パナマ文章から見えるセコムの租税回避が一番最初に国税庁東京国税局から調査される

パナマ文章から相続税租税回避をスキームしたがバレたので国税庁KSKに入力されて真面目に申告を迫られる・申告しないのは危険

新たな流出ファイル「バハマ・リークス」にセコムグループ名義・国税庁が狙う富裕層、もはや海外でも逃げられない・租税回避は脱税仮装隠蔽に・受取配当金課税タックスヘイブン税制マネーロンダリング

2016-10-03 09:26:32 | 日記
以下記事転載

国税庁が狙う富裕層、もはや海外でも逃げられない
週刊ダイヤモンド編集部http://diamond.jp/articles/-/103343
【16/10/08号】 2016年10月3日
『週刊ダイヤモンド』10月8日号の第1特集は「国税は見ている 税務署は知っている あなたに迫りくる徴税包囲網の真実」。国税の狙いとその内実を徹底解明しました。

「怖い。もう辞めさせてほしい」。不動産会社の役員として働く傍らで、個人会社も営む加藤明氏(仮名、50代)が、電話口でおびえた声を聞いたのは今年春のことだ。電話の主はシンガポール在住の田中大輔氏(仮名、40代)だった。
 田中氏は、加藤氏が節税目的でシンガポールにひそかに設立したコンサルティング会社のダイレクターを任せた人物だ。何事かと事情を聞くと、シンガポール当局から、レターが届いたのだという。
 そのレターには「事業実態の乏しいペーパーカンパニーを使い、節税スキームに加担している現地代表には罰金または懲役刑もある」という趣旨の文言が書かれていた。「家族に迷惑を掛けたくない。すぐにでも辞めたい」。田中氏は明らかに動揺した声でそう語ったという。
 実際、シンガポールの刑事罰は日本よりも厳しく、執行猶予が付かないことも多い。「数日間、収監されるケースもある」(駐在員)。
 仕方なく加藤氏は田中氏の辞任を承諾。今年5月、現地の会社を閉鎖し、シンガポールからの撤退を決めた。
 天然資源を持たない東南アジアの小国であるシンガポールは、国を興すために税制優遇策を打ち出し、積極的な外資誘致を行ってきた。実際に法人税率は17%と低く、キャピタルゲイン課税、贈与税、相続税はない。
 そのため、これらの税制メリットに着目した世界の実業家や富裕層たちは、2000年代半ばごろから吸い寄せられるようにシンガポールに集まった。著名投資家であるジム・ロジャース氏や米フェイスブック共同創業者のエドアルド・サベリン氏が移住したことでも知られる。
 この流れの中には多くの日本人富裕層も含まれており、移住こそしていないが加藤氏もその一人。
 ペーパーカンパニーを使った節税スキームは大流行し、雨後のたけのこのようにシンガポールで大量のダミー会社や幽霊会社が乱立していった。
 金融インフラが整備され、治安も良い。おまけに税制優遇策も充実している──。
そんな近代的でクリーンなイメージを手にしたシンガポールだったが、ここ数年で、風向きは大きく変化している。それが国家間で協力体制をつくり、国際的な租税回避スキームの全容をつかもうとする動きだ。今年話題になった「パナマ文書」が、その流れを強く、決定的なものにしたのは言うまでもない。
 こうしてシンガポールは、過度な租税回避策を規制せよとの世界的な流れに巻き込まれることになった。そして、その流れを加速させる中心に日本があり、血眼になって富裕層を追い掛ける国税庁の姿があるのだ。
 冒頭の田中氏をおびえさせたレターをたどれば、国税庁の影がちらつく。
懐に秘めた次の“カード”

