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やっぱり敗けたよ。



     やっぱり敗けたよ。




 敗けた~ 敗けた~
 力及ばす敗けたっけ~

 春日八郎なら、こううたうところの結果となって、
 午後9時10分、
 世川行介さんは、力なく部屋に戻って来たのであった。


 今日調べたら、
 あのパチンコ屋に、
 4円の「海物語」は5台しかなかった。
 10台と書いたのは、僕の間違い。
 ということは、
 僕は、その5台を、行ったり来たりしていたわけだ。
 そうなると、
 僕と店との知恵比べだ。
 1台くらいは出る台があるだろうからね。


 で、
「今日はどこから攻めようか。」
 と思案し、
 店の予想の裏をかき、
 昨日稼がせてもらった台に座った。


 1万円つかって、スーパーラッキーが出たが、
 計算すると、1万円に少し足りない。
「しかし、この台は出がらしだ。
 台を移ろう。」
 二つ隣に移った。


 そこで、買っていた玉を全部吸い取られて、
 さらに9500円を投入した。
「よし。3万円までは、勝負に向かうぞ。」

 勝負事は、男の心意気の勝負だ。
 僕の気迫に圧倒されて、
 出てきましたよ。
 全然可愛くない、単発ラッキー。


 こいつが曲者だった。

 単発ラッキーで得た玉を、ほとんどなくなりかけるまで打つと、
 また単発ラッキーが出る。
 それがなくなりかけるまで打つと、また単発ラッキー。
 なんと、
 僕は、
 それを6回もやらされて、
 もう、パチンコをするのが嫌になったくらい。


 しかし、
 僕は粘った。
 その6回のしつこい単発ラッキーを耐えに耐え、
 粘りに粘り、
 ひたすら打ち続けた。


 <僕の神さま>はそんな健気な僕を大好きだ。
「よく耐えた。
 そ~ら。ご褒美だ。」
 ということで、
 待ちに待ってた、


      ス-パーラッキー!


 これが出てこなくちゃね。

 その後、3回出た。
 だけど、
 そこまで。
 もう、ここからは出ない。それはわかった。


 店もななかなか手ごわいじゃないか。


「神さま。
 これは、
 もう、今日は、ここいらでやめろということでございますか?」
 僕はパチンコ店の天井を見上げて尋ねた。
「お前は、なんて物わかりのいい子なのだろう。
 もうすぐ9時。
 がんこ堂が、店で、お前の来るのを首を長くして待っているぞ。
 早く帰ってやるがいい。」
 <僕の神さま>は優しい声で僕を諭した。


 で、僕は、換金所に向かった。


「はい。19200円ね。」

 え~と。
 僕が今日投入した金額は、19850円でしょ。
 ということは、
「冗談じゃないよ。
 650円も敗けてるじゃないか!」 
 あまりにも多額な敗けに、
 僕は、口惜しくて、地団太を踏みましたとさ。


 嘘。嘘。
 なんで口惜しがったりするもんですか。
 世川行介、
 プライドが保てて、ホッ。


 いや~。
 よく取り返したなあ。






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