世川行介放浪日記

日々の雑感。
昔話。
時事問題への言及。
歌謡曲篇。文学篇。
漫談。
たまに女篇。
2年に1度は愛欲篇

白土三平『カムイ伝』の記憶

2017年07月15日 13時53分56秒 | 自選 漫画感想文


      白土三平『カムイ伝』の記憶




 白土三平の大河劇画『カムイ伝』には、
 いくつか記憶に残る場面があるが、
 その中の一つに、


 百姓一揆が崩壊して、残党狩りが行われ、
 一揆の中心人物たちは、一人二人と追い詰められ殺されていく。
 嗅覚の鋭い猟犬を持った猟師が、藩の言いつけで、
 人の匂いを頼りの残党狩りに協力して、
 山の崖っぷちにまで追い詰めた時、
 『カムイ伝』の中心人物の一人である「苔丸」が登場し、
 その猟犬を殺し、猟師を崖に投げ落とすのだが、
 その際、漁師が、「頼まれただけで…、」と言い訳するのを受けて、
 苔丸が発する言葉が、


     狩人は獣を追って生業をするもの。
     人を狩るは狩人ではなか!


 というもので、
 僕は、この言葉が大好きだった。


 20数年前、
 僕を犯罪者に仕立て上げて業界から追放しようとした旧郵政省の小役人たちと戦った時も、
 この言葉を思い出した。


 この小役人たちは、郵政監察といって、
 捜査権も逮捕権も持っていて、
 僕に少しでも非違があったら、
 僕を犯罪者に仕立て上げることは可能だった。


 たしか、田尾とかいうクズ男が、島根観察室の室長で、
 この男は、僕を追放する特命を受けて室長に任命されたということで、
 ありとあらゆることをやった。
 半年間、毎日、監察官に僕を尾行させ、
 僕の周囲には、
「世川を追い出せるネタがあったら提供しろ。」
 と訊きまわり、
 それは、もう、すごかった。

 こちらからその田尾という阿呆な監察室長に裁判を起こし、
 新聞等で、
「特定郵便局長が、郵政監察室長を訴えるなど、
 郵政史上初めてのことだ。」
 と騒がれ、
 結構大変な日々だったが、


 その時、僕は、
「人一人を殺して恥じない連中とはとことん戦う。」
 そう決めて、1年余たった独りで戦い、
 僕を犯罪者に仕立て上げられなくなって膠着状態に入った段階で、
 依願退職で職を辞した。


 その戦いで、僕が得た教訓は、


     国家権力は人を殺して恥じない。


 というものだった。
 今でもその思いに変更はなく、
 籠池とかいう欲深なクズ男を見ていると、
「こいつは、何にもわかってないな。」
 冷笑しか浮かんでこない。


 そんな戦いを経験した僕なので、
 人を殺して恥じない人間や組織を見ると、
 どうしても許せなくなる。
 まあ、一種の条件反射みたいなものだ。

 おかげで、
 最近の僕は、阿呆相手の戦いに没頭させられている。


 今でも、思い出して、クスリと笑うのは、

 当時の僕は結構勇ましく、
 女とラブホテルに行くのを尾行された時、
 明くる日、島根監察室に行って、
 その田尾という室長に、
「確かに、女はいるよ。僕はモテるからな。
 しかし、
 女とのホテル代をお前らに出してもらったことがあるか?
 全部自費でやってきたぞ。
 僕に他に女がいることを責めるのを許されるのは、僕の女房だけだ。
 お前らにとやかく言われる筋合いはない。」
 そう啖呵を切った。

 よくあんな啖呵を切ったもんだと、
 今でも、思い出す度、独り笑ってしまう。


 人は、
 人一人を殺して恥じないような人間になってはいけない。

 あの日から、ずっと、
 そう思って生きて来た。





『コラム』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 再びありがとう。今夜掲載し... | トップ |  MY LOVE 「ICHIBAN」! »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

自選 漫画感想文」カテゴリの最新記事

トラックバック

この記事のトラックバック  Ping-URL