ちょっと分からない語彙があるとネット検索
するようになって、
辞書をひく機会がめったになくなった。
それでも広辞苑だけは手放せなくて、
古ぼけた背表紙を時折ながめている。
よく、無人島に一人で暮らすことになって、
一つだけ持っていけることになったら、
な~んて仮定の質問をうけたりするが、
もしそういう場面に出遭ったら、
私は迷いなく広辞苑を選ぶ。
電波は通じないからパソコンは使えないだろうし、
辞書と百科事典を兼ねた広辞苑なら、
退屈しないだろうと思うからだ。
その広辞苑が10年ぶりに改定されることに
なったらしい。
そうか、言葉というものは時代とともに変わった
り、新しい語彙も増えたりするからねえ。
こんどの改訂版で新たに追加された項目は
1万項目にも達するという。
たとえば、
震災・原発関連では、
「東日本大震災」や「安全神話」など。
IT用語の
「フリック」(指を画面に触れて滑らせる)
社会問題化した
「ブラック企業」
そのほか、
「がっつり」や「ちゃらい」
も広辞苑入りしたというから、
改めて新語の増加に驚く。
新しいというか、若者の風俗に弱い私であるが、
どれもこれも日常に使っている言葉だし、
最後の「がっつり」や「ちゃらい」なんてのも
最近は面白がって使っている。
一方で、
一過性の流行で終わってしまいそうな
「アラサー」とか
「TPP]
「ググる」
「ゆるキャラ」
などは見送られたというから、
何でもかんでも入ったわけではないようだ。
個人的には、
地名の「浜通り」が収録されたのに驚いた。
私は原発問題で話題になった福島県の太平洋岸、
つまり、「浜通り」の南相馬市の出身なのである。
こんなこと、ちっとも名誉ではないし、
うれしくもないのだが。