『週刊ダイヤモンド』10月8日号の第1特集は「国税は見ている 税務署は知っている あなたに迫りくる徴税包囲網の真実」です。
 情報保秘を徹底し秘密のベールに包まれた国税ファミリーは、頂に君臨する国税庁、全国に12ある国税局(沖縄国税事務所を含む)、同524ある税務署で構成されます。
 1949年に旧大蔵省(現財務省)の外局として設置され、査察権という強力な武器を手に、政界や財界から官僚、マスコミに至るまで各方面に対し強力なけん制効果を持つ、約5万5000人の大組織です。
 国税が今、ターゲットに据えるのは富裕層です。海外に5000万円以上の財産を保有する個人に調書提出を義務付けた「国外財産調書制度」、超富裕層を監視するプロジェクトチームの発足、そして海外の税務当局間で金融口座情報を交換する「自動的情報交換制度」などの“カード”を次々に切り、富裕層の包囲網を狭めています。
 一方、国内では全納税者の懐をガラス張りにするマイナンバーという“最終兵器”も手に入れました。今後、マイナンバーと預金口座がひも付けば、所得と資産の把握が捕捉可能となります。
 そんな“最恐”組織も一皮むけば、汗と涙で形作られたサラリーマン社会の縮図があります。税務調査先で猟銃を向けられたり、商社マンに小ばかにされたり……。あまり知られていない国税マンの実像に迫ります。
(『週刊ダイヤモンド』記者 重石岳史)
内容紹介
【特集】国税は見ている 税務署は知っている

<Part 1> 富裕層に照準を合わせた 国税の本気
シンガポールの邦人震撼! 国境越え狭まる徴税包囲網
もはや国外に逃げ場はなし 海外在住「5年ルール」延長も
米国がこじ開けた秘密の扉 国際協調で富裕層捕捉が加速
資産管理会社に公益財団法人 富裕層がすがる“王道"節税術

<Part 2> 庶民の財布を丸裸にする 税務署の野望
専業主婦世帯を狙い撃ち? 配偶者控除廃止のインパクト
配偶者控除廃止で家庭に打撃 影響額徹底シミュレーション
夫婦控除の創設が突如浮上 渦巻く税制大改革の思惑
[Column] 現れてはつぶされる黒歴史 霞むタワマン節税の次は?
最終兵器を手にほくそ笑む マイナンバーの破壊力とは
[Column] 副業はバレる? バレない! ? マイナンバーで高まる不安
もはやひとごとではない! 税務調査対応マニュアル
[Column] ふるさと納税を使い倒せ! 自治体還元率ランキング

<Part 3> 食物連鎖の頂点に立つ “最恐"組織の内実
財務省が絶対手放さぬ“虎の子" 国税の知られざる序列と出世
[Column] 「ポンカス」「特殊関係人」… 飛び交う隠語の世界を紹介
マルサとリョウチョウに見る泣く子も黙る剛腕集団の実像
税務署員もサラリーマン 出世望みノルマに追われる
組織をむしばむ人材空洞化 調査能力低下がもたらす危機


金融・投資・マーケット経済・財政不正・事件・犯罪週刊現代
国税は突然やってくる! 後悔しても遅い、容赦なき自宅捜索の実態
元国税調査官が「手の内」を明かす
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49053
週刊現代
講談社
毎週月曜日発売
プロフィール

