣かせられました。
三谷幸喜さんの舞台って、いつも、取り合えず楽しいですね。そして、今回は+α、心に響くものあり。結局、最後は離散しましたけれど、タイトルに追記されているように、「絆」、確かにこの5人にはあったんです。シンパシーだけじゃなく、感情のせめぎ合いも含めて、友情なんだなと。なんかね、忘れていた青春の痛みを思い出しました。
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