今夜も本をまくらに。

山歩きが好き、落語が好き、おいしい物が好き、中島みゆきが好き、
でもやっぱり活字がなければ生きていけない私。

波の音が消えるまで 上・下

2015年05月16日 | 「本」のひきだし

ブクログより


沢木さんの小説は今まで読んだことがない。
沢木さんはノンフィクションライターだと思っているから。

図書館で見つけて、手に取りこれは小説だなと思って、読まないだろうなと、パラパラ見ているとカジノの話らしい、ますます興味の対象外だ。

だのに読んでみようと思った。なぜだか・・・
とりあえずその時読みたい本もなかったからね。

下巻に続く。
そう、予想に反して面白かったの。



ブクログより

カジノが中心の物語なんだけど、ゲームはバカラ、親がいて子がいてそれぞれに配られたカードの数の大きいほうが勝ちという至って単純なゲーム。
ゲームの成り立ち、ゲーム台の説明、チップの賭け方、カードのめくり方、席の取り方そして目の読み方・・・
それはそれは事細かに綴られる、勿論興味がなかったら飛ばしても本編にさして影響はないと思われるけど、読んでいて面白い。もうすごい臨場感。ピリピリした緊張感や落胆の溜息など目の前で見ているよう。

そしてちょっとゲームに飽きてきたころ、主人公の過去がフラッシュバックのように語られる。
サーフィンに目覚めた不遇の少年時代。本格的にのめり込みビッグウェイブを求めハワイへ渡る青年時代。
そしてカメラマンのアシスタント時代。

そんな生活をすべて捨てて偶然訪れたマカオで出会ったバカラ。
主人公が破滅的にのめり込むパターンとかだったら、先が読めてしまって多分読む気にならなかったと思うけど、違うの。理性的に冷静にゲームを分析していかに次の目を読むか・・・とことん必勝法を突き詰めるのだ。ふんふんそれなら勝てるかも~と納得してしまう。

そして彼を取り巻く、現地の娼婦や謎の日本人、この脇役たちがまた魅力的に描かれている。
しかしやっぱり博打は人間の理性を奪い取り、破滅へと導いていく、勝てないようになっているらしい。
もうそこでやめたらいいやん。せめて今夜のホテル代はポケットにしまっとき、とやきもきさせられることしばしば。
もう落ちるとこまで落ちたらええねん、、、
あ~でもどうするの?どうなるの? はよ目覚まし~~
心の中で何度となく絶叫した果ての結末は・・・

久々に読み応えのあるお話しでした。



波の音が消えるまで 上 / 沢木耕太郎
☆☆☆☆★

波の音が消えるまで 下 / 沢木耕太郎
☆☆☆☆☆





本格的、畑デビューいたしましたぁ。
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