〔PHOTO〕国税庁HPで公開されている税務調査の再現映像より
強面の税務調査官が、目を鋭く光らせ自宅にやってくる。矢継ぎ早に繰り出される厳しい質問、容赦ない自宅内の捜索。——なぜバレた? 後悔しても遅い。恐るべき「臨宅」の実態を明らかにする。
「そこ、見ていいですか?」
その電話は、ある日突然かかってきた。
「××税務署です。○月△日、相続税の件でおうかがいさせて頂きます」
これが悲劇の幕開けだった——。
都内近郊に住む大井達夫さん(60歳、仮名)が父を亡くしたのは、3年前。自宅の土地、株式、預貯金など合わせて遺産総額6000万円を相続、税務署に申告していた。
実は大井さんの父は生前、相続対策で預金の一部を息子に500万円、孫に400万円といった形で、いわゆる名義預金に移していた。名義預金は地方銀行、中堅行などに分散して作ってある。父からは「絶対にばれない」と言われていたので、相続の際その名義預金は申告しなかった。
「あれからすでに3年も経ち、『もう大丈夫』と思っていた。そんな時に突然、連絡があったので動揺しました」(大井氏)
当日、午前10時にスーツ姿の男性調査官が2人でやってきた。一人は痩せ型で眼鏡をかけた真面目そうな男、一人は、体育会上がりと言った感じの屈強そうな男。二人とも30代くらいだろうか。何を言っても見透かされそうな気がして、大井さんの緊張が高まる。
そして、ダイニングテーブルをはさんで対面するや、2人の調査官は質問を投げかけてきた。
「生前のお父さんの口座から出金されていた500万円ですが、何に使われたかご存知ですか」
大井さんは表情を読み取られないように、「ああ、家族旅行でヨーロッパを回ったんです」と平静を装い、答えた。
すかさず調査官は、「ではその旅行の写真を見せてください」と要求してくる。大井さんは慌てて「家族写真は撮らないんです」と返すも、明らかに動揺を見透かされた。
実際、税務署の調査官たちは、名義預金の情報を事前に入手していた。あらかじめ金融機関に出向き、大井さんの父みずからがこの口座を開設していたことの確認まで取っていたのだ。
まるで「犯人」を自供に追い込むように、調査官は次々と質問を畳み掛けてくる。
調査官 「この400万円の出金はなんですか」
大井 「父の入院費に使いました。治療は何かとカネがかかりますから」
調査官 「その領収書は残っていますか」
大井 「そんなもの、とっくに捨てました」
午後になると、「現物確認」が始まり、調査官は各部屋の捜索に動いた。「書斎はどこですか」「次は金庫を見せてください」「仏壇の後ろも見ていいですか」……調査官は家じゅうを、休みなく、くまなく捜索する。
「観葉植物の鉢植えの中も見ていいですか」
調査官に言われて、大井さんは震えた。まさにそこに名義預金の通帳を隠していたのだ。
断るわけにもいかず、大井さんは観念した。調査官が鉢植えの土の中に手を入れると、ビニール袋に入った預金通帳の束がゴソっと出てきた。
調査官 「この口座はあなたのものですか」
大井 「いえ……」
調査官 「あなた名義になっていますが」
大井 「は、はい……」
調査官 「口座開設する際の筆跡を確認しましたが、お父さんのものでしたよ」
大井 「本当にすいませんでした」
もう言い逃れはできない。大井さんは降参するしかなかった。
調査中に申告漏れを認めたものの、明らかに故意で財産を秘匿していたことから、大井さんに下されたのは、40%の重加算税という厳しい処分だった——。
「死ぬ前」からバレている
国税の調査官が突然家庭にやってきて、あらゆる資産を調べ上げる。相続税を「脱税」していないかどうか、徹底的に質問を浴びせかける。しかも、相続したのは数年前なのに、忘れた頃に突然やって来る。
業界ではこのように一般家庭に出向く税務調査を「臨宅」と呼ぶ。この臨宅は毎年、「7月」から本格化するということをご存じだろうか。
というのも、税務署の年度始まりは7月1日。そして、7月から12月までは「勤評ダービー」と呼ばれ、調査官たちが競うように申告漏れや脱税を暴こうとする。全国の税務署の国税調査官たちが「獲物」を狙って、各地の家庭に臨宅を仕掛けてくるわけだ。
税理士法人「中央会計」の前原貴之氏は言う。
「7月の税務署は年度初め、『さぁ、やるぞ』という雰囲気に満ち溢れる。もちろん、目標は申告漏れなど税金の『未納』をより多く発見すること。7月20日頃にはさっそく税務調査に着手しだす」
とはいえ、私には関係ない。相続税は払ったけれど、少額なので国税は目をつけてこない……などとたかをくくっている方は、要注意である。
「臨宅を他人事とは思わないほうがいい」と警告するのは、相続税専門の税理士法人チェスター代表社員の福留正明氏だ。
「最近は遺産の額に関係なく、税務署に提出する相続の申告書におかしなところがあると税務調査の対象になります。きちんと税理士に相談しないで申告書を作った人や、多少は見逃してもらえるなどと楽観していた人は要注意です」
しかも、今年からは昨年の相続税制改正によって、最低3600万円以上の相続は課税申告の対象になった。これは住宅や土地を相続するだけで超える可能性が高い金額だ。税務調査を受ける『予備軍』は実際にはかなりいるということだ。
そこで今回、本誌は元国税調査官らを取材。ベールに包まれていた臨宅の実態を掴んだ。
「驚かれるかもしれませんが、実は国税は対象者の『生前』から調査を始めています」
まず、元国税調査官で税理士の大津學氏が語る。
「ある程度の資産を持っている人にはあらかじめ目をつけていて、その生活ぶりを調査しています。
たとえば外観調査といって、自宅に行って、クルマの台数、車種などを把握しておく。それで臨宅に入る前まではベンツが3台もとまっていたのに、事前連絡をしていざ入ってみるとなくなっていたなんて例はたくさんある。そのベンツの所在を突き止めることで、資産隠しの場所を暴くこともできるわけです」
税務署の相続税担当者たちはその土地の名士や土地持ちなどの資産家の名前はすべて把握。さらに、各税務署では「大口資産家リスト」が作られていて、企業社長、大株主、弁護士、税理士、土地持ちなどの資産状況をウォッチしているという。
「そのため、リストに載っている人の死亡通知が届いた時点で『さあ、調査を始めるぞ』と動き出せる。たとえば田園調布クラスであれば、住民はすべてリスト化されて、資産状況を管理されていると考えてもいい」(東京国税局元調査官)
そして、国税マンたちは、いざ臨宅に入る前に、「あえて泳がせる」と口を揃える。
元国税調査官で税理士の武田秀和氏が言う。
「あまり知られていませんが、国税にはKSK(国税総合管理)というシステムがあり、国民の財産情報を過去にさかのぼって蓄積までしています。その中には、過去にどういう口座を持っていたとか、いつ高額な資産を受け取ったとか、そのような膨大な情報がストックされているのです。それは個人が死ぬまで、国税が保管しています」
決して手加減しない
「怪しい」と思う案件を見つけた場合、あえて当該の人物を野放しにして、その人物がいつ、どうやってカネを動かすのかを密かに捕捉。情報を着々とため込んで、「決定的証拠」を掴む。
「やがて税務署に死亡届が届くと、担当者はKSKにある亡くなった人の情報をチェック。申告内容とKSKデータを見比べるわけです。
すると、『10年前に1億円で土地を売ったはずなのに、申告された金融資産が1000万円しかないのはおかしい』とすぐにわかってしまう。その情報をもとに臨宅を仕掛ければ、調査失敗など『間違い』を犯すことはほとんどない」(前出・武田氏)
最初から外堀は埋められているのだから、当然、臨宅の現場ではいかに抵抗しても無駄。調査官は対象者を巧みに、かつ徹底的に追い込んでいく。
前出の大津氏はこんな実務経験を語る。
「父から莫大な遺産を相続した女性は、遺産の中に父が知人に貸し付けた2000万円を計上していた。が、臨宅した調査官は過去の手帳などから貸付金がさらに多くあると見抜き、その貸付先にまで臨宅をかけた。そして合計5000万円の貸付金があったことをつきとめた。
女性も知らなかったカネの存在が発覚し、女性の財産は増えましたが、税務署はその5000万円から追徴課税をしっかり取っていきました」
いかなる事情であれ、調査官たちは決して手を緩めない。そこに臨宅の恐ろしさがある。
実際、国税庁のデータによれば、2014年7月から2015年6月までの1年間で臨宅を実施したのは1万2406件。その中で申告漏れが発覚したのは1万151件。要は調査に入られたら8割以上の確率、ほぼ確実に申告漏れなどを指摘されるというのが実態なのである。

