環境と経営のブログ

環境制約の中でしか存続できなくなった現代の経営のあり方について考えていきます。

黒田バズーカの失敗

2016-04-05 09:48:04 | 総合
 私が3年ほど前に書いた内容とほぼ同じ記事が、ダイヤモンド社から公表されたと聞いた。(3月4日付Diamond Online東短リサーチ社長・加藤 出氏「戦争末期と重なる日銀徹底抗戦 黒田総裁が狙うは『一撃講和』か)
また、元朝日新聞編集委員の山田厚史氏も「短期決戦で始めた戦争が長期化し、敗戦確実な状況でもやめられず、絶望的な思いで戦艦大和が沖縄に向かった情景が、マクロ経済運営に重なる。」(3月31日付Diamond Online)と書いている。
日銀寄りのスタンスだった日経新聞も、ようやく社説で「「黒田流」は、マイナス金利の決定では逆に出た」と書き始めた。

 日銀・黒田バズーカの失敗が、もはや誰の目にもわかるようになってきたということであろう。このため、専門家も確信を持って、面と向かって発言できるようになったと思われる。
それでも、日銀総裁黒田氏は強気の発言をし続けていくであろう。

 問題なのは、バズーカの失敗だけでは済まないということである。必ずや、国民にそのつけが回ってくるのである。やれやれ厄介なことである。

 わが師、岡田虎二郎先生は、「愛国者が国を滅ぼす」とおっしゃっていた。
一見矛盾のように聞こえるが、歴史をみるとそのとおりのことが余りに多い。米国衰退の原因をつくった元米国大統領ジョージ・ブッシュ、旧日本の軍部、旧ナチスドイツ、彼らは皆、愛国者であった。愛国者というものは、そもそも、よほど注意しなければ悲惨な結果を招くことになりやすいので注意をするべき存在である。

 さて、今の日本のリーダーは国民のためといいながら、実はそうではなく、己のために政策を行っているのではないかと思っている。それが証拠に、言い訳が多い。言い訳が多い者は、自分の利益を最優先にしているものであるといってよい。

 自分の思い通りの成果が出た前半は、「金融緩和の成功」とか「アベノミクスの成果」といって、自分の考えに胸を張っていた。しかし、局面転換した後半部になり、状況が悪化すると、「原油の値下がり」やら「中国経済の失速」やら、こういった外的要因にばかりに責任を転嫁しはじめた。そこには事実に学ぼうという姿勢は微塵も感じられないのである。

 私が考えるリーダーとは、このような人たちではない。己を捨てて、国民に奉仕する者である。そもそも異次元の緩和策みたいな突拍子もないことを「しない」というか、「回避」することができる透徹した叡智を持った人なのである。
多くの人からは、そういうリーダーを求めること自体、不可能なことであるといわれるが、しかし、それを選ぶのは、あくまで我々国民であるということを忘れてはならない。

 問題なのは、日本の経済や金融がこれからどうなっていくかということである。この問題を考えるポイントは、日銀のバズーカ政策のカウンターパートである国際金融資本がどのように出てくるのかということに他ならない。彼らがどのような手を打ってくるか、複数のシナリオが考えられるが、これを書くと余りに長くなるし、また、そのテーマはこのブログの範囲を超えるので、残念ながら割愛することとする。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