世川行介放浪日記

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魔の妹尾タイム

2017年05月05日 16時08分21秒 | 彦根放浪篇


   魔の妹尾タイム




 昨夜、岡山の妹尾さんが彦根にやって来て、
 7時過ぎから、がんこ堂と三人、「魚丸」で、
 「愛欲上野篇」の脱稿記念の宴をもよおした。


 「~備忘録」世界では周知のことだが、
 岡山の妹尾さんは、防衛大学卒、海上自衛隊で護衛艦の艦長を歴任した人で、
 自分の防衛論には格別の自負を持っていて、
 宴会が始まると、
 他の人間には一切言葉を発することを許さず、
 二次会が終了するまで、
 滔々と持論をぶち続けることから、
 彼の参加した呑み会は、
「魔の妹尾タイム」
 と呼ばれ、
 皆、われ先にと、酔ったふりをして妹尾テーブルから逃げ、
 別の集団をつくり、
 彼の周辺にいるのは、逃げるのが下手な研一郎だけ。
 これが毎度の光景となっている。


 昨夜、僕は、
「まあ、今日の犠牲者は、がんこ堂になってもらうか。」
 と考えていたから、
 3時間、妹尾さんの眼と口の先をがんこ堂に向けさせた。
 おかげで、ゆっくり料理を味わえた。


 午後10時になり。
「じゃあ、今から僕の部屋で呑み直しますか。」
 駅に向かったら、
 がんこ堂が、
「あの~。
 ちょっと腹具合がおかしいんで、店に帰ってきます。」
 と、駅前の店に入った。
「大丈夫かなあ。」
 僕は心配した。


 10分ほど経った頃、
 電話があり、
「どうも、日ごろ食べたことのない高級なごちそうを腹いっぱい食べたもので、
 消化不良を起こして…。アッ。イテテ。オ~、痛て~。
 今日は、もう、家に帰ります。」
 そんな言葉を残して、僕の返事も待たず、電話を切った。

 真面目そうな顔をして、結構、上手に逃げることを知っているじゃないか。
 がんこ堂を見直した。


 かたわらを見ると、
 まだしゃべり足りない妹尾さんが、
 彦根駅前で、腕を、ブルンブルンと振り回している。
 あれは、「あと2時間ですコース」の表示だ。
 ふ~む。次は僕か。


 僕は、部屋に着くなり、
「妹尾さん。
 BENICHU38、妹尾さんのためにとっておいたから、さあ、呑んで。」
 ロックで呑ませた。
「おお、これか。
 これは美味くて、すぐに酔うんだよな。」
「そうですね。まあ、もう一杯。」
「あのな、世川さん。」
「そうですか。美味しいですか。
 じゃあ、もう一杯。」
 防衛論をしゃべる暇を与えず、
 かけつけ5杯、BENICHU38ロックを差し出した。
 小瓶一本が空になった。
 彼がトイレに行こうと立ち上がったその瞬間、
「ちょっと、僕、ソファに横になりますね。」
 さっとソファに横たわり、
 あっという間に眠りに入り、
 熟睡。熟睡、ただ安眠。
 起きたら、朝の10時だった。

 いや~。命拾いをしたぜ。


 午後になって、二人でがんこ堂の店を覗いたら、
「おはようございます。」
 彼は、とっても元気に仕事に励んでいたが、
 僕の後ろに妹尾さんの姿を認めると、
「!」
 一瞬、躰を身構えた。
 それを僕は見逃さなかった。

 きっと、これからは、
 誰と呑むのかを聞いてからでないと、参加しないことだろう。




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