しかも今年はマイナンバーを利用した税務手続きが始まる「マイナンバー元年」。国税の監視はより厳しくなる。税理士の村田顕吉朗氏が言う。
「国税はマイナンバーを利用して、相続人も気づかない遺産までやがて把握してくるでしょう。
たとえば亡父が生前にたくさんの隠し口座にお金を入れていたとします。息子が死後、その口座をすべて見つけられないまま相続税を申告します。国税はマイナンバーで口座を把握していますから、相続人に申告漏れを指摘します。しかも、『カネを故意に隠していた』として、『過少申告加算税』より重い『重加算税』を課してくる可能性がある」
対応のポイントは?
それだけではない。預貯金だけではなく、証券会社や保険会社も同様に顧客をマイナンバーで管理する動きが進んでいる。株の配当金、保険金の支払調書なども国税に捕捉されるようになるわけだ。
さらに、意外なところでは、貴金属の売却にもマイナンバーの提出が求められる。200万円を超える売却取引があった場合、貴金属業者はマイナンバーを記載した支払調書を税務署へ提出しなければならない。つまり、銀行、証券、保険、貴金属がすべて国税に押さえられてしまうのだ。
では、そんな臨宅が実際に家に来た場合、どう対応すればいいのか。
「対応のポイントは、まず嘘をつかない。あと余計なことをしゃべらない。相手はプロ、不明瞭なことや深掘りできそうなことを言えば、食いついて離さない」(前出・福留氏)
一方で、税理士の遠山敏之氏は「損した話はどんどん調査官にしてください」とアドバイスする。「借金の肩代わりをしたことがあるとか、だまされてカネを取られたとか。それを言わないと『こいつはまだカネを持っている』と思われます」
とはいえ、口先のテクニックだけで税務調査はどうにかなるものではない。やはり専門家に相談するのが肝心だ。
税理士の秋山清成氏は次のように語る。
「相続税の場合、税理士が調査に立ち会うことができます。そうすれば専門知識がなくても、税理士と相談しながら調査に臨めるでしょう」
臨宅はもはや他人事ではない。もうすぐ国税が動き出す7月になる。「もしもし、税務署です」。そんな電話が来ても、動揺しないように……。
「週刊現代」2016年7月9日号より



