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ホント、彦根ではパチンコで食っていくかなあ。



  ホント、彦根ではパチンコで食っていくかなあ。




 午後4時前、「瀧夜叉」姫からメールがあって、
 東京の三省堂に僕の「貧乏歌舞伎町篇」が、確かに出ていて、
 お弟子さんが買ったとのことで、
「そうか。東京は、今日発売か。」
 少し安堵した僕だった。


 佳き日は佳きように過ごそうではないか。

「よし。
 それなら、今日は一つ、
 発売記念にパチンコでも行ってやろう。」
 部屋を出た。


 しかし、
 東京で散財をし尽くした今日の僕は、非常に手元不如意で、
「仕方がない。奥の手だ。」
 「本のがんこ堂」に行き、
「済まない。またカラス金で2万円。」
 借金をお願いした。

 カラス金というのは、
 ばくち打ちの使う言葉で、
 カラスがカーと鳴いたら。1割の利息、という金のことだ。

 僕は4万円ほどを握って、「パチンコ1BAN」に行った。

 
 始めた。

 すると、
 たったの1500円で、「スパーラッキー!」の声がした。
 それから出続け、
 5400個まで行った。
 だいたい、2万円くらいの勝ちだ。

「どうしようかな。」
 と時計を見ると、まだ5時半。
「フン。
 バクチ打ちが、2万円くらいのはした金でやめて帰れるか。」


 まあ、世川行介、いつものパターンが始まったわけだよ。


 それから、
 1時間ほどかけて、5400個の玉を、全部打ち込んだ。
 これも結構疲れる作業だ。
 その上に1万円。失った。


 しかし!
 今日は僕の本の発売日だ。僕が敗けるわけがない。
 もう、これは、確信。
「何をこれくらいでビビッてるんだ。
 まだ、たった1万円の敗けだけじゃないか。
 あと1万円だ。」
 僕は、さらに1万円札を入れた。


 すると、
 そして、
 これもまた、1500円目になったら、


      スーパーラッキー!


 毎度毎度の可愛い声がした。
 この声、好きだなあ。

「おお。やっと来たかい。スーパーラッキー。
 待ちかねたぜ。
 一味違うやつを頼むぞ。」
 僕はパチンコ台にお願いの声をかけた。


 すると、どうだろう。
 まあ、止まらない。
 止まらない。
 ラッキーばかりが続きに続き、
 出っ放し。
 7時になっても止まらない。
 8時になっても止まらない・
 ホントによく出る彦根のパチンコ。


 8時40分になった。
「まあ。これくらいしておくか。」
 と、表示盤を見たならば、
 なんと、僕の獲得玉数は、
 14300個。
 さっきの3倍近い。
「ハハハ。
 これが勝負師の勝ち方だよ。」
 僕は、
 最近出てきた腹を抱えて笑いましたとさ。


 カウンターに行くと、
 受付の女の子が、
「たくさん出しましたね。
 どこの台でやったんですか?」
 と訊いて来た。
「海物語。」
 僕は一言答えただけで、換金所に向かった。


 もう一度、「ハハハハ!」をやらせてもらうと、
 ハハハハ。
 なんと。世川行介君。
 元金11500円を引いて、
 39500円の勝ちであった、
 あの時なら、2万円。
 勝負をかけて、4万円。
 さすがは世川行介だ。
 もう、彦根でパチンコで食っていくかなあ。
 なんてことは、思わなかったよ。
 僕の本職は、マージャン打ち。


 それから、
 がんこ堂に寄って、
「ほい。利息の2000円付きで返済だ。」
「いくら勝ったんですか?」
「なあに。たったの4万円よ。」
 世川さんは、少し気取って答えましたとさ。
「おい。晩御飯食べに行こう。
 奢るから、
 10時に店を閉じたら、僕の部屋の前までおいで。
 何が食べたい?」
「じゃあ、焼き肉。」
「よし。それで行こう。」
 ということで、店を出たら、
「うん?」
 車のクラクション。


 誰かと思って見たならば、
 最近マージャン屋往復をやってくれる彦根タクシーの運転手さん。
「ああ。丁度良かった。
 約束どおり、東京のお土産を買ってきてあるんだよ。
 今度暇なときに取りに来てよ。」
 と言うと、
「乗ってよ。家まで送るよ。
 料金はいらないから。」
 そんな優しい言葉をくれ、
 僕は、すぐそこなのに、タクシーで帰宅したのであった。


 東京で、マージャンで4万円。
 帰って来て、彦根のパチンコで4万円。
 だんだん昔の僕に戻ってくるような感じだ。
 いいね。この感じ。


 昔はいつも思ったものだ。
「俺に5万円の元手が毎日あったら、
 毎日同額くらい稼いで、リッチな放浪者をするんだがなあ。」

 その5万円の元手がなくて、
 5万円どころか、3万円も、2万円もなくて、
 毎日、虎の子の1万円札を1枚握って、
 敗けたら野宿を覚悟しながら、
 安いレートのマージャンで、3000円5000円を稼いで、
 今夜の宿を探したものだった。


 いやあ。しみじみとあの頃が懐かしい。





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