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千葉県弁護士会からも会長声明

千葉県弁護士会からも「生活保護基準の引き下げに反対する」旨の会長声明が出ました。

(以下声明本文)

生活保護基準の引き下げに反対する声明

 厚生労働省は、本年10月19日、学識経験者によって構成される「生活扶助基準に関する検討会(第1回)」(以下「検討会」という。)を開催した。
 同省のホームページで公表された第1回検討会の配付資料等によれば、検討会の趣旨は、平成18年7月に閣議決定された「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」が「生活扶助基準について、低所得世帯の消費実態等を踏まえた見直し」及び「級地の見直し」を行うことを基本方針とし、「早急に見直しに着手し、可能な限り2007年度に、間に合わないものについても2008年度には確実に実施する。」ものとしていることを受けたものである。そしてこの検討会が、保護を受給していない一般低所得者層(全世帯を収入の多い順に並べて十の階級に分けた場合に最も少ない階級に属する世帯)の消費支出統計と現行生活保護基準とを比較し、その均衡を図るとして、現行生活保護基準の引き下げを目指していることもまた配付資料等により明らかである。報道によれば、地域ごとに支給額に差をつけていた「級地」制度の見直しにより、都市部では大幅な生活保護基準の引き下げも懸念されるという。
しかし、生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であって、国民の生存権保障に直結する重大な基準である。
さらに生活保護基準の引き下げは、現に生活保護を利用している人の生活レベルを低下させるだけでなく、所得の少ない市民の生活全体にも大きな影響を与える。すなわち、生活保護基準は、介護保険の保険料・利用料、障害者自立支援法による利用料の減額基準、地方税の非課税基準、公立高校の授業料免除基準、就学援助の給付対象基準、また、自治体によっては国民健康保険料の減免基準など、医療・福祉・教育・税制などの多様な施策の適用基準にも連動している。したがって、生活保護基準の引下げは、これらの施策の適用を受けられなくなる市民の層を拡げることを意味する。
このように、生活保護基準の引き下げは、日本で生活する低所得者全般に直接の影響を及ぼす極めて重大な問題である。特に年収200万円以下の労働者、いわゆるワーキングプア層にとっては、上記諸施策への連動が及ぼす影響は重大であり、増大するワーキングプア層の生活を更に苦況に追い込むことになりかねない。
そのため、生活保護基準の引き下げは、それが及ぼす悪影響の重大さに鑑み、到底容認することができない。すでに開催された検討会においても、このような悪影響を甘受してなお生活保護基準を切り下げるべき必要性は見いだせない。
また生活保護基準に関する議論は、以上のように極めて重大な問題であるからこそ、十分に時間をかけて慎重になされるべきであり、また公開の場で広く市民に意見を求めた上、生活保護利用者の声を十分に聴取してなされるべきである。にもかかわらず、厚生労働省のホームページで検討会の設置と開催が発表されたのは10月16日であり、それから僅か3日後の突然の開催であった。2回目の検討会もまたその発表の5日後である10月30日に開催されており、告知から実際の開催日までの期間は短く異常である。
当会は、厚生労働省及び検討会に対し、生活保護利用者の声を十分に聴取し、徹底した慎重審議を行うことを強く求めるとともに、安易かつ拙速な生活保護基準の切り下げには断固として反対するものである。

2007(平成19)年11月14日
千葉県弁護士会           
会 長   山 下  洋 一 郎 

(以上)
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