一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

女優 原泉

2012-10-20 19:06:09 | 人生
 


     原泉(1905-1989)
     
     女優・原泉といってもピンと来ない人が多いかも知れ
     ない。だがこの写真をみれば、ほとんどの人が ああ
     と思うだろう。

     主役をはる女優さんというよりか、見事な老け役で
     名脇役といった印象である。
     いつから老け役になったのか分からないが、私が見た
     ときにはすでにおばあちゃん役が多かった。

     (私が)都庁前すれちがったときは鶴のような細い首
     に渋い和服を召していらして、映画やTVドラマで
     見る上品な老婦人そのもの。
     都会の似合う洗練された女性という感じであった。

     なぜ女優・原泉に興味を持ったのか。多分彼女の夫
     がプロレタリア作家であり評論家の中野重治と知って
     からだと思う。

     そう、二人は同士であり、盟友でもあったのだ。
     そのせいか原泉はきれいで可愛いだけの女優という
     より、もの言う女優、ちゃんと考えをもっている役者
     だと思うようになった。

     さらにいえば、中野重治と作家・佐多稲子の関係で
     ある。
     佐多稲子といえば『キャラメル工場から』がデビュー作
     の実力派作家。
     しかもミーハー的にいうと、理知的な美人だ。

     佐多稲子は中野重治の死後、『夏の栞 中野重治をおく
     る』を書いた。
     これは中野のガン闘病記であると同時に、佐多稲子の
     筆力で恋愛小説につくられている。

     いったいどうなっているのだろう。この三人の関係は?
     いずれも理性のある知識人であるだけに不思議でなら
     なかった。 
     

     
     
     
     
       

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