脱税で倒産する企業が増加 元国税局職員が明かす「究極の節税」
2016年9月27日 6時30分
http://news.livedoor.com/article/detail/12069008/
ざっくり言うと
• 脱税などのコンプライアンス違反が原因で倒産する企業が増加しているという
• 元国税局職員が明かした、正しいテクニックを使った真っ当な節税法を紹介
• 役員報酬は、法人税と同額程度の所得税になるまで抑えることをすすめている
「脱税」が原因で倒産する企業が5年連続で増加!1400社もの税務にかかわった元国税局職員が明かす「究極の節税」とは?
2016年9月27日 6時30分
ダ・ヴィンチニュース

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『税務署が咎めない「究極の節税」』(辻正夫/幻冬舎)によると、国税庁の「法人税の調査事績(平成26年事務年度)」の発表では、申告漏れなどを税務署に指摘された法人は7万件に及び、追徴課税は総額1707億円と、前年に比べて7%以上増えているという。帝国データバンクの2014年の調査によると、「脱税」や「粉飾決算」などのコンプライアンス違反が原因で倒産する企業は、2010年から5年連続で増加しているそうだ。できるだけ納税額を抑えたい気持ちは分かるが、そのために法律を犯し、バレて高額の追徴課税を受け、そのうえ刑事告訴までされるのは本末転倒だ。
 本書は、32年間にわたって大阪国税局の税務調査官として勤務し、中小企業約700社の法人税調査を担当してきた、著者の辻正夫氏だからこそ書ける節税テクニックが紹介されている。本書のテクニックを駆使すれば、節税を果たし、会社を強くすることができるという。しかし、一部の経営者が期待するような法律スレスレのテクニックは書かれていない。正しいテクニックを使った真っ当な節税法だ。そのテクニックを要約したものを、ほんの少しだけ紹介していこう。
◆究極の節税の考え方
 節税には「支出を伴う節税」と「支出を伴わない節税」の2つがある。「支出を伴う節税」とは、経費を支出したり、備品の購入をしたり、減価償却資産の取得などで利益を減らす方法だ。「支出を伴わない節税」とは、キャッシュを使わずに利益を圧縮する方法だ。この2つのうち「支出を伴う節税」が広く実践されている。節税効果が実感しやすいためだ。
 しかし辻氏によると、会社にキャッシュ(現預金)を残してこそ、会社が強くなっていくという。「支出を伴わない節税」を行うのだ。もし会社からキャッシュがなくなると、取引先が倒産して売掛金が回収できなくなった場合、黒字倒産を起こすこともあるそうだ。また、会社にキャッシュが増え、財務基盤が強くなると、金融機関の与信力(信用)が高まり、場合によっては無担保で融資を受けることもできるとか。
◆究極の節税の具体策 役員報酬
 「経営者個人と法人のトータルで節税する」というのが辻氏の考える節税の大原則だ。ところが「自分の会社なのだから役員報酬をたくさん受け取って当たり前」と考える経営者が少なくない。
 しかし、辻氏の提案する「会社にキャッシュを残す」という点で見ると、トップが役員報酬をたくさん受け取るべきではない。所得税の最高税率は、2016年現在で45%(4000万円超)になっており、これに住民税10%をプラスすると55%になる。中小企業の経営者となると、最高税率の報酬を受け取っている人も少なくないはず。役員報酬をたくさん受け取ると、会社からキャッシュが出ていくだけでなく、経営者個人が得た役員報酬に対して、さきほどの55%の最高税率がかかってしまう。法人税などの実効税率を34%と考えれば、21%も余分に税金を払っているのだ。そうではなく、代表者個人の役員報酬は、法人税などと同額程度の所得税になるまで抑え、その分のキャッシュを会社に残すことで、結果的に余分に払っていた税金を節税するべきという。
 辻氏いわく、役員報酬の金銭的な目安は1200万円程度だそうだ。「所得税+住民税」と「法人税などの実効税率」の推移を比較した場合、所得税などが法人税などと同額になるラインだからだそう。
 この他にも様々な「究極の節税」が書かれており、これ以上紹介すると際限なくなるので、あえてここまでにさせていただく。本書こそ経費で購入すべきだ。中小企業の経営者は絶対に手にすべきだろう。本書にも記述されていたが、日本の99.7%は中小企業だそうだ。中小企業こそ日本社会なのだ。経営者には正しく会社運営してもらい、誠実に納税してもらい、日本をもっと良くしてほしいと願う。
文=いのうえゆきひろ


日本企業 パナマ文書に続く「バハマ文書」に戦々恐々?
http://news.livedoor.com/article/detail/12061610/
2016年9月25日 10時26分
ざっくり言うと
• パナマ文書に続く「バハマ文書」を日本企業が恐れているとジャーナリスト
• 日本関連法人が約80社含まれ、山一証券のペーパーカンパニーの名前もある
• 文書の解析が進めば、別の企業での違法行為が発覚する恐れは十分あるという
日本企業は再び恐々…パナマに続き「バハマ文書」の衝撃
2016年9月25日 10時26分
日刊ゲンダイDIGITAL
「パナマ文書」に続く第2弾、「バハマ文書」が世界に衝撃を与えている。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が22日に公表した。カリブ海の島国でタックスヘイブン(租税回避地)として知られるが、1990年以降に設立された法人は17万5000社以上。世界のジャーナリストが解析を急いでいる。

「バハマ文書」には日本に関連する法人も約80社含まれている。注目すべきは、97年に経営破綻した山一証券が“飛ばし”に使っていたペーパーカンパニー4社の名前が含まれていたことだ。金融ジャーナリストの小林佳樹氏はこう言う。

「山一の“亡霊”が現れた感じです。山一はペーパーカンパニーに、巨額な含み損を抱えた有価証券を押し付けて、損失隠しを行っていた。こうした粉飾決算事件では、経営陣が逮捕されています。今後、文書の解析が進めば、別の企業で山一と同じような違法行為が発覚する恐れは十分にあります」

 パナマ文書では、アイスランドのグンロイグソン首相が資産隠し疑惑で辞任したが、今回のバハマ文書でも大物政治家の名前が挙がっている。中でも衝撃なのは、EUの行政を担う欧州委員会のクルス元副委員長だろう。00~09年の間、バハマの企業の役員を務めていたが、それをEUに申告していなかった。欧州内からの反発は必至だ。

「英国はEU離脱に向けて準備を進めていますが、それは“ポーズ”だけ。実際、準備はほとんど進んでいないといいます。逆に、政権内では『離脱は間違っていた。再投票をやろう』という機運が高まっていた。しかし、このタイミングで、税逃れを規制する側のEUから名前が出てしまった。欧州内でEU離脱の動きが加速する可能性があります」(国際ジャーナリスト)

 しかし、こうして次々に租税回避地からリストが出て、ビビっている政治家や大企業は多いだろう。世界にはモナコやキプロス、米領バージン諸島、マルタなど租税回避地はまだまだたくさんあるからだ。そこからリストがいつ流出してもおかしくない。

「バハマを使っている日本企業はそれほど多くない。本当にヤバイのは、ケイマン諸島なんです。合法、非合法合わせて数百社以上の日本企業が使っている。もし、その実態が明るみになれば、どうなるか想像もつきません。“ケイマン爆弾”を恐れている企業は多いと思います」(小林佳樹氏)

 パナマ文書が出た際は、多くの大企業や経営者の具体名が明るみになったが、何の“制裁”もなかった。「逃げ切った」と思っているかもしれないが、今後は第2、第3の矢におびえることになりそうだ